さっき、氷をたくさん入れたグラスに、カルピスを入れました。スプーンで混ぜると、カランカランと音がしました。すがすがしくて、なんだか妙に懐かしい音だなあって思いました。
この頃は、朝、目覚めたとき、病歴14年というあっと言う間に過ぎ去った長い年月が、山崩れのようにのしかかって来て呻きそうになります。その後、虚しさがカランと音を立てます。その「カラン」は、カルピスのカランカランとは違ういやーな感じの音です。
気がつくと、心の中で言っています。
「すべて過ぎ去ってしまった。終わってしまった。このまま人生終わるなんて・・・」
おととい、台風到来と猛暑復活の短い「すきま」を何とか見つけて、なくなって来たお薬を出してもらうために病院へ行きました。主治医の外来は祭日に当たるので代診医の診察。
医者が悪いわけではないのだけれど、14年にもなるとね、お薬の処方と診断書を書いてもらうためだけに通院している不毛な無意味な感じになっちゃって。1時間かけて病院に行って3分ほどで終わった診療。虚しいカランカランが、また心に響いて来ました。
でも、受付で処方箋をもらったとき、「お大事に」と言ってくれた女性の笑顔が素敵で、自分も「お世話さまです」と微笑んでしまいました。カルピスの清々しいカランカランがやって来ました。
母の介護や自分の体調、病院が遠いことなどもあり、いつも90日分のお薬を出して頂いています。薬局の在庫が足りないといけないので、病院から薬局へ「これから行きます」と電話しました。
電話口に出てくれた薬剤師のお姉さんが言いました。
「雨で、お足もとが悪いので、お気をつけていらっしてください」
その言葉がとても嬉しくてね。「どうもご親切に」と言いました。
これも、カルピスの氷のカランカラン。渇きを潤す言葉でした。優しい言葉をかけられる機会が、この頃めったにないので、こういうひと言が、こころに沁みます。
あの薬剤師さんは、ご自分のひと言が、不毛な気持ちでいた私をこれほど慰めたなんて、きっと夢にも思わなかっただろうなぁ。
健康かどうかに関わらず、何だか自分のことで精一杯で疲れきっている人が多いから、自分にも他人にもすごく厳しい社会。
みんなで、氷カランカランのカルピスを飲もうよ。まあちょっとそこに座って涼みなされ・・・。(って、変なまとめ方・・・)