まにまに (8) | Rainbowのブログ

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 次に登場するは、象の親子だった。子象はまだ親象の三分の一にも満たない大きさ。それでも、

親と同様に派手な布と装飾で体をまとっている。鼻と顎を突き上げ、親象のうしろに続く。その

歩く姿をみて、客席のぎんは、自分たちと重ね、胸が少し苦しくなった。ぎん は 隣にいる た

まを 見た。たまは、上体を椅子から乗り出すように舞台を見入っていた。

 親象が客席を向き会釈をする。すぐ後に、子象の会釈が追いかける。会場内で拍手がパラパラと

なった。二頭が頭を上げると、親象がまぶしく輝く。ぎん が薄目でその様子を探ると、親象の

額に大きな宝石がある。子象を見ると、やはり小さな宝石がちらちら輝いていた。もともと 象の

額で生きている宝石。その宝石にスポットライトが当たるとまっすぐな光の道ができた。光りの道

は舞台のうえの親象から客席のうしろへとのびている。

 親象が前足を膝まづくと、子象はその上によいしょ よいしょ と登りきった。親象が片方づつ

前足をたて、再び立ち上がる。


 サルの団長の声が入る。


 「さあ、みなさん。これからお見せしますは、象の親子。親象が作った光の道をこの子どもの

  象が歩きます。見事に成功いたしましたら どうぞ拍手喝さいを!!」


 子象が親象の背中から頭へと体を滑らせ、光の道へと移動する。光の道に一本ずつ子象は足を

を乗せる。足を揃えると、ぎりぎりの幅だった。一歩一歩と子象が歩き始める。光の道はしなる。

金属音のような声をあげ、きしむ。足を持ち上げ、無事光の道に置けるか、客は見守る。子象の身

体が揺れる度、客は悲鳴を上げた。

 ぎん と たま の 頭上に子象がやってきた。見上げる たま と下に目線を落とした子象と

目が合った。すると、子象はニコッと笑い、肩をすくめた。たま も つられて笑う。

 何度となく落ちそうになりながらも、最後まで歩いた子象は、光の道から一歩ずつ足を降ろし、

用意された階段を嬉しそうに鼻を躍らせ降りていく。拍手がテント内に響き渡った。子象は一度

礼をして、走り去った。

 舞台の親象は、子象を見つめていた。そして、温かい涙があふれていた。



                    (つづく)