写真だけ載せて

本のことを全く書いていなかったのでご紹介。




この本の面白いところは

複数のエッセイ的なものが各章にあるのだけど


その章ごとに かなり空気感が異なるところ。


空気感というか

その文章のジャンルすらも変わっていくような感じがある。


一つ目の章は 「沈黙の通訳」と題してる。

言語学者としての経験が書かれているのだがこれは何だかムードがある感じ。「趣」って言葉が浮かぶものが多い。

バーで お互い知らない言語の人たちが楽しく過ごした様子を描いたりする。


そして 私が面白かったのが2章。

著者と奥さん(チェコ語話者)の子供たちについて書いたバイリンガルの話。何だか 観察記録的な感じもする章。


その言語力がどんどん変わる子供たちの様子は面白いし、自分の娘にも重なる。

子供たちは小さな頃から日本で育ち日本語を話していたが、母親がチェコへ3ヶ月連れて行って帰ってきたら

日本語理解もできなくなっていた。

しかし 完全にわからなかったのは2-3日

やがて回復し始めて 10日後には元の状態に戻る。

笑い泣き笑い泣き笑い泣き

うちの娘が ほぼ日本語を話させずに日本へ6際くらいできて 保育園に初めて2週間くらいで 普通の日本の子と見分けがつかない話しっぷりになってたのを思い出す。

やがて子供達は 両方の言葉をそれなりに話して本も読むように育つ。


さらには

両親が内緒のことを話すのに ロシア語を

そしてドイツ語🇩🇪を使っていたところ

それらの言葉も習得して行って 内緒話ができなくなったりする。


笑い泣き笑い泣き笑い泣き


この辺は 少し前に書いた

母国語聞かれて

「何だっけ?!」となってた イギリスであったナミビア人の友人を思い出す(彼女は現地の言葉に加えて、フランス語ドイツ語英語 他にもいくつか話す。母国語どれか忘れたらしい)



そして

もう一つの大きな軸が

「本」です。

当時の言語学を考えるにあたっては

古来からの

紙の本の情報がすごく大切であったらしく

良い本を求めて

世界中の

古本屋 古書店を巡る著者の様子が出てきます。

そこには

社会主義国ゆえの 独特な本を売り買いするシステムがあったり、時代ごと国ごとに禁書があったりします。


また

希少本の個人的やり取りや

本屋で日々出会っていく人々の

そういう中での

特別な本を求める人々の繋がりがあります。


というか ネットがない時代

何もかもが人とのつながりで手に入れていくために

繋がりこそが

言語を研究することを

可能にする面があります。



希少本の意味も ネット上で

本の見られる今の時代では想像しにくいものがあります。私もそんなにマニアックでないものの

そこそこの古い本

読みたいけれど高価なってるけどでも欲しい!

って本が数年に渡ってあって。

ある日 その意味を解さない古本屋さんで100円か何かでその本を発見した時の嬉しさは、今もはっきり覚えてます。

あと 偶然に人から 星の王子様(日本語訳)とか

いくつか いいなーって本の初版本をいただく機会があったりして

なので あの欲しい本を発見する喜びは

すごくわかる気がする。

(著者のは 世界中でもう個人で持っているものがない本 とかだったりするので 私のとはレベルが全く違いますが)


さらにいえば 学生時代

医学書の 出版社はもちろんだけれど(当時は医学書自体が少なかった)

印刷会社名までな是か詳しくなってて、おおこの本は 〇〇と同じところで印刷されてる!とか発見するのも好きだったし。


地域のお祭りで最近の活版印刷の本を売るお店が出るとすごく嬉しかったり、

文字デザイナーの友達と仲が良かった時は

アルファベットの活版印刷の

古く美しい本 や貴重な本を探すのを 一緒に回ったことがあり そういう本の発見も楽しかった💡


そんな 本大好きな私には

そういう紙本文化が熱く語られてるのも

面白かったです。


ネットが発達して 便利になり 貴重な本もある程度内容が見やすくなった一方で 不便で物理的な交流が必要であったからこそ生まれた

ドラマや 好きなものを介した人とのつながりなど

いい面もたくさんあったように感じます。


ぜひそんな古き良き文化が好きな方

思いを馳せるのが好きな方

にもおすすめの本です。