先日 母を連れて

父の車でドライブに行ってきました。


父が家にいる時は

母は 休む間もなく動いていた。

休んでいても父にいつ呼ばれてもいいように

気が張っていた。

耳が遠くなってるはずなのに 

私には聞こえないくらいの声で父が呼んでも

母は急いで父のところに行く

私には『えっ?父さん呼んだ?いつ?』

って感じ…でも ちゃんと呼ばれてる。


父が入院してからは

父が大事にしている庭を手入れして

父さんが縁側で庭を眺められるようにって

それを写真にとって

木を短くしたよ…とか

少し前だと花の写真とか

今は球根植えた所(土なんだけど)

春が楽しみになるように

病院に行った時に父に見せてます。


あと 介護もあるし自分が元気でいないとって

運動してます。


食べるものは

『えっ?母さんって それが好きだったの?』

ってくらい 実は母が好きだと思ってたのが

父の好きなものだったんだと

初めて知ったくらい好きなものを食べてますが

相変わらず作りすぎてます。

父がいても 少ししか食べないですけど

元々たくさん食べた人なので

父がいるときは 元気な時みたいに

作り過ぎちゃうって言ってました。


あとは 父の事で一喜一憂してる。

って喜ぶ事は強引にこじつけないと

見つからないけど…


母と話してると

『それ お父さん好きだった』

『そこ お父さん行きたがってた』

『元気だった時の お父さんにも

 食べさせてあげたかったなぁ』

とか

結局やっぱり父の話になることが多くて

『お父さんと 毎年紅葉みに行ってたのに

 今年はいけなったなあ…』

って話になって

そんな話を夫にしてたら

『そろそろ お父さんの車も 

 動かしてあげたほうがいいし

 お母さん連れて紅葉みにドライブにいこうか』

と 夫が言ってくれたので


『お父さん お父さん 言ってても仕方ないし

 日曜日は面会もいけないし

 気分転換に行こう😊』

と誘うと『申し訳ないよ』と言いながら

嬉しそうでもありました。 


今年は暖かくて 

いつもと紅葉の様子が違うとか言ってたし

庭の花も いつもは枯れて咲いてない花でも

まだ咲いてたりするから

紅葉みにいくには 遅い気もしたけど

遅そうなところに行けばきっと…と

ドライブコースは夫が考えてくれてました。


隣県の温泉地近くの紅葉をみて

帰りに温泉に入ってくるコース。


冬は夫と日帰り温泉ドライブを

たくさんして いい温泉は知ってるし

その温泉は 私も かなり気に入ってる

露天風呂のいい温泉。


私も楽しみにしてました。


その日は天気が良くて 暖かくて

絶好のドライブ日和。


祖母の月命日で お参りに来られるので

それが終わった後の遅めのスタート。

お昼も近いので地元で何か食べてから行こうと

まずは 行く道筋にある 夫がおすすめの

ラーメンを食べに入りました。


細麺の とんこつラーメンで 美味しかった。

母は

『美味しいね。私 細麺すき。

 お父さんも細麺すきなんだよ。

 お父さんと来たいなぁ。

 方向音痴だから覚えてられるかなぁ』

と そこでも父さんでした。

ラーメン食べられるくらい

元気になったらいいね。

って言いたかったけど なんか悲しいので

あえて言いませんでした。

もしかしたら 母も同じだったかも。


紅葉は やっぱり少し遅くて

山の下の方はきれいに紅葉していましたが

夫が細くてカーブの多い山道を

上まで上がってくれましたが

上の方は もう散った後でした

とはいえ 道いっぱいの

彩りの良い落ち葉も綺麗だったし

上から見た紅葉の終わった木々の並ぶ景色は

意外にも 素晴らしく綺麗で

私は ちょっと予想外な徳をした感じでした。


元々 山の景色が大好きな母も

喜んでくれてて

細い何にもない山道なのに 

道にたくさん車が止まってるのに

車の中に人がいないので

『何かあるのかね』って

夫が車を止めて 降りてみたりしました。


硫黄の匂いがして 

上に登れる遊歩道があって 

どうやら上に天然の露天風呂がありそうだと

夫が教えてくれて

母と案内板のところに行きました。


古い木に書かれた山の名前を案内で知った母は

昔 父さんと行ったことのある山だったらしく

私には ちんぷんかんぷんだったけど

『知らない?活火山でね 煙が出てて…』

と嬉しそうに話してくれました。


その後行った温泉も

母は喜んでくれて 私より長風呂でした。


露天風呂の中で母が言いました。

『いいお風呂だね』と言ったあと

『今年は暑かったのに

 お父さん 寒い寒いって言って

 温泉行きたいなぁ 連れて行ってくれよ。 

 温泉で温まりたいなぁ~って言ってたね』

『温泉 入れてあげたかったね。

 よたよたでも歩いてくれたら

 入れてあげられるんだけど…』

『そのくらい 元気になればいいのにね』

なんて話もしました。


手術して退院して

まだ父が よたよたと歩けてた頃

自分で家の風呂にも入れたので

地元の温泉に行きたいって父が言ってました。


家の小さなお風呂だから

入っている間 風呂の外からでも母が

中の様子を意識していたら大丈夫だけど

一人で温泉なんて入れるはずがないです。


その話を聞いて

『(夫)さんで良ければ一緒に行く?』

と言ったら母が

『(夫)さんだと申し訳ないし お父さんも

 気を使うだろうから(息子)に

 頼んでみてくれない』って


息子に頼んだら二つ返事で

『オレの空いてるときだったら

 いつでも付き合うよ。

 風呂は入れたことないし 

 補助くらいしか経験ないけど 

 よたよたでも歩けるなら大丈夫

 転んだり怪我しないように助けてあげて

 自分で洗えても 

 洗いにくい所あったら洗ってあげるし』

って…

でも それから温泉に行く機会がないまま

またすぐ入院になった。


息子はまだ新人だけど介護の仕事をしてるので

退院したら安心して温泉行けるように

先輩に一緒に入る時に気をつけること

聞いとくって 言ってたのに

出てきた時は 歩行器がないと歩けなくて

真夏なのに『寒い』って言ってたけど

もう温泉行きたいとは 言わなくなった。

温泉 連れてきてあげたかったなぁ…。



帰りは渋滞にハマって

予定より遅くなった。

渋滞は疲れたかなぁと思ったけど

『楽しかった』って

『温泉も良かったし 

 〇〇山の事 お父さんに話てあげるわ』

って。


夫のおかげて

親孝行のマネごと 少し出来たかなぁ。