レインボーの光にのせて~Ballet & Healing room -2ページ目

レインボーの光にのせて~Ballet & Healing room

魂の自分と
宇宙と
高次元の存在たちと
繋がることで
体と心の軸を強化し
本来の自分を輝かせて
人生を楽しんでいけますように☆彡

父の血液検査の数値は

相変わらず、狭い範囲で上下していた

標準よりはずっと低い数値だが

最低ラインは保持したまま…


血液が薄く少ない中

体は徐々に元気がなくなっていった

そんな中でも

近くを散歩したり

空き地を何周も歩いたり

と、体力維持に頑張っていた


この年になっても

まだまだやりたいことがある!

と言っていた父にとっては

負けるわけにはいかない! 

という思いが残っていたのだ


1年が過ぎようとしてた頃

弟たちと久しぶりにゴルフに行くことになった

この頃には

病院以外、あまり外にも出なくなっていた

「見てるだけやよ。やるにしても少しだけにしてな。

しんどかったらすぐ帰ってきてな」

といろいろ言ったが

(絶対やるやろなぁ…)

と思いつつ、やはり心配だ


以前、弟とゴルフに行った時は

カートに乗ってただけなのに

振動だけで、腕が真っ青なアザになってた


結果、1ホール回ったらしく

当然、腕は真っ青!

「久しぶりに外の風にあたって気持ちよかったわ〜

あれら見とったら、どうしてもやりたくなってなぁー」

と、弾けるような笑顔を見たら

とても幸せな時間を過ごせたことに

涙がでるくらい、嬉しかった


父にとっては

久々の生きてる実感、充実感を

感じていたのだろう





ビダーザの治療もあと1回となったある日

通院後にいつものお店に行くと

奥さんがとてもお疲れのご様子

「大丈夫ですか?」とお聞きすると

ご主人が先月急死されたとの事


「自分の方が先に逝くと思っとったのにな…」

父がポツリと言った後

私たちはショックが大きすぎて…言葉がでなかった



翌日、亡くなられたご主人からメッセージを受けた


この頃、友人や知人の亡くなられたご家族の方から

時々、メッセージを受けることがあったのだ

それは、リラックスしてる時に

ふいに入ってくる

ビジョンや言葉、感情が流れてきたり

匂いと共に訪れることもあった


ご主人は、ご自分の気持ちや、奥さんへの思い、メッセージを

いろんなビジョンや言葉でみせてくれた

どうしても伝えて欲しいと、強い思いを感じた


翌月の通院後、お店に向かった

お昼時で、そんな余裕があるのか

と心配したが

そこは、うまくセッティングされていた

この日は少し早く終わったため

お店には1組のお客さんだけだった

とても珍しいことだった


奥さんに

「お話したいことがあるのですが、少しお時間よろしいでしょうか?」

とお聞きすると、快く受けてくれた

お店の外に出て

「ご主人の事でお聞きしたいことがあるのですが…」

と、お話すると

「何かみえるんですか?」

と聞かれ

みえたこと、メッセージをそのままお伝えした

奥さんは涙を流され

「また何かみえたら、教えてください」

と…ご主人の魂を感じられたようだった

ご主人も満足したようで、笑顔と共に穏やかな感情が流れてきた


両親に聞かれたので、軽く説明すると

訝しげな表情で、黙って聞いていた

ヒーリングの効果を少しは信じてくれてたが

ミディアムについては

なかなか理解はできないみたいだった




父のビダーザの治療は一旦終わり

様子を見ることになった





病名がわかると、すぐに治療にとりかかった

完治のためではなく

延命のための、今ある治療法だ


点滴とビダーザの注射を1日2カ所に打ち

連続5日間

これを6クール、3月まで続けた


最初の5日間は、副作用などないか調べるため

入院しての治療となった


父と母とわたしが病室で待っていると

医者が入ってきた

その姿を見て驚いた

この頃は、まだコロナが流行る前だったが

まるでコロナ禍のような完全防備だったのだ

異様なその格好に

みんな凍りついた

それほど強い毒性のある薬品なのだ…

そんな薬を体に入れるなんて…


父が

「すごい格好やなぁ…」

と言うと

「いやぁー、びっくりしますよね」

と、医者が軽く笑顔で答え

なぜなのか聞くと

この薬品が皮膚に触れると腐る⁈ らしく

トイレは座ってする

家族とは別にする

お風呂も最後に入る

と、いろいろ注意事項を聞かされた


注射の後は、内出血でアザになり

数日取れなかった

2日目ぐらいまでは、それほどではなかったが

3日目ぐらいから徐々に副作用がでて

悪心、頭痛などで

父も元気がなくなっていった

 

3日目の治療が終わった後、病室に入ったら

薬品の匂いが立ち込めていた

わたしはできる限り、ヒーリングをしていたのだが

気持ちがかなり落ちてしまい

父を見るのが辛くて…

なるべく明るくしていようとは務めたが

病室を出ると、一気に感情が溢れ出てきた


1クールが終わり、幸い副作用も想定内のものだったので

次からは通院での治療となった

父は、それだけでもホッと心が軽くなっていった


しかし、治療後の方が副作用が強く感じられ

しばらくは家で安静にしてた

何かあれば、病院にすぐ連絡をするように! と



今までとは全然違う重苦しい空気の中

それでも、生きたい! 

という父の思いがあった

わたしたちも奇跡を信じようとしていた