劇場版 planetarian プラネタリアン および アニメplanetarian ちいさ | 雨と月の夜

雨と月の夜

アニメのメモ

5話の終盤は号泣。もう3話、4話ぐらいから切ない展開の連続。
こんな素晴らしい作品になるとは思わなかった。

9/3よりいよいよ公開される劇場版planetarian
http://planetarian-project.com/
アニメ版ちいさなほしのゆめの全話が公開前に無料配信スタート。

世界大戦で世界が崩壊した近未来、細菌兵器の使用で捨てられた都市、そこでずっとお客さんが来るのを待っているプラネタリウムの案内アンドロイド。
大戦終了後、自律戦闘ロボが徘徊する廃棄都市から、ジャンク部品を拾う仕事をする主人公。実は星に願いを持つ青年。そしてプラネタリウムの30年ぶりのお客さん。
予備電源もいよいよ切れて、いずれは機能停止するであろうアンドロイド。廃棄都市で出会うと一番怖いのは実はこういう人を待ち続けていたアンドロイド。

もとはずっと昔にKeyが発表したゲーム。プレイしたことはないけど、ゲーマーの知り合いから「非常に雨月夜向け」と言われていた作品。こんな形で出会うことになろうとは。
ちょうど、Rewriteが映像化されているけど、本作のほうがきわめてストレートに、狭い、単純な世界を映像化しているから心に深く刺さってくる。Rewriteは・・・あれはやっぱ作品として壮大だ。

とりあえず激しいところの感想を書くけど、四脚戦車との戦闘シーン、これがすごい迫力。こういう小競り合いって実は近い感じがして映像化したときにスゴク面白い。その手本みたい。アンカーを打つシーンとか、まー細かいところまで凝ってる凝ってる。レールガンみたいなのを撃つところは大迫力。音響がすごい。これ絶対ヘッドフォンで見るべき。

そして、本作の最大のポイントは、お客さんが来るのをずっと待っている「ゆめみ」とジャンク屋との心の交流。というよりゆめみを捨て置けなくなるジャンク屋の心の動き。
小野Dさんがドハマり。小野さんは多芸だけど、こういうタイプの悲劇を全部一人で背負うヒーロー役ってもっとも合ってると思う。そういう運命を背負ったキャラに負けない声を持っている、数少ない声優だと思う。

30年という時間で、少し「壊れている」ゆめみ。これ壊れているわけではなくて、エラーが発生した場合の処理の回避ルーチンといっていい。
お客さんに会えて嬉しいゆめみ、お客さんが来ると信じていたゆめみ、もう来ないかもしれないと思った自分が間違いだと分かって喜ぶゆめみ、調子の悪そうに見えたジャンク屋を送ってゆくゆめみ。
ずっと、ずっとお客さんが来るのを待っていた・・・もうこの時点で胸にくるものがある感じ。雨月夜は、実は時間遡行、ループ系よりも、こういうずっと待っていた系にすごく弱い。

人命を最優先することをアドミラリティコードとして登録されているゆめみ、ジャンク屋を助けにいく。四脚戦車がどれほど危険かは知らない。でも助けに行く。もうこの時点で正面から見ていられないぐらいだった。
最後に小さなウソをつくジャンク屋、新しい仕事を喜ぶゆめみ、すべての記憶が全部詰まったメモリーを託すゆめみ。涙という、もっとも人らしい感情を自身の中に見つけるゆめみ、天国という概念の世界でも人と一緒にいたいと願うゆめみ。

すごく映画っぽい作品、実写映画化出来そうな作品。
5話全部の劇場一興放映とかありそう。もしあったら見たい。

9/3からの劇場版も期待。