FUJINON 1:2.8/38mm (Flash Fujica) 改
FUJI PHOTO FILM
※ 使用カメラはAPS-CのNEX-5Nだ。
このレンズは、フジフィルムのコンパクトカメラ「フラッシュ・フジカ」に付いていたレンズだ。これもオールドレンズと言えるだろう。
1980年前後、ファミリー向けコンパクトカメラは、プログラムシャッター搭載、ストロボ内蔵、オートフォーカス、自動巻き上げ、レンズバリアー式など、ファミリー向けとして、より扱いやすい方向に進化していった。
しかし当時、レンズの描写が話題に上ることはあまりなかったように思う。
その後ネットワーク時代になり、ユーザーたちの情報交換が進むと、この時代のコンパクトカメラの写りが「意外なほどに良い」ことがわかってきた。
業界にしがらみを持たない人たちが、ブランドや価格などからの固定観念に束縛されることなく、純粋にその写りだけで多面的に評価し始めたのだ。
このレンズもまた、そんな人たちから評価を受けたレンズのうちの一つなのだ。
このレンズはジャンク品から取り外して、Eマウントカメラで使えるようにしたものだ。
経緯は次の記事に。
復活するオールドレンズ (7) フジノンレンズとヤシカレンズ ◆
このレンズの写りに、きめ細かさはあまり感じられなく、描写のエッジはゆるい。絞り開放ではその傾向がさらに顕著になり、ソフトフォーカスレンズ的になる。
しかし収差の影響からなのか、その写りには独特の厚みや濃さが感じられる。ネットにおいても、その濃さを好む人が多いのだ。
このレンズ+NEX系のカメラは小型軽量なため、この組み合わせでメモ帳?代わりに、いつも持ち歩いている。
NEX系はAPS-Cだから、焦点距離38mmのこのレンズはフルサイズ換算で57mm相当の標準レンズとなる。
ひさしぶりにこのレンズで、まとまった数の写真を撮ってみようという気になった。
それならこの改造レンズとは、昔の国境だった関所跡に行こう。そこでの絵を、このレンズに切り取ってもらおう。
しばらく行っていなかった場所だが、あの楽しいナコソタイムスは健在だろうか。
BAD TIME (TO BE IN LOVE)--GRAND FUNK (NEW ENHANCED RECORDING)