「くるーん まる くるーん まる…」
今日はいわゆる「植木算」をある生徒に教えました。
小学生に算数を教えるときにつくづく思うことは、子供は大人の予想を遙かに軽々と越えてしまうということです。
「6本の並木のあいだは7mです」
という文章から、簡単に
6-1=5
7×5=35
なんて式は出てくれない。
文章を見て目で理解する生徒、何か象徴的な言葉を植え付けて耳で理解する生徒、図を描いて手で理解する生徒…。
低学年の子供ほどその差は大きく、こちらの思うどおりには導かれてはくれません。
私は、算数を無理矢理と自分の型にはめ込みたいとは思っていないので、想定外のことをはじめても、そのことが理論的に正しければ好きにさせます。
最初はそんなのでも、やがて成長していけば収まるところに収まることは分かっていますし、いままでの経験がそこに導くことができるんじゃないかなぁと。(笑)
どうしても型にはめるのは、最終手段でいいかなぁと思っています。
ということで植木算を教えたら、「図を描いていい?」と聞くので書かせました。
○へ○へ○
「○」が並木で「へ」が間隔というつもりのようですが、上の図を書きながら本人は大真面目で「くるーん まる くるーん まる」とつぶいているのです。
(「へ」は便宜上、私が使っているもので、もっと大きな弧を書いていました。)
「へ」が「くるーん」で、「○」が「まる」です。
当の本人は一生懸命なので、笑いをこらえるのがたいへんでした。
あと1・2年もすると、もっと大人になってこんなことをつぶやきながら解いていたことなんて記憶の片隅にも残らないのでしょう。
でも、いつかはまた植木算に向き合わなければならないだろうから、私が記憶します。
「ほら、くるーん まる で解くやつだよ」と言って思い出してくれたら、まあまあ上手くいったと言えるのかなぁと考えています。
それにしても、幸せな世界です。