のと鉄道能登線は、鳳珠郡穴水町の穴水駅と石川県珠洲市の蛸島駅を結んでいた路線です。
国鉄末期に特定地方交通線に選定され、その後第三セクター鉄道として存続され能登半島の北部奥能登の南岸を走っていた路線ですが、乗降客の減少がとまらず、2005年4月1日付で廃止に至ったローカル線です。
気になったので、「のと鉄道能登線」の廃線跡を訪問してみました。
蛸島駅跡
まずは終着駅の蛸島駅です。こんな最果てまで鉄道が通ていたことにびっくりです。
線路とホームはそのままです。
終着駅らしくない駅の造りからまだこの先も延伸が考えられていたように思えます。
駅舎も当時のまま残されており、現在は放置されているような感じで、廃墟の駅と化しています。
駅から少し、珠洲駅方向に進むと、
NT100形が線路上に放置されています。遠くからみると走っていいるように感じられます。
珠洲駅
順に穴水駅方向にたどります。
こちらの駅跡は、珠洲市の観光案内所として、「道の駅すずなり」となっております。
揚げ浜塩を使ったソフトクリームや、季節ごとに変わるご当地ソフトなど、ここでしか味わえないアイスがあります。
また、奥能登の海岸線を走るローカルバスや金沢と珠洲をつなぐ特急バスのターミナルもあるので立ち寄り場所です。
すずなり館の横にかつてのホームがあります。
他の駅跡とことなり、保存されているので、朽ちていません。
能登半島には、自動車専用道路「のと里山海道」や輪島道路や珠洲道路など、無料の専用道路が整備されていますので、自動車やバスを利用すれば鉄道よりも便利に移動することができます。
これらの道路整備が要因となって七尾線の輪島向け、能登線の両線が廃止になるのは当然のように思えます。
せっかくなので途中は、廃線跡だけでなく通常の観光スポットも立ち寄ります。
鵜飼駅跡近くにある見附島も観光名所のひとつです。
恋路駅
見附島からさらに南下していくと、海上に浮かぶ真っ赤な鳥居の後方に弁天島がある恋路海岸に到着します。
その見附島からここまでの3.5kmの海岸線は「えんむすビーチ」といわれ、縁結びの聖地として知られます。夏は海水浴場になっています。
その海岸の向かいが、のと鉄道能登線恋路駅となります。
階段を登っていくと、「のトロ」の乗り場があります。
今は休業中となっています。
奥のとトロッコ鉄道として運営してたので、この駅もまだ綺麗なままですね。
トンネルの先には進めないようです。
波並駅
恋路駅からさらに穴水方面に249号線を下って、波並駅までやってきました。
こちらの駅は、道路から見え、バス停も波並駅前となっております。
駅そばに車を停めることができるスペースがあり、車を停めて駅に上がってみました。
ホームと待合室の建物が残っています。
片面ホーム1面1線を持つ地上駅です。
綺麗な駅名板があり、面白いことに、駅名に「なみ」がつく駅が続くのですね。
しかし、地元のかたはこの駅名を読めるのかもしれませんが「なみなみ?」かなと思ってしまいました。
この駅は、桜の季節は「能登鹿島駅」より大変美しいのではないかと思います。
お勧めの海の見える駅ですね。
穴水駅
穴水駅まで戻ってきました。こちらはまだ、のと鉄道七尾線の終点駅として現役の駅です。
かつてはここから輪島(七尾線)、蛸島(能登線)の二方面へ路線が分岐していたが、現在はこちらが七尾線の終点駅となっています。
こちらの駅も道の駅「あなみず」と一体になった駅舎併設型。
駅ホームには自由に入場できますので、
のと里山里海号も止まっています。
終着駅となっているりので折り返しを待つ車両が止まっています。
花咲くいろはのラッピング車両もいます。
七尾線の終着駅で今回の廃線跡巡りも終了です。
能登線の開業は1959年と新しくまた廃止になった時期も最近のため、駅舎やホーム、レールなどがそのままの状態で残されている箇所が多く見られます。
この廃駅巡りは比較的わかりやすいと思われますが、全長60kmもあるため全駅を巡るには大変ですのでいくつか目標のスポットを決め廻ることをお勧めします。