~ミノフスキー・クラフト、木馬型の船体、モビルスーツ運用能力。そしてブライトたちが生き残れた理由~

おはこんにちは。どうも僕です。

突然ですが、皆さん。

ホワイトベースを初めて見たとき、どう思いましたか。

白い船体。

左右へ大きく張り出した格納庫。

そして、まるで動物の脚のような構造。

……。

何だ、この形は。

僕は、そんな印象を持ちました。

ガンダムに登場する艦艇には、サラミスやマゼランといった比較的軍艦らしい形のものがあります。

しかし、ホワイトベースは違います。

どう見ても、普通の軍艦ではありません。

しかも、この巨大な船は宇宙を航行するだけでなく、地球の空まで飛んでしまうのです。

翼もない。

巨大なプロペラもない。

全長は約262m。

重量は約3万2,000t。

それほど巨大な物体が、なぜ空中に浮かんでいられるのでしょうか。

そして、そもそもホワイトベースは何のために開発された艦艇なのでしょう。

今回は、初代『機動戦士ガンダム』を支えたもう一つの主役、ホワイトベースを徹底解説します。

開発の背景。

ミノフスキー・クラフトの原理。

独特な船体形状。

モビルスーツの運用能力。

そして、ブライト・ノアと乗組員たちの戦い。

最後には、ホワイトベースのプラモデルも紹介したいと思います。


■ホワイトベースは戦艦ではなく、強襲揚陸艦だった

まず、最初に確認したいことがあります。

ホワイトベースは、一般的に宇宙戦艦と呼ばれることがあります。

しかし、設定上の分類は強襲揚陸艦です。

ペガサス級強襲揚陸艦。

これが、ホワイトベースの基本的な位置づけです。

では、強襲揚陸艦とは何でしょうか。

現実の軍隊では、兵員や車両、航空機などを搭載し、作戦地域へ送り込むための艦艇を指します。

つまり、単に敵の軍艦と砲撃戦を行うことだけが目的ではありません。

戦力を運び、展開させ、作戦を支援することが重要なのです。

ホワイトベースも、これに近い役割を持っています。

ただし、搭載するのは戦車やヘリコプターだけではありません。

モビルスーツです。

ガンダム。

ガンキャノン。

ガンタンク。

これらの新型兵器を運用するために設計された艦艇だったのです。

ここに、ホワイトベースの最大の特徴があります。

ホワイトベースは、単なる軍艦ではなく、モビルスーツを中心とした新しい戦争のための艦艇だった。

この視点で見ると、あの奇妙な形にも意味が見えてきます。


■ホワイトベースはなぜ開発されたのか

宇宙世紀0079年。

ジオン公国と地球連邦の間で、一年戦争が始まりました。

ジオン軍はモビルスーツを投入し、従来の兵器体系を大きく揺さぶります。

ザクIIの登場です。

ミノフスキー粒子によってレーダーや誘導兵器の運用が制限された戦場で、モビルスーツは大きな戦果を挙げました。

一方、地球連邦軍は、モビルスーツという新しい兵器への対応を迫られます。

そこで進められたのが、V作戦です。

RX-78ガンダム。

RX-77ガンキャノン。

RX-75ガンタンク。

これらの新型モビルスーツを開発し、ジオン軍に対抗しようとしたのです。

しかし、ここで問題が生まれます。

どれほど優秀なモビルスーツを開発しても、戦場まで運べなければ意味がありません。

整備も必要です。

補給も必要です。

パイロットの休息場所も必要です。

つまり、モビルスーツを実戦投入するためには、専用の運用母艦が必要だったのです。

そこで登場したのが、ホワイトベースでした。

ガンダムを生み出すだけでは、V作戦は完成しません。

そのガンダムを戦場で使い続ける仕組みまで必要だったわけです。


■ホワイトベースの基本スペック

まずは、代表的な設定数値を見てみましょう。

項目 ホワイトベース
艦級 ペガサス級
分類 強襲揚陸艦
所属 地球連邦軍
全長 約262m
全幅 約202.5m
全高 約93m
重量 約32,000t
特殊機関 ミノフスキー・クラフト
主な搭載機 ガンダム、ガンキャノン、ガンタンクなど
主な武装 主砲、メガ粒子砲、ミサイル、対空機銃
主な指揮官 パオロ・カシアス、ブライト・ノア

※設定資料によって艦の寸法、重量、乗員数、搭載機数などには異なる記述があります。上記は代表的な数値です。

全長262m。

これは、現実の大型軍艦に匹敵する大きさです。

そして、全幅は約202.5m。

とにかく横幅が広い。

通常の細長い船体とは、まったく違う構造をしています。

では、なぜこのような形になったのでしょうか。

その理由を考える前に、まずは最大の謎を解き明かしたいと思います。

なぜホワイトベースは空を飛べるのでしょうか。


■最大の謎。なぜホワイトベースは空を飛べるのか

ホワイトベースを語るうえで欠かせないのが、ミノフスキー・クラフトです。

この装置こそ、巨大なホワイトベースが地球上を飛行できる理由とされています。

ただし、ここで注意が必要です。

ミノフスキー・クラフトは、現実に存在する技術ではありません。

ガンダムの世界で設定された架空の物理学に基づく装置です。

では、どのような仕組みなのでしょうか。

ミノフスキー・クラフトは、ミノフスキー粒子とIフィールドを利用して、艦体を浮遊させる装置として説明されています。

設定上、ミノフスキー粒子には特殊な相互作用があり、地面や海などとの間に斥力場を形成できるとされています。

その力を利用して、巨大な艦体を持ち上げるわけです。

簡単に言えば、地面と艦艇の間に、目に見えない力の層を作って浮かぶようなイメージです。

ただし、これは通常の航空機が利用する揚力とは異なります。

飛行機は、翼の周囲を流れる空気によって揚力を得ます。

しかし、ホワイトベースには、飛行機のような大きな翼がありません。

つまり、翼によって飛んでいるわけではないのです。

そして、ここが重要です。

ミノフスキー・クラフトは、主に艦体を浮かせるための装置であり、前方へ進む推進力とは役割が異なります。

浮くことと、進むこと。

この二つを分けて考える必要があるのです。


■浮遊と推進は、まったく別の技術

例えば、ヘリコプターを考えてみましょう。

ヘリコプターは、回転するローターによって揚力を発生させます。

さらに、ローターの推力方向を変えることで、前方へ移動します。

一方、ホワイトベースはミノフスキー・クラフトによって艦体を浮かせます。

そして、前進には別の推進装置を使用します。

つまり、浮遊装置と推進装置を組み合わせた飛行方式なのです。

これは、現実のホバークラフトにも少し似ています。

ホバークラフトは、船体の下に空気を送り込んで浮上します。

そのうえで、プロペラなどを利用して前方へ進みます。

もちろん、ホバークラフトは空気圧を利用するものであり、ミノフスキー・クラフトとは原理が違います。

しかし、浮くための仕組みと進むための仕組みを分けるという点では、比較しやすいでしょう。

そして、この方式には大きな利点があります。

翼がなくても浮遊できることです。

通常の航空機は、一定の速度で空気の中を移動する必要があります。

しかし、ホワイトベースは、設定上は空中で停止することもできます。

つまり、巨大な艦艇でありながら、ヘリコプターのような運用が可能になるわけです。

これは、軍事的に非常に大きな意味を持ちます。


■現実の物理学では、ホワイトベースを浮かせられるのか

では、現実の物理学で考えてみましょう。

ホワイトベースの重量を、代表的な設定値である32,000tとします。

32,000t。

つまり、3,200万kgです。

地球上でこの物体を浮かせるには、重力に逆らう力が必要になります。

重力加速度を約9.8m/s²とすると、必要な力は、

約3億1,400万ニュートン。

とてつもない数字です。

もちろん、現実にも巨大な航空機は存在します。

しかし、ホワイトベースのような質量を持つ物体を、翼もローターも使わずに空中へ浮かせる技術は、現在のところ実用化されていません。

仮にロケットエンジンだけで浮かせようとすれば、膨大な推進剤が必要になります。

しかも、地上付近で巨大な噴射を行えば、周囲の施設や地面へ深刻な影響を与える可能性があります。

では、反重力装置ならどうでしょうか。

残念ながら、現実の科学では、重力を自由に遮断したり、反発させたりする装置は実現していません。

つまり、ホワイトベースの飛行を現実に再現するには、現在の科学では説明できない新しい物理現象が必要なのです。

ただし、だからといって、ホワイトベースの設定が無意味というわけではありません。

むしろ、架空の技術に一定のルールを与え、その技術が軍事や社会へどのような影響を与えるかを描いているところに、ガンダムの面白さがあるのです。


■ミノフスキー・クラフトには弱点がないのか

さて、ここまで聞くと、ミノフスキー・クラフトは非常に便利な装置に思えます。

巨大な船を浮かせられる。

空中で停止できる。

滑走路も必要ない。

それなら、すべての軍艦に搭載すればよいのではないでしょうか。

しかし、そう簡単ではありません。

まず、大きな問題になるのがエネルギーです。

巨大な艦体を浮かせるための場を形成し、維持するには、設定上、大きな電力が必要とされます。

そのため、初期のミノフスキー・クラフトは、大型の艦艇などへの搭載が中心でした。

また、浮遊できるからといって、無制限に加速できるわけではありません。

前進するには推進装置が必要です。

姿勢を安定させる制御も必要になります。

さらに、装置が故障した場合はどうなるのでしょうか。

高度や速度、ほかの推進装置の状態によっては、艦艇が墜落する危険も考えられます。

現実の航空機と同じように、冗長性や非常時の対応が重要になるはずです。

つまり、ミノフスキー・クラフトは万能の反重力装置ではありません。

ホワイトベースを飛ばすための重要な技術でありながら、運用には多くの制約があったと考えられるのです。


■なぜホワイトベースは、あんな奇妙な形をしているのか

次に、船体形状を見てみましょう。

ホワイトベースは、前方へ大きく張り出した左右の構造が特徴です。

ジオン軍からは、その形状を見て「木馬」と呼ばれていました。

確かに、動物のようにも見えます。

しかし、軍艦として考えると、少し不思議な形です。

一般的な軍艦は、船体を細長く設計することが多いでしょう。

これは、水の抵抗を減らすためです。

しかし、ホワイトベースは水上艦ではありません。

宇宙空間で活動し、さらにミノフスキー・クラフトによって大気圏内を飛行する艦艇です。

そのため、水上艦と同じ設計思想を採用する必要はありません。

では、なぜ左右へ大きく張り出したのでしょうか。

最も重要な理由の一つが、モビルスーツの運用です。

左右の大型ブロックは、モビルスーツの格納や発進に関わる構造になっています。

つまり、ホワイトベースの形状は、モビルスーツを搭載するという任務と深く関係しているのです。

ここで、現実の航空母艦を思い浮かべてみましょう。

航空母艦は、航空機を発進させるために広い飛行甲板を備えています。

そのため、通常の軍艦とは異なる形をしています。

ホワイトベースも同じです。

搭載兵器を運用するために、船体形状そのものが変化した艦艇なのです。


■左右に分かれた格納庫は合理的なのか

では、左右に分かれたモビルスーツ格納庫には、どのような意味があるのでしょうか。

まず、複数のモビルスーツを運用しやすいという利点が考えられます。

左右それぞれに発進設備があれば、異なる機体を並行して準備できます。

例えば、ガンダムを発進させながら、ガンキャノンの整備を進める。

あるいは、別方向へモビルスーツを送り出す。

こうした運用が可能になるでしょう。

さらに、格納庫を分散することで、一か所の被害がすべての搭載機へ及ぶ危険を減らせる可能性があります。

ただし、欠点もあります。

船体が横に広がるため、構造的な負担が増える可能性があります。

また、左右のブロックを接続する部分には、加速や方向転換によって大きな力が加わるでしょう。

現実の構造工学で考えると、細長く張り出した構造は、曲げやねじれに対する強度が重要になります。

つまり、ホワイトベースの形状は、モビルスーツ運用の利点を得る一方で、船体構造に新しい課題を生み出していると考えられます。


■ホワイトベースは宇宙版の航空母艦だった

ここで、ホワイトベースの本質を考えてみましょう。

僕は、ホワイトベースは宇宙版の航空母艦に近い存在だと思っています。

もちろん、設定上の分類は強襲揚陸艦です。

しかし、モビルスーツを搭載し、発進させ、回収し、整備するという運用思想は、航空母艦に似ています。

現実の航空母艦は、航空機を運ぶだけではありません。

燃料を補給する。

武器を搭載する。

整備する。

パイロットを休ませる。

そして、再び発進させる。

この繰り返しによって、継続的な戦闘能力を維持しています。

ホワイトベースも同じです。

ガンダムがどれほど強力でも、補給や整備を受けられなければ戦い続けることはできません。

ビーム・ライフル。

シールド。

機体の損傷。

推進剤。

パイロットの疲労。

こうした問題を支えていたのが、ホワイトベースだったのです。

つまり、ガンダムの強さは、ガンダム単体の性能だけで成立していたわけではありません。

ホワイトベースという運用母艦があってこそ、継続的に戦えたのです。


■ホワイトベースの武装は、どれほど強力だったのか

ホワイトベースは、モビルスーツの運用母艦でありながら、自身も強力な武装を備えています。

代表的な武装を見てみましょう。

① 艦首の主砲

ホワイトベースには、艦橋前方に大型の連装主砲が設置されています。

資料によって口径などの記述には違いがありますが、一般的には実体弾を使用する大型砲として説明されます。

大型の砲弾を発射するため、相応の反動が発生します。

宇宙空間で発射すれば、艦体へ反対方向の運動量が加わります。

そのため、射撃時には姿勢制御も重要になるでしょう。

② メガ粒子砲

ホワイトベースの左右には、メガ粒子砲が搭載されています。

メガ粒子砲は、宇宙世紀の艦艇にとって重要なエネルギー兵器です。

通常の火薬式砲とは異なる原理で攻撃します。

大型艦艇への攻撃などで、重要な役割を果たします。

③ ミサイル

ホワイトベースは、ミサイル兵装も備えています。

ただし、ミノフスキー粒子によって誘導兵器の運用には制約が生じます。

そのため、どのような誘導方式や運用方法を採用するかが重要になります。

④ 対空機銃

そして、忘れてはいけないのが対空機銃です。

大型艦艇にとって、小型で機動性の高い敵は非常に厄介です。

特に、モビルスーツが接近してくる場合、主砲だけで対応するのは難しいでしょう。

そこで、近距離防御のための機銃が必要になります。

現実の軍艦にも、ミサイルや航空機への対処を目的とした近接防御火器があります。

ホワイトベースの対空兵装も、役割としてはそれに近いものと考えられます。

つまり、ホワイトベースは、攻撃用の大型兵器と、防御用の小型兵器を組み合わせた艦艇だったのです。


■それでもホワイトベースは、単独で戦うべき艦ではなかった

ここまで見ると、ホワイトベースは非常に強力な艦艇に思えます。

しかし、僕は単独行動には大きな危険があったと思っています。

なぜなら、ホワイトベースはあらゆる攻撃に対応できる万能艦ではないからです。

例えば、複数方向からモビルスーツに接近された場合。

主砲の射界には制限があります。

メガ粒子砲にも、発射方向の制約があります。

対空機銃だけで、すべての敵を撃退できるとは限りません。

さらに、艦体が巨大であるため、敵から発見されやすいという問題もあります。

そのため、本来なら護衛艦艇や味方部隊と連携して行動する方が合理的でしょう。

しかし、劇中のホワイトベースは、必ずしも十分な護衛を受けられませんでした。

そこで重要になったのが、搭載モビルスーツです。

ガンダムが敵の主力を迎撃する。

ガンキャノンが火力支援を行う。

ガンタンクが砲撃を担当する。

それぞれの機体が役割を分担することで、ホワイトベースの弱点を補っていたのです。


■ブライト・ノアは、なぜホワイトベースを指揮できたのか

ここで、少し視点を変えましょう。

ホワイトベースを語るうえで欠かせない人物。

ブライト・ノアです。

初代『機動戦士ガンダム』の序盤で、ブライトはまだ19歳でした。

現在の感覚で考えても、非常に若い年齢です。

しかも、最初から艦長として十分な経験を積んでいたわけではありません。

サイド7での襲撃によって、正規の乗組員たちは大きな被害を受けます。

その結果、ブライトは艦の指揮を担うことになります。

ここで考えてみてください。

全長262mの巨大艦艇。

多数の乗組員。

民間人の避難者。

そして、最新鋭のモビルスーツ。

これらを、若いブライトがまとめなければならなかったのです。

……。

普通に考えて、無理があります。

しかし、ブライトは戦い続けます。

もちろん、最初から完璧だったわけではありません。

判断を誤ることもあります。

感情的になることもあります。

アムロとの衝突もありました。

それでも、彼は指揮官として成長していきます。

僕は、この部分こそホワイトベースの物語の魅力だと思います。

ホワイトベースは、完成された軍隊によって運用された艦ではありません。

未熟な人々が、戦いの中で少しずつ組織になっていった艦だったのです。


■ホワイトベースの本当の強さは、乗組員にあった

ホワイトベースには、多くの人物が乗り込んでいました。

ミライ・ヤシマ。

セイラ・マス。

フラウ・ボゥ。

カイ・シデン。

ハヤト・コバヤシ。

そして、アムロ・レイ。

それぞれに役割があり、それぞれに問題を抱えていました。

ミライは操舵を担当し、艦の運航を支えます。

セイラは通信などの任務を経て、戦闘にも参加します。

カイやハヤトも、戦いを重ねる中で成長していきました。

そして、アムロ。

彼の操縦するガンダムは、ホワイトベースの戦闘能力を支える重要な存在でした。

しかし、アムロ一人では戦争を続けられません。

機体を整備する人。

食事を作る人。

艦を操縦する人。

通信を担当する人。

そして、負傷者を治療する人。

多くの役割が必要です。

ここに、軍隊という組織の本質があります。

戦争は、優れたパイロットだけでは成立しません。

その人間を支える多数の人々がいて、初めて戦力になるのです。

ホワイトベースは、そのことを非常によく描いた艦艇だったと思います。


■なぜホワイトベースは「木馬」と呼ばれたのか

ジオン軍は、ホワイトベースを「木馬」と呼んでいました。

理由は、独特な船体形状です。

前方へ伸びた左右の構造。

中央の艦橋。

そして、脚のようにも見える船体の一部。

確かに、動物を連想させる形です。

しかし、この呼び名には、もう一つ面白い意味があると思います。

それは、敵にとって正体の分かりにくい存在だったということです。

従来の宇宙艦艇とは異なる形状。

新型モビルスーツを搭載する能力。

そして、地球上でも飛行できる特殊な機能。

ジオン軍にとって、ホワイトベースは未知の兵器でした。

そのため、正式な艦名よりも、外見から付けた呼び名が使われたのでしょう。

実際の軍事史でも、敵の兵器に独自の識別名を付けることがあります。

ホワイトベースの「木馬」という呼び名も、そうした戦場での識別の一例として考えることができます。


■もしホワイトベースを現実に建造したら、いくらかかるのか

さて、ここからは少し現実的な話です。

ホワイトベースを実際に建造するとしたら、いくらかかるのでしょうか。

まず、比較対象として現代の大型艦艇を考えてみましょう。

例えば、原子力空母は、非常に高価な兵器です。

建造費だけでも、数兆円規模になる例があります。

しかし、ホワイトベースは、単なる大型艦艇ではありません。

宇宙空間を航行できる。

大気圏へ突入できる。

地球上で浮遊できる。

モビルスーツを搭載できる。

さらに、大型のエネルギー兵器まで備えています。

つまり、現実の航空母艦と宇宙船、航空機の機能を組み合わせたような存在なのです。

もし、現代の技術だけで開発しようとすれば、建造費以前に、実現できない技術が多数存在します。

ミノフスキー・クラフト。

高出力の小型動力装置。

巨大艦艇の大気圏突入技術。

そして、宇宙と地上の両方で運用できる推進装置。

これらを新しく開発する必要があります。

したがって、現時点でホワイトベースの建造費を正確に計算することはできません。

仮に数兆円、数十兆円といった数字を出したとしても、科学的な裏付けのある見積もりにはならないでしょう。

むしろ、重要なのは金額よりも、必要とされる技術の多さです。

ホワイトベースは、現代の技術水準では、建造費を論じる以前に実現が難しい艦艇なのです。


■ホワイトベースは、本当に優秀な艦艇だったのか

では、ここまでの内容を整理してみましょう。

ホワイトベースの長所は、非常に明確です。

まず、モビルスーツを運用できること。

次に、宇宙と地球上の両方で活動できること。

さらに、強力な武装を備えていること。

そして、独立した作戦行動を行えることです。

一方、短所もあります。

船体が巨大であること。

構造が複雑であること。

特殊な技術に依存していること。

そして、整備や補給に大きな負担がかかる可能性があることです。

特に、ミノフスキー・クラフトのような新しい技術は、故障時の対応が難しかったかもしれません。

また、モビルスーツを搭載するという役割から、格納庫や整備設備にも大きな空間が必要になります。

そのため、純粋な砲撃戦だけを考えれば、従来の大型戦艦の方が合理的な場面もあったでしょう。

しかし、ホワイトベースの価値は、単純な砲撃能力では測れません。

モビルスーツを運び、戦場へ投入し、継続して運用できる。

これこそが、ホワイトベースの最大の強みだったのです。


■ホワイトベースが一年戦争に与えた影響

ホワイトベースは、単なる新型艦艇ではありませんでした。

地球連邦軍がモビルスーツを本格的に運用するための、重要な試みだったのです。

ガンダムのような高性能機を開発するだけでは、戦争の流れは変わりません。

その兵器を、どのように運ぶのか。

どのように整備するのか。

どのように補給するのか。

そして、どのように部隊として運用するのか。

これらを解決して、初めて新しい兵器体系が成立します。

ホワイトベースは、そのための艦艇でした。

つまり、ザクIIがモビルスーツという兵器の有効性を示した存在なら、ホワイトベースはモビルスーツを組織的に運用する仕組みの重要性を示した存在だったと言えるでしょう。

そして、その思想は、後の宇宙世紀に登場するモビルスーツ搭載艦にもつながっていきます。


■最後に、ホワイトベースのプラモデルを紹介しよう

さて、ここからは模型の話です。

ホワイトベースは、ガンダムシリーズの中でも非常に印象的な艦艇です。

しかし、ガンダムやザクのようなモビルスーツとは違い、プラモデルの選択肢はそれほど多くありません。

その中でも、代表的なキットを紹介します。

① 1/1200 ホワイトベース

1980年12月に登場した、初期のホワイトベースのプラモデルです。

このキットの魅力は、何といっても懐かしさ。

初代ガンダムの雰囲気をそのまま立体化したような、独特の造形です。

さらに、同スケールのガンダム、ガンキャノン、ガンタンク、ガンペリーが付属します。

発艦用ハッチの開閉も再現されています。

現在の精密なキットと比べれば、色分けや組み立てやすさには違いがあります。

しかし、ホワイトベースという艦艇の基本構造を楽しむには、非常に魅力的なキットです。

メーカー公式掲載価格は、税込1,100円。

※現在の販売価格や在庫状況とは異なる場合があります。

② EXモデル 31 1/1700 ホワイトベース

2006年11月24日発売。

こちらは、より精密な造形を楽しめるキットです。

特に注目したいのが、モビルスーツ格納庫の再現です。

前方のMSハッチは開閉状態を選択でき、内部にはMSベッドを設置できます。

さらに、TV版と劇場版で異なるメガ粒子砲の形状を選択できます。

エンジンブロックの内部構造も再現され、劇中のような切り離しも可能です。

付属する小型機体も充実しています。

ガンダム。

ガンキャノン。

ガンタンク。

コアブースター。

Gファイター。

ガンペリー。

こうした機体を同じスケールで並べることで、ホワイトベースの巨大さを実感できます。

メーカー公式掲載価格は、税込4,180円。

こちらも発売当時から時間が経過しているため、販売価格や在庫状況には注意が必要です。


■どちらのホワイトベースを選ぶべきか

キット 特徴 おすすめ
1/1200 ホワイトベース 1980年発売の懐かしい造形 旧キットを楽しみたい人
EXモデル 1/1700 格納庫や艦体構造を細かく再現 精密な艦船模型を作りたい人

個人的には、EXモデルが気になります。

理由は、今回の記事で考察した格納庫やエンジンブロックを、模型で確認できるからです。

ただし、旧キットにも捨てがたい魅力があります。

あの独特なホワイトベースの形。

それを自分の手で組み立てる楽しさは、今でも変わらないでしょう。


■しめ

今回は、ホワイトベースについて徹底的に解説してみました。

ペガサス級強襲揚陸艦としての開発目的。

モビルスーツを運用するための独特な船体形状。

巨大な艦艇を浮かせるミノフスキー・クラフト。

そして、宇宙と地球上の両方で活動できるという特殊な能力。

こうして見てみると、ホワイトベースは非常に野心的な艦艇だったことが分かります。

しかし、僕が最も面白いと思うのは、そこではありません。

ホワイトベースの本当の強さは、乗組員たちにあったのではないでしょうか。

ブライト。

ミライ。

セイラ。

カイ。

ハヤト。

そして、アムロ。

彼らは、最初から優秀な軍人だったわけではありません。

戦争に巻き込まれ、失敗を重ねながら、少しずつ成長していきました。

ホワイトベースは、そんな彼らの生活の場でもあり、戦場でもありました。

つまり、単なる兵器ではなかったのです。

ガンダムが戦うための場所。

仲間たちが帰ってくる場所。

そして、戦争が終わるまで生き延びるための場所。

それが、ホワイトベースだったのだと思います。

それにしても、全長262mの巨大な艦艇が空を飛ぶというのは、何度考えてもすごい話です。

現実に存在したら、空を見上げるたびに驚くでしょうね。

……。

もっとも、あんな巨大な船が自宅の上を飛んでいたら、少し怖い気もします。

洗濯物どころの騒ぎではありません(笑)。

今日はここまで。それでは、また別のお話で。