私は2021年12月、多摩美術大学の卒業制作として「建築をぬいぐるみにする」というコンセプトのもと「けんちくぐるみ」を発表しました。学内外の展示にも選出されました。その後、私は社会人となり、制作の時間の制限の中で、表現に関わる権利関係の懸念もあり、積極的な活動は控えていました。

2024年12月、森美術館の企画担当者から突然連絡があり彼女は私の職業や制作状況、作品1点の制作時間、価格感など、非常に細かくヒアリングを行ってきました。私は、自分の作品に関心をもってもらえたことが素直にうれしく、また藤本壮介さんの展覧会において作品が関われる可能性に胸を躍らせました。

しかしその後連絡が途絶えたまま半年が過ぎました。2025年7月2日、森美術館にて「藤本壮介の建築:原初 ・ 未来 ・ 森」展が始まりました。私自身も心から楽しみにしていた展覧会でしたが、開催3日目、大学時代の同期から「あなたの作品にそっくりなぬいぐるみが展示されている」と連絡を受けました。

その展示のタイトルは「6 ぬいぐるみたちの森のざわめき」。送られてきた写真を見て愕然としました。スケール感、素材、展示手法のいずれもが「けんちくぐるみ」と非常に近く、「偶然」と片づけるには無理があるように感じました。

本日、自分の目で確かめるために会場を訪れましたが、やはりその印象は変わりませんでした。製作者としてのクレジットも一切なく、美術制作等を行う企業の協賛のもとで堂々と展示されている様子を見て、大きなショックを受けました。

もちろん、私のアイデアが魅力的だったとポジティブに受け止めることもできます。けれども、事前に私に連絡を取り、作品の詳細を聞き出したうえで、私を一切関与させずに極めて類似した表現を展示されたという事実は、非常に残念で、正直、姑息なやり方だと感じざるを得ません。

さらに言えば、展示されていたぬいぐるみは「しゃべる」「動く」「目がついている」という要素がありましたが、それらは私自身が表現として選ばない、むしろ避けてきた三要素です。外見や手法が似ているからこそ、その演出の違いがより強く違和感として残りました。


森美術館のような大規模な文化機関や、藤本壮介さんのような著名な建築家が、学生時代から取り組んできた私のアイデアに目をつけ、それを“引用”するような形で展示を行ったことに、強い虚しさと悔しさを感じています。この件がどういう結末を迎えるかはわたしやなはまだわかりません。

ですが、美術館や建築家といった、本来は創造性やリスペクトを守るべき立場にある人たちが、若い作家の思いや作品への姿勢を踏みにじるような行動を取ったことは、深く悲しく、悔しい出来事であると感じています。

【追記】担当の方からお電話をいただいた際、企画チームや藤本壮介さんの間で私の作品が話題に上がったと伺いました。模型や図面を並べるだけの展示ではなく、もっと表現豊かな展示にしたいという意図があったようです。なので、ぬいぐるみ化するという企画が最初からあったわけではなさそう。


【追記】ぬいぐるみを展示したいから私にアプローチしたのではなく、特殊な展示をしたいから私にアプローチした。でも私には依頼せずアイデアを利用し他の人間につくらせた。というとこでしょうか。条件が合わなかったなら相談してくれたっていいじゃん。


【ちなみに】今回はto森美術館のやり取りだったけど、藤本壮介さんは3年前から私の作品に関する投稿ににいいねやリポストしてくれていたので、本人のアカウントが本人だけの運用なら認知しているはずなんだけどな...ありゃりゃ


https://x.com/kenchikugurumi/status/1941465949682753993?s=46


藤本氏 大屋根リング自体もapple本社のパクリっぽいけど、学生のアイデアまでもパクリ? 権力とつながるとクリエイティブは枯渇するのかね?


https://x.com/imoyoukan278/status/1942596782581858483?s=46



今井…って書いてるwこれちょっとさ…酷過ぎない?


本間・これは明らかに森ビル側は彼女がなんらかの権利関係を持っているか確かめに電話してきたわけですね


今井・姑息やね


本間・結局、特にそういうものがないんだということをおそらく確認したんで、藤本壮介も…つまりね、本当に簡単に言っちゃうとね。本当にこの子が可哀想だけど、3年前から色々発表してたの、藤本壮介がずーっと狙ってたんだよ。目をつけてた。だけど、多摩美卒業して、その後そういう系の仕事をしていたら、権利関係登録してるかもしれないじゃないですか。それをやっちまったら、大事になるから…