ジョージ・今ね、大体400万くらいかかっちゃうんですよね。昔より受刑者が少ないですから、一人あたりのコストって


本間・上がっちゃってるわけだ


ジョージ・そうなんですよ。ですから、常習累犯窃盗罪なんて、再犯の窃盗って、例えばおにぎり一個盗んだって刑期3年になるわけですよ。おにぎり一個盗んだ人に1200万かけるわけですよ


本間・馬鹿みたいな話ですよね


ジョージ・だったら生活保護のがいいですよね


本間・絶対いいですよ


ジョージ・それとね、私もよく福祉系の大学に行くんですね。実はね、教授、先生よりも、学生の方がずっと頭が柔軟でね、福祉のど真ん中にいたような人が、福祉を教えてるんだけど、やっぱりちょっと後めたさも感じてるんですよ。見て見ぬふりをしてきたと。刑務所に行くような人を。でも、学生はさっきの本間さんの法学部の学生と同じような反応でね、なんで罪のある障害のある人を支えなきゃなんないのか、一般の障害者の方が先じゃないかって言うんだけど、実は、一番排除される可能性の高い、そうですよね、罪を犯した、下手すりゃモンスター視されたり、そういう人であろうと、福祉は支えるということは、要は一番排除される人をまず救うということは、あまねくこの国に暮らす人は排除されないんだよっていうことをまず示す。その姿勢をきちんと示すことになるんですよね。


本間・ですよねえ…それすごく大事だと。それ一番大事なことだ思うんですよね。その考え方に真っ向から挑戦するみたいな連中…いわゆるいろんな党が出てきて、滅茶苦茶なこと言ってるけどね…


ジョージ・そうですねえ…怖いですねえ…


本間・なかなか怖いですよね


ジョージ・しかしとしてね、生産性だとか自己責任という言葉をものさしとして、いとも簡単に排除したり切り捨てたりする、こういう世の中が一部の人は肯定してる。そして、貧富の格差がどんどんどんどん開いていってますよね。で、儲ける人は賢いんだと、崇めたてまつられ、で、ますます金持ちになっていくという。やっぱりね、人間、僕ら刑務所で接してきた人たちってそうじゃないですか。生まれながらに障害がある人だけじゃなくて、努力してもしてもなかなか稼ぎに繋がらない人もいるんですよ。あるいは、社会と折り合いをつけることが苦手だったりね。そういう個人の問題だけじゃなくて、生まれながらに貧困の家庭、虐待を受ける家庭、児童養護施設で育ったり預けられたり…ハンディキャップ負ってるんですよね。だからそういうのをね、今の政治って見過ごして、ますます格差、差別意識みたいのを助長するような勢力っていうのがね、出てきて、それが支持を集めるって怖いですよね、ほんとね…


本間・その国、日本の国の国民にいわゆる寛容度がなくなってきているといかね…


ジョージ・そうですよね


本間・後はやっぱり…貧富の差も広がってますからね


ジョージ・まさにそうですよね。こんなね、30年も不況が続いてる国って無いですよね。そこにまたコロナでしょ?その後の物価高ですから、とにかく生きる力、生きづらさを抱えた人がますます暮らすことができなくなってますよ。そこにね、介護とかがのしかかってくると、一変で家族が崩壊して、介護殺人までいっちゃうんですよね…そういう貧富の格差を生まれながらに努力しても埋まらない格差みたいのを政治の力でね、政治が正にそこを平等にして行く。政治の役割だと思うんですよね