いちにち。のんびり。ときどきものがたり -8ページ目

いちにち。のんびり。ときどきものがたり

車椅子ユーザーの のんびり日記とときどき綴るものがたり

「佳英さん」かえとよばれた女性はあまり話せない方のようだ。はい、という返事が帰ってくる。

「篠宮(しのみや)行政事務職 情報共有端末の起動を。」金城さんが言う。

はい、その回限りの使い捨てパスワードが、両者共通にされるよう設定される。

ケース会議を行います。というアナウンスが施設の館内に流される。

ケース会議のグループがテレビ電話会議に立ち上がっている。松田佳英 22歳

会議の主催者 本人
議題 ヘルプドッグの選定と、使用目的

佳英さんが会話補助器のスイッチをオンにする。

わたしは、散歩が好きです。散歩のときに、りうくんと一緒に散歩がしたい。

佳英さんの担当ナース 山城さんが発言する。
「佳英さん、看護している側の考えを言いますね。まだ、佳英さんには、りうくんの、リードを握る力がないと思うわ。提案なのですけど、最初の3ヶ月は、訓練目的使用にして、理学療法、作業療法限定で使うのはどうでしょう。」

この時点で 端末に同意 不同意のボタンが現れる。枝里さんは、厚生行政事務職の資格で、あたしはりうの保護者の立場でのみ、発言ができる。だから、私たちには、同意 不同意ボタンは端末に出ない。

理学療法の 金城さん 作業療法の大村さん、主治医の倉田先生が同意のボタンを押した。

でもなぜか、佳英さんが不同意。
佳英さんの同意なしでは、会議もプロジェクトも、止まる。

不同意の理由はどうして?松田さんの考えを聞かせてください。明らかに意見調整が必要な場合のため、行政手続きがスムーズに進むよう、佳英さんが、枝里さんを呼んだことがわかった。

部屋の中のみにアナウンスがされる。
ただいまより、意見調整があります。松田さん、篠宮行政事務職、相談員の島さん以外は調整メンバーではありません、なお、りうくんは、しゃべれるので当事者として、議論に加わるように。

議論の結果、佳英さんはりうの訓練目的利用の期間が長すぎると思っていること、もっと、りうと一緒にできる活動を 飼い主であるあたしと探したいことがわかった。 訓練目的使用の期間が週間区切りに設定される。これは、全員、同意。

さて、みほこちゃん。あなたも当事者になったわけだけれど。端末にアクセスして。と枝里さんが言う。枝里さんが、行政官の同席にご同意くださいますか。という。全員の同意を得て、枝里さんが 以前の知事職にあたる行政官を呼び出した。美里行政官 と呼ばれて出てきたひとは、どこかで見たことがあるが...いやに黒い。
「ハイサイ、枝里さん、なんか 僕の出番らしいね!」大丈夫か?このひとで。
枝里さんは、苦笑いでよろしくお願いいたしますと挨拶している。

わん、だふるらいふ 4へ続く