まにまに (5) | Rainbowのブログ

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 ラクダの横を通り過ぎると、間もなく 前に明るい光が見えてきた。

進むほどに その明るさは強みを増し、夏の日差しのよう。


  
 「着きましたよ。まだまだ席はたくさん残っていますんでね。前の方にお座りくださいな。」



サルの団長の足が止まり、光りの方へ手を差し出す。ぎん と そのうしろを追いながら、たま 

がひょっこり 顔を出す。そこには、広い広場が あり、真ん中にはステージがあった。


  「わあ、すごい!!もう、お客さんもたくさんいるよ。」


 たま は とび跳ねる。 


  「ふふふ。そうでしょう。今はまだ、満員ではありませんが、来年には なーに。ここいっぱ

   いにお客さんを集めますよ。それが、私の夢でしてね・・・」


サルの団長は得意げに胸をたたく。しかし、ぎん は じろり と 辺りを見渡して、首をふっ 

た。

 
  「残念だが、無理だ。見てみろ。客はみんな人間だ。」


ぎん の 言葉に たまは しっぽを落とす。サルの団長は かがんで たま の頭をなでた。そ

して、ぎん を 見上げると、


  「おやおや、お忘れではございませんか?あなたたちは 天下を あっと言わせる 化けの天 
   才 きつねの一族ではございませんか。」




  「それは そうだが、もう何年も 化けてもいないし、こんなに 人間が多い中にじっと

   座っているなんて危なすぎる。」


ぎんがチラッと たまの顔をみると、たま の目は輝いて ぎん の 顔をみつめていた。


  
  「大丈夫だよ。とうちゃんの化け姿はかっこいいもの。だから ねえ、行こうよ。」


たまはニコッと笑い、その場で 自分のしっぽを口でくわえた。上から見ると ドーナツのように

みえる。そして、そのままクルクル走り始めた。回るスピードは だんだん速くなり、やがて、

ゆっくりと止まった。すると、両足を抱えて  おやまさん座り をしている ちいさな男の子に

なった。



   「ひゃあ、たまげた。上手に化けたもんだ。」


 サルの団長は 手をたたく。そして、ぎん に 目をおくる。ぎん は 大きく ひとつ ため

息をついた。そして、素早く、高くジャンプしたかと思うと、宙返りをした。ぎん は 人間の男

に化けた。


  「さすがです!!」

サルの団長の声が、興奮して うわずった。


  

 
                          (つづく)