一般にはなじみが少ないロシアレンズだが、安価でよく写るという理由で、なかなか根強い人気がある。

第二次世界大戦後、ドイツは東西に分割された。
ロシア(旧ソ連)は東ドイツのカール・ツァイスを接収し、結果、ロシア製の多くのレンズが、ツァイスの設計を基本に製造されることになった。

つまり、ロシアレンズは、基本設計の素性が抜群に良いのだ。
「まんまツァイス・コピー」と言われるレンズもあるが、簡略化のための設計変更がなされていることも多い。

むしろ「異国に生まれた、同じDNAを持つ者」と考えたほうが良いのだろう。

とくにM42マウントのレンズは、フィルムカメラ時代から一眼レフ用のマウントアダプターが存在し、静かな人気があった。
さらに、ミラーレスカメラの登場によって、それまで一眼レフで使えなかったライカLマウントレンズまでマウントアダプター経由で使えるようになったのだ。

それらのレンズの、デジタルでの写りがどのようなものなのか、
今日、撮影してきた次の3本のレンズを、忘れないうちに?まとめてアップロードする。


MC HELIOS-44M-4 58mm 1:2   Valdai

JUPITER-12 2.8/35   LZOS
INDUSTAR-61 2.8/52  FED

 

なお、ロシアレンズ&写真記事は、下記記事でリンク先をリスト化している。
フルサイズEマウントで使うオールドレンズ&写真 (5) 海外、引伸し用、Lマウント、テレコン 他

 



MC HELIOS-44M-4 58mm 1:2   Valdai

 
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このレンズは、中国、天津のガラクタ市のようなところで買った。
 

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汚れ方が半端ではなく、全分解してメンテナンスしたのだが、前玉の無数の擦り傷はどうにもならなかった。
無数の擦り傷によって写りは当然違ってくるし、一般的には悪くなるとされる。

 

だが、この種のレンズと長く付き合っていると、「悪くなる」など、とくに問題にもならなくなる。
「無数の擦り傷ゆえに、唯一無比の写りを見せてくれる」と思えてくるのだ。

欠点とは、「基準があり、基準から外れる」から欠点となる。基準が異なれば、欠点など成り立つはずもないのだ。

ツァイスのビオターコピーとされるMCヘリオスは、製造本数も多く、状態が良いレンズが、日本でも安価に普通に手に入る。

「状態が良いレンズを、いつでも容易に入手することができる」と思っていると、
「それではつまらない。このような唯一無比の個体を、このまま使っていこう」と思えてくるから不思議だ。(^^;


 

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JUPITER-12 2.8/35   LZOS
 

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ビオゴンコピーのジュピター12は、後玉の突き出しがあまりにも大きく、長いこと、レンジファインダー機専用だった。一眼レフ機では使用不可能だったのだ。

ミラーレス登場においても、APS-Cではやはり内部干渉があり、フルサイズ機が出て、かろうじて使用可能になった。
かろうじてというのは、まさに紙一重で使えているからなのだ。なんだか
使う前から楽しみになってくる。(^^;

 

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INDUSTAR-61 2.8/52   FED
 

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インダスター61は、レンジファインダー機のライカLマウント用のレンズで、レンズタイプはテッサーだ。
テッサーというタイプは不思議だ。
テッサーの優秀性がその後のレンズ設計におよぼした影響は計り知れないだろう。しかし、テッサーが一番好きだという人をあまり見ないのだ。

プラナーなどのダブルガウスタイプや、ゾナー系が好きという人はまだ見かけるのだが、あまりにも一般的すぎるからなのか。
だが「2番目に好き」というなら、ほぼ間違いなくテッサーが選ばれるだろう。そんなタイプのレンズなのだ。


 

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水石の世界 The Art of Natural Stone ~ ワーグナーのタンホイザー序曲とともに