探さないで下さい 28 | AKI 's ミステリー           

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『探さないで下さい』 第1話、 前話(27)

 

 

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「おい鮎川くん。

いい加減、後を追いまわすのを止めてくれないかなぁ。

気になって、気になって、仕方がないよ」

 

 西森商店街を抜け、駅前通りに出たところで、オイラは歩みを止めた。

 

人通りが多くても、ただの通行人と自分を尾行する人物の足音の違いくらい、わかる。

 

徐に振り返ると、薬局前でにこやかにポーズをとる巨大なリスのキャラクターの足元の陰に、男性ものの革靴が見えた。

 

オイラの声かけに、男性はキャラクターの背後から顔を出した。

 

気まずそうでありながら、どこか偉そうに見えるのは気のせいか?

 

友里に何を吹き込まれているかは知らないが、オイラを崇めているようには思えない。

 

うん、そんなことは決してない。

 

「オイラの尾行は、友里の命令か?」

 

「命令って言うか… 、指示っす」

 

「はあ?」

 

 命令も指示も同じじゃないのか?

 

つくづく日本語は難しいと、オイラは首を傾げた。

 

「前村健太郎は山下の居所を知っているはずだから、結果が出るまで張り付くようにと、姐さんが」

 

 松葉杖をつく学ラン姿の高校生を避け、オイラに近寄った鮎川は、ニッと白い歯を出した。

 

よく見ると、淡白な顔をしている。

 

この手の顔をした男は、内心何を考えているのかわかったもんじゃない。

 

気をつけねば。

 

「山下の居所なんて、知らないよ。

友里の奴、何を勘違いしてんだ?」

 

「けど、失踪する前夜、一緒に飲んだんしょ?」

 

「それが何だって言うんだよ」

 

 どうしてだ?

 

オイラは突進してきた自転車の運転手に睨まれた。

 

顎のない、ムクミ顔のオバサン。

 

「危ない」 と文句が言いたいのはオイラだよ。

 

 

 

 

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