器 | Rain公論

ロシアンモンキーが解散を発表して、マキシマムパーパーサムも解散を発表して、クレオパトラが吉本を辞めて、他事務所で言えば、ヒカリゴケが解散を発表した。
皆、確かな実力があったコンビだ。
それでも続けていくコトが出来ない。
ただ、そのコトに対して「なんで?」という疑問はない。
遅かれ早かれ、誰かがそうなるコトは分かっていたし、残念ながら、若手を中心に今後も増えると思う。
どれだけ美味しい料理を作っても、場所がなきゃ食べれない。
机がなきゃ、器がなきゃ食べられない。
フランス料理が流行ったら、フランス料理作りを競って、イタリア料理が流行ったらイタリア料理作りを競って、日本食が流行ったら日本食作りを競う。
料理の味だけを求めて集中するコトを「美しい」としている。
料理に対して「純粋」としている。
だけど、どれだけ美味しい料理が出来ても、器がなければ食べられない。
結果、食べられずに捨てられる。
そこで新たに器を作ろうとすると、「なんで料理人のクセに器を作ってるの?料理に集中しなよ」という声が上がる。
お客さんは勿論、同業者からも。
こんなコトを何年も繰り返しているのが僕らだと思う。
ロシアンモンキーなんてメチャクチャ面白い。
川口のライブでのMCは超一流だ。
スベってるところを見たコトがない。
彼らがライブで飯を食っていって、皆が羨むような暮らしをしていても、誰も文句は言わない。
そんな未来が来ても可笑しくなかったハズだ。
もう何年も前から何万回も言っているけど、新しい器を作らないと大変なコトになる。
「イタイ」という言葉を捨てないと大変なコトになる。
それでも僕はスイスイいくけど、面白いコンビの解散はもう見たくない。



Rain.