「おっ、おおう、久し振り」
「あたし、そんな挨拶をしに訪問したわけじゃないのよ。
隣室の山下とアンタ、交友はある?」
尋ねた友里は、オイラの右脇下から室内を覗いた。
「あるけど・・・ 、何だ?」
「行き先、教えて」
通路から見える範囲の室内に冷ややかな目を向けた友里は、ジャケットの袖をたくり上げた。
そういうデザインなのかも知れないが、友里にはゆったりとしたジャケットだ。
「部屋にいるだろ?
部屋から派手な音が聞こえていたが」
オイラは首を突き出し、隣室へ目を向けた。
言っている間なしから、先ほどと同じ騒音が聞こえる。
「ほら、いるじゃねぇか」
「この音は、あたしの連れよ。
山下の部屋を家探ししているの」
「家探しだぁ?」
オイラは目玉を飛び出させ、口をぽかんと開けた。
『探さないで下さい』→ 次話(13)