探さないで下さい 34 | AKI 's ミステリー           

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『探さないで下さい』 第1話、 前話(33)

 

 

「お前ら、オイラが狙われるとわかっていたのか?」

 

 狙われると知りながら、黙っているなんて… 、こいつらは鬼か?

 

鮎川が護衛に付いていたとしても、狙われる張本人のオイラが知らないのは危険じゃないか!

 

「オイラは誰に狙われているんだ?

理由は?」

 

 友里と鮎川は顔を合わせたまま口を開こうとしない。

 

「拳銃を発砲されたんだぞ、この安心安全な日本で。

オイラは清廉潔白に暮らす一般市民だよ。

拳銃?

そんなものドラマの世界だ」

 

 どんどん気持ちが高ぶって来た。

 

どこから銃弾が飛んできたのか、オイラは知らない。

 

だが、確かにオイラの左耳たぶは銃弾と接触した。

 

今でも耳の奥で、キーンとおかしな音が鳴っている。

 

鮎川がオイラの姿勢を崩してくれなかったら、銃弾はオイラを射抜いていた。

 

もしも心臓だったら…。

 

友里の顔を見たことで現れた心のゆとりが、事件の恐怖を再び思い出させる。

 

オイラ、死んでいたかも知れないんだ。

 

理由も知らず、誰とも知らない人物に銃殺されていたかと思うと、蓑毛がよだつ。

 

銃の所持が許可されない日本で、銃殺されたとなりゃ、世間はオイラをどう思うだろう。

 

オイラだったら、被害者も加害者同様、ヤバイ奴だと判断する。

 

例え家族や近所の人間が 「いい人」 と表現しても。

 

違う、違う、違う、オイラは真っ当な人間だぞ。

 

言葉通りの 「いい人」 だ。

 

銃殺されるようなヤバイ奴なんかじゃない。

 

ちゃんと調べてくれ!

 

根拠もなしに、おかしな噂を流さないでくれ!

 

オイラに殺される理由などないんだぞ!

 

 

 

 

 

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