退院してきた父は

前回退院してきた時以上に弱っている。


前は よたよたしていても 

一人で歩いてトイレにも行けたし

シャワーもしていたのに

今は 一人で立ち上がるのも困難です。

介護認定 要介護4いただきました。


自分でするのは 少量のご飯を自分で食べる事

ベットからおりるのを手伝ってもらえば

歩行器を使って少しの移動はできる

その程度…でも 父なりに頑張ってます。



退院してきた時は 母に甘えて

それすらしなかった。

病院にいたとき 食事は自分で食べていたと

聞いていたのに

退院した次の日 実家に行ったら

父は母に ご飯を食べさせてもらっていて

驚いた。


自分で食べられなかったっけ?


必要以上に甘えているように見える父を見て

辛いのはわかるものの 

元気になろうとする気力まで失っているようで

嫌だった。


動けないもどかしさを我儘を言って

母にぶつけているいるようにも見える父に

母は文句も言わず

ニコニコと一生懸命に動いているのを見て

『お父さん 病院でご飯食べてたよね?

 甘えん坊さんなの?』

と言うと 母は笑いながら

『昨日の朝は病院で自分で食べてたけど

 まだ帰ってきたばっかりだしね』

って。


『今日はずっとベットでたべてるん?』

『そうだよ』

『母さん 甘やかしちゃ駄目だよ』

『大丈夫だよ。これからお父さん

 頑張るもんね〜』

退院するのを待っていたから

嬉しいのはよくわかるけど…私は言ってしまう

『動かない所も 少しづつ動けるように

 意識して動かさないといけないのに

 自分でできることまで 甘えてどうする?

 今 出来ることまで 出来なくなるよ。

 車椅子も歩行器もベッドも

 返せるくらい元気にならないと!

 日常生活 全てがリハビリなんだよ』

父は黙っていた。


冷たかったかなぁ…

また理想論でものを言ったかなぁ…

ちょっとだけ反省もした。

でも いつも正論が正しいわけではないけど

いつまでも若々しく元気でいたいと

気力だけは 誰よりあった父だから

動けるようになる事を諦めてほしくなかった。


オムツは しているけど

便の始末を母にさせるのは大変だし

可哀想と思うのか 

できるだけ便はトイレでしょうとしていて

父は歩行器につかまってトイレに行きます。

出そう…で 出ないのですが

繰り返す結果ほぼオムツを濡らすことはなく

オシッコはトイレで出来てるって

いいことでもあります。

つかまらずに立つことは出来ないので

ズボンをおろす事はできず手伝いが必要ですが

歩行器につかまるまでは手伝いが必要ですが  

それでも歩行器を使えば移動はできるのです。

『せめて ゆっくり歩行器で移動して

 ダイニングのテーブルで自分で食べる…

 それだけはするようにしよう』

と提案して 今 それだけはしています。


ただ 痩せすぎてお尻にも筋肉も脂肪もなく

座っているのも 長くは痛くて辛いみたいで

もう少し椅子に座ってテレビを見るとか

してくれるといいのだけど

ほとんどの時間をベットで過ごしてます。



私は車なら実家は遠くないし

夫はできるだけ早く会社に戻って来てくれて

『行っていいよ』と言ってくれるおかげで

それに甘えて毎日実家に行って

父の体調が良く本人が嫌でなければ

母と協力してシャワーさせたり

本当はお風呂に入れてあげたいけど

お風呂まではまだまだ難しい

父の足をマッサージしたり

父は気持ちよさそうにしてます

足が動かなくならないように動かしたり

父は辛いのか嫌そうですが 

無理ない程度にしてるつもりです

あとは母とコーヒー飲んでお菓子食べて

なんでもない話をして帰ってきます。


夕飯の支度が遅くなるのを見越して

少しは準備しておきますが

それでもお腹すいてるのに遅くなったり

手抜きになったり 時にスーパーのお惣菜

なんて時もありますが

文句を言われる事もなく

親の事で当たり前の事といえばそうなのですが

それを許してくれない旦那さんも

世の中には少なくはないので

そこはやはり夫に感謝かなぁと思ってます。


ただ 苦しいせいなのか口重くなり

どうしても 突慳貪にも見える父の横で

『ハイハイ ちょっと待っててね』って

よたよたしながらも

嫌な顔せず動いている母を見ながら


いつか年老いた時

夫が父のようになったとしたら

私は母のようにできるかしら?と思った。

不倫なんてされなければ

自信満々で私も母のように出来ると

言い切れてしまうのかもしれない。

私は 元々けっこう余計なお節介焼きだし…。

でもさ母でも世話しながら大変すぎて

辛いと感じたり『もう嫌だ 辞めたい』と

思う事もあると思うのです。



それでも私は嫌な顔を見せず頑張れるのか…? 



今でさえ時々

夫は優しい顔の裏で世間体や

手っ取り早く性欲を処理する為にとかで

私が ただ都合がいいから一緒にいるだけの

存在だとしたら…と考えてしまい

都合がいいだけの人と思われているなら

一緒にいたくない!…と思う事があるのに


華恵さんの事を本気だったと

夫に言われた記憶

私のことは好きではなくなったと

雑に扱われた記憶が顔をだし

『私のことを夫は本当に

 大切に思ってくれているのか』と

不安な気持ちになり

『もし夫が都合がいいからだけで

 私と一緒にいたのなら介護までして 

 私はどこまで都合のいい存在なのだろう』

と思う気持ちが顔を出す可能性は少なくない。



その時私は

それでも献身的に尽くす事ができるだろうか?



弱っている人を 見ないふりしてやり過ごす

そんな人にはなりたくないのに…



そんな事をかんがえて

介護を放棄するような自分になりたくないし

やっぱり私のほうが先に弱って

世話してもらって 先に死にたいな…。

なんて おもっちゃいました。

世話してもらえると信じてるだけで

放ったらかしになって

『やっぱりそうか』と自分の考えの甘さを

笑いながらやり直したことを後悔するって

可能性だってある。

未来はどうなるかなんて

誰にも わからないのだけどね。