風変りな安心感 | 虹の祈り

虹の祈り

クリスチャンです。
双極性障害二型を持っています。
なにもあまり満足に出来ないけれど、
祈りながら思いを綴って行けたらいいなと思います。
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ずっと動悸で胸が苦しくてね、立ちくらみもするし、うつも出るし・・・昨日の朝は、おいおい泣いてしまったよ。泣けて良かった。ずっと泣きたかったのだけれど、泣けなかった。

 

ミッシングワーカーと呼ばれる方達がおられるというのを、2~3日前に、NHKスペシャルで特集していた。40代、50代独身男女の6人に1人が、働いておらず、就活もしていないという。失業者としては数えられていない。その数、全国で100万人以上。

 

特に、親の介護で離職せざるを得なくなり、親の年金で生活しながら親の看護を続けて、それが終わった頃にはある程度の年齢になっていて、就活する気力もなくなってしまっているというのだ。

老親が高齢者施設に入るお金もない。きょうだいもいない。

 

当事者の方達がテレビに映されていた。その勇気に敬意を表したい。

一番印象に残ったのは、57歳の男性だった。

 

真面目に働いていて、40代半ばで親の介護が始まり離職。50歳のときに、親が亡くなったが、それから働くことなく、親の貯金を切り崩しながら細々と暮らしておられた。

 

介護の頃に傷めた腰がまだ痛むらしい。散らかった部屋に、なりふり構わず、うつろな悲しいまなざしで座り込んでおられた。親がかわいがっていたインコが死んでしまい、悲しみは増すばかり。

 

社協へ出向くシーンがあった。役所の人に、「電車に飛び込もうと思うんだけど、あと一歩というところで出来ないんだよね」と話していた。役所の方は、「(そういうこと言ったら)怒るよ、いつでも困ったことがあったら相談してっていったでしょう?」というようなことをおっしゃっていた。

 

役所の方を責めるつもりは毛頭ないが、飛び込み自殺をしたいという話をする彼には、怒ったり叱ったり励ましたりするよりも、そう・・・メンタルなサポートが必要だと思う。この男性は、すでに精神を病んでおられると私は感じる。

 

もう疲れきってしまわれている。

 

この57歳の男性は、ご自分のことを、「透明人間」とおっしゃっていた。

そんなことはないよ。あなたの全身から発していたメッセージは、日本中の人に強烈に伝わった。大変な勇気だよ。

 

「どうしたらこの状況から出られるのかわからない」とおっしゃっていた。

今回この番組で取り上げられた方達、どの方についても、本当にどうしたら良いのかわからなかい感じがした。

 

さて、この番組について、世間の反応はどうかとネットで調べていた。すると、ツイッターなどで、多くの方達が、「明日は我が身だ」「自分もミッシングワーカーだ」というようなことを書いておられた。そういう不安を抱えていたり、今現在その当事者だったりする方の多いこと、多いこと・・・驚いた。

 

実は、わたしもそうだよ。自分の場合は、双極性障がいという病気もあり、無理をしては病状悪化して、その繰り返しだ。でも、他に方法が浮かばない。希望が見えない。自分は一体どうしたいのか、何を目標にしたら良いのかさえ、もうわからなくなって来ている。

 

でも、母より先には死ねない。

 

「無限の住人」でキムタク扮する万次が、用心棒として守っている凛という女の子のことを、

「こいつより先に死ぬわけにはいかねえんだよ!」と叫ぶシーンがある。

 

先日、絶望的な気分になったとき、このセリフをそのまま真似て言った。

「母より先に死ぬわけにはいかねえんだよ!くそっ!」(言葉遣い悪くて失礼)

 

 

一生懸命、真面目に働いても、突然の親の介護で、人生が変わる。ちゃんとしたサポートを受けたくても受けられない。離職せざるを得なくなり、ギリギリの生活をしながら家に閉じ込められるようにして介護。親が亡くなった頃には、自分も年を取り、愕然とする。

 

日本の多くの人達は、そういう中高年を迎えるのだろう。

 

あの番組では、解決策や希望が全くなくて、ただ現状をショッキングに伝える感じだった。まあそれが目的だったのかもしれないが。何処かの先生が「一人の人間は貴重な労働力だ」と言っていた。

 

人間が生まれて来るのは、税金を払うためでも、労働力となるためでも、国のためでもないと思う。むしろ、ただ存在しているだけで、無条件にはかりしれない価値をもっているということを、他者にも自分にも、見続けていたい。神さまの作品なのだから。

 

 

この世は地獄だなとよく思う。でも、みんなで、この地獄を生きていると思うと、風変りな安心感がある。