家の電話が鳴った。
固定電話にかかってくるのは詐欺師か、買取屋くらいなので留守電にして、基本出ない。
しかしその相手は、名前を言えと僕の吹き込んだ留守メッセージに応えて、「サ〇ックスの××です」と聞こえた。
サ〇ックスと言えば、大昔に妻がシロアリ駆除で口車に乗せられて、必要のない工事を頼んだ苦い思い出があった。
お隣に釣られて、屋根にソーラーの小型発電機を付けて配線し、床下を換気するようにしたのだ。(なぜ必要のない工事だったか、は省く)
そしてすぐダメになり、今から12~3年前にリフォームしたとき、リフォーム会社のアドバイスで、すべてを撤去した。
そんなことがあったので、受話器を取った。
「シロアリ駆除の装置を付けていただいて、定期点検も一度行っていますが、その後いかがですか?」
付けたのは20年近く前である。
「それ、あんたいつの話をしてんねん?」
「点検は20年ほど前に一度。。。。」
「付けた本人は、もう死んだわい」
「え???」
「いつの資料見て、その後どうですか、なんて言うとんじゃ」
「はあ。じゃ、屋根のソーラーは?」
「そんなもん12,3年前の建て替えのとき、ほったわ」
「建て替え?ほった?」
「そらそうやろ、20年前に来ただけやから知らんわな!」
すごい営業もあるものだ。そんな古いリストを見て電話してくる。
怒る気にもならない。
家内も死んだが、当時の営業マンも死んでるかもしれない。
ほんとはリフォームしたのだが、建て替えと見栄を張った。
「会社があったら、また20年後に電話したらどうや。オレは地獄で電話受けるわ。アハハハ」
プチッ!