今井・いろんなバージョン出てるんですよ。文庫本とか。皆さん、簡単に買えますから
本間・これが獄窓記で。タイトルの横に山本ジョージ。今日の記者会見でへーと思ったのは、名前は山本ジョージなんだけど、今度の候補の名前は「ジョージ」がカタカナになってる。山本太郎とかもいるし、あと歌手の山本譲二がいるからね。ややこしいということで。で、この獄窓記というのは、戦後の日本の司法のあり方を変えた本で。今でもそうなんですけど、刑務所の中には精神障害者とか身体障害者とか、障害を持っているが故に貧困になって、刑務所に入ってる人たちってのが、山のようにいるんですよね。でもその特に精神障害者の方たちっていうのは、そこで何か治療を得られるのではなくて、ただひたすら、刑期が終わるまで放ったらかしになって、所謂、隔離ですよね。冷蔵庫の中に置きっぱになっているようなものでね。で、刑務所の中にある一定数、必ずいるんですよ。1割ぐらいはね。ジョージさんは刑務所に400日くらい入ってた。一年半ぐらいですかね。その中で何をしてたかというと、刑務官の補佐みたいな仕事があるんですけど、それで、そういう人たちをお世話するっていう、それでその内容がここにかなり詳細に書かれてるんですね。僕はこれを僕が刑務所に行く前に読んでいて。タイムラグが…この本が出たのが2004年。初版が出たのが。僕が逮捕されたのは2007年だから。3年くらいのタイムラグがある。
今井・そんなに経ってないね
本間・経ってない。で、僕この本は、サラリーマン時代に読んでたんですけど、こんなことが起きてるのかって。まさか自分が追体験するなんてwその時は思ってもいませんよ。でもやっぱり、ちょっと衝撃だった。日本の刑務所って本当に旧態然としていてね。
今井・そこに自分が入っていくと
本間・そう
今井・おまけに確か黒羽刑務所って…
本間・一緒です
今井・一緒ですよね。俺ね、実は昨日、配信の分でオフ会の話をする時に、本間さんはオフ会の飲み会の席で皆さんのところ、甲斐甲斐しく回って嫌な顔ひとつせず、あれは本間さんの刑務所の中の他の人たちのお世話の姿をほんと思い浮かべたって話したでしょ?w
本間さん爆笑
今井・したら、まさに今、彼もそういうことを所内でやってたんですね。僕がそう思ったってことは、さっき本間さんに表紙送ったんで、見て欲しいんですが、転落の記とは別に(9:50)こういう本書かれてるんですよ。「名もなき受刑者たちへ」
本間・そうですね。黒羽刑務所の第16工場ってあってですね。第1工場から順番にあるわけですよ。そのドンケツが16なのですけど、このドンケツに、障害者と、あと認知症の高齢者とかね、後、同性愛者、当時オカマって言われた。そういう人たちを集めた専用の工場があったんですね。でももうね、日本の刑務所って実は、工場に100人くらい受刑者がいたとすると、本当の担当の刑務官って、一人しかいないんですよ。要するに食事の準備やら、工場で何か作るとすると、パーツの用意をするじゃないですか。そういう用意をするとか、洗濯物を集めて配るとか、食事の食器を洗うとか、実は5、6人の受刑者の中から選抜された人間が指導補助って言うんですけど、その人たちがそういう仕事をしてるんですね。僕はこの、「名もなき受刑者たち」、これはネットでも、電子書籍で買えちゃうんで、ご興味のある方は見て欲しいんですけど、僕はだから、そういう仕事があるっていうのは、獄窓記で学習していたので、自分がそうなっちゃったんで。僕の場合は刑務所に入ってたの、11ヶ月って、すごい短いんですね。でまあ、どうせいるんなら、山本ジョージさんが体験した仕事を僕もやってみようと、いう風に思ったんですよ