XR RIKENON FISHEYE 1:2.8 16mm RICOH

リコーの対角魚眼レンズだ。このレンズは1977年に発売開始されたリコーの一眼レフカメラ、XRシリーズのレンズラインナップに入っていたKマウントレンズだ。
同じ時代のシグマのレンズカタログにも、形がまったく同じレンズがラインナップされている。リコーはレンズを自社製造していなかったから、このレンズはシグマのOEMだろう。
対角魚眼レンズとは、撮影画面の対角線端点、つまり画面の右上と左下(もしくは左上と右下)が、真横位置に来る画角を持つレンズだ。もちろん、肉眼で見える範囲を超えている。
正面を撮影すれば、「自分がいる位置から前の、ほとんどすべて」が画面に入る。真上を撮影すれば、空がほとんどぜんぶ入るのだ。
もちろん歪曲収差はきわめて大きく、建物や電柱などの直線部は曲がって見える。
そんな極端な特徴を持つレンズは、なにに使われるのか。
たとえば雲の動きを定点観測するなど、専門的な用途に限られる。つまり、このレンズは特殊レンズなのだ。
もちろん、スナップ撮影に使う人はほとんどいない。用途としては、誇張した不思議系写真などに使われることが多い。
直線や曲線を組み合わせると、独特の非日常的な絵が作れるのだ。
台風がくり返しやってくる、今日の雲も複雑な形をしていた。
最初、28mmか35mmレンズを持ち出そうとしたのだが、このレンズに目が止まったのだ。

























撮影途中、何度か頭が痛くなった。(^^;
しかしこの、異様さすら感じさせる量感は、やはりただものではない。
家の近所ばかり撮影したのだが、たとえば都市風景、建物内部など、いろいろな場所から不思議系異界?を探し出すことができるだろう。
このようなレンズでの撮影は、誇張を活かすよりも、「できるだけ普通に見せかけて、しかしなんだか変」といったあたりの表現を狙う方が、日常の異界を感じさせて、よほど面白いと思う。
ELP Hoedown (New Stereo Mix)