件の漫画原作改変騒動で、ふと思い出す、ドラえもんの2度目のアニメ化。実は当初、藤子F不二雄先生は反対だった。理由は、前に日テレでアニメ化された際、原作の世界をぶち壊され失望したから。そこでテレ朝とシンエイ動画はF先生を説得するため、ある人に企画書を依頼する。それが高畑勲さんだった。


話を聞いた高畑サン、ドラえもんを知らないし、当初は乗り気じゃなかったが、1巻を読んで目の色が変わる。そして書いた企画書がこれ。画期的なのは、アニメは1話からドラえもんが普通に存在するところ。その理由はと。この考察にF先生が感動してアニメ化OKに。これが原作の世界観を守るということ。



更に高畑サンはアニメ化に際して制作体制まで考えた。それは、前の日テレ版が原作の1話を30分にして、話が冗長になって失敗した反省から、1話を15分にして、更に脚本家を立てず、原作から直に絵コンテを作ることを提案。要は制作陣は余計なことをするなと。そして現在に至る国民的アニメが生まれた。


アニメ化やドラマ化など、脚色のクリエイティブとは何か。それは己を殺し、優れた原作が最も生きる方法をプロの目線で考えること。高畑さんは、原作の1話を外し、いきなりトップギアから始めることを提案し、それにF先生は心を動かされた。そして高畑さんはついぞこの一件を吹聴することはなかった。


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