~シャアの戦艦5隻撃沈、黒い三連星のレビル捕縛。そして、ランバ・ラルが戦場にいなかった理由~
おはこんにちは。どうも僕です。
今回取り上げるのは、一年戦争の歴史を語るうえで、絶対に外すことのできない戦い。
ルウム戦役です。
宇宙世紀0079年1月15日。
地球連邦軍とジオン公国軍が、サイド5・ルウム宙域で激突しました。
人類史上初となる大規模な宇宙艦隊決戦。
そして、モビルスーツが対艦兵器として、その恐るべき能力を証明した戦いです。
シャア・アズナブルは、たった一度の会戦で連邦軍艦艇5隻を撃沈。
後に「赤い彗星」と呼ばれる伝説を築きます。
黒い三連星は、連邦軍のレビル将軍を捕虜にする大戦果を挙げました。
一方、後に「青い巨星」と呼ばれるランバ・ラルは、『THE ORIGIN』の物語では、この決戦に参加していません。
なぜ、これほど重要な戦いに、ラルほどの軍人がいなかったのか。
そして、そもそもなぜ連邦軍は、ザクという新兵器に敗れたのでしょうか。
今回は、ルウム戦役を軍事史、兵器技術、人物、政治という四つの視点から考えてみたいと思います。
なお、ルウム戦役はテレビ版、設定資料、『MS IGLOO』、『THE ORIGIN』で細部の描写が異なります。
今回は主に『THE ORIGIN』の映像描写を軸にしながら、従来の設定との違いも整理していきます。
■そもそも、ルウム戦役はなぜ起こったのか
一年戦争が始まったのは、宇宙世紀0079年1月3日。
ジオン公国は地球連邦政府に対して独立戦争を開始しました。
しかし、両軍の国力には大きな差があります。
地球連邦は地球圏全体に広がる巨大な政治・経済・軍事組織。
対するジオン公国は、サイド3を本拠地とする国家です。
正面から長期戦を行えば、ジオンが不利になることは容易に想像できます。
だからこそ、ジオンは開戦初期に連邦軍の戦争遂行能力を破壊する必要がありました。
そのために実行されたのが、ブリティッシュ作戦です。
スペースコロニーを地球へ落下させる。
その目標は、南米にある地球連邦軍の本拠地、ジャブローでした。
しかし、作戦は当初の目的を達成できませんでした。
コロニーは予定した地点へ落下せず、地球に壊滅的な被害をもたらしたものの、ジャブローの破壊には失敗します。
そこで、次の戦いが始まります。
ルウム戦役です。
『THE ORIGIN』では、ジオン軍がルウムのコロニーを利用する動きを見せ、連邦軍の主力艦隊を引き出していきます。
ただし、ルウム戦役の作戦目的は作品によって描き方が異なります。
再度のコロニー落としをめぐる戦いとして描く設定もあれば、連邦艦隊の撃滅に重点を置く作品もあります。
しかし、どの描写にも共通する重要な点があります。
ジオンは、数で勝る連邦軍の艦隊に対して、従来とは異なる戦い方を用意していた。
それが、モビルスーツです。
■連邦軍は、なぜザクを脅威と考えなかったのか
当時の宇宙戦争の主役は、巨大な宇宙艦艇でした。
連邦軍の主力戦艦は、マゼラン級。
全長約347メートル。
大型メガ粒子砲を備えた、強力な宇宙戦艦です。
そして、サラミス級巡洋艦。
全長約269メートル。
こちらも砲撃能力と防御兵装を備えた主力艦艇でした。
艦隊を組み、敵艦を発見し、遠距離から砲撃する。
連邦軍が想定していた宇宙戦争は、基本的に艦艇同士の戦闘だったのでしょう。
ところが、ジオン軍は違いました。
巨大な艦艇ではなく、全高約18メートルの人型機動兵器を投入したのです。
ザクⅡ。
今でこそガンダムを代表する量産型モビルスーツですが、当時の連邦軍にとっては、まったく新しい兵器でした。
しかも、宇宙戦艦と比較すれば非常に小さい。
全長300メートルを超える艦艇から見れば、18メートルのザクは小さな目標です。
連邦軍は、こんな小さな機械が艦隊を壊滅させるとは想像していなかったのかもしれません。
しかし、戦場では、その常識が裏切られます。
■ミノフスキー粒子が、巨大戦艦の優位を崩した
ルウム戦役を理解するうえで欠かせないのが、ミノフスキー粒子です。
ガンダム世界では、この粒子が高濃度で散布されることで、レーダーや通信、誘導兵器の運用が大きく制限されます。
ここで重要なのは、単にレーダーが使いにくくなるという話ではありません。
艦隊が持っていた「遠くの敵を発見し、先に攻撃する」という優位性そのものが揺らいだということです。
巨大な宇宙戦艦は、強力な主砲を備えています。
しかし、主砲が強力でも、敵の位置を正確に把握できなければ意味がありません。
一方、モビルスーツは小型で、機動力があります。
敵艦に接近し、比較的近い距離から攻撃することができます。
もちろん、モビルスーツも万能ではありません。
推進剤には限りがあります。
装甲も巨大戦艦ほど厚くできないでしょう。
被弾すれば撃破される危険があります。
それでも、ミノフスキー粒子によって長距離索敵や誘導兵器の能力が制限される環境では、接近戦を得意とするモビルスーツに活躍の余地が生まれます。
現実の軍事史でも、似た構図があります。
戦艦が海戦の主役だった時代から、航空機と航空母艦が大きな役割を担う時代への変化です。
巨大な主砲を持つ戦艦でも、航空機による攻撃を完全に防げるわけではありません。
ルウム戦役におけるモビルスーツは、宇宙戦争における航空機のような存在だったのかもしれません。
ただし、ザクは航空機そのものではありません。
宇宙空間を三次元的に移動し、姿勢を制御しながら攻撃する兵器です。
その運用思想は、従来の宇宙艦隊とは大きく異なっていました。
■シャア・アズナブル、戦艦5隻撃沈という異常な戦果
さて、ここで登場するのがシャア・アズナブルです。
当時は、まだ若いジオン軍の士官。
後に赤い彗星と呼ばれる男です。
『THE ORIGIN』で描かれるシャアのザクⅡは、赤い機体色に加え、高い推力を生かした機動戦闘が特徴です。
そして、ルウム戦役で連邦軍艦艇5隻を撃沈します。
5隻。
この数字、改めて考えると異常です。
仮に、1隻に数百人規模の乗員がいたとすれば、撃沈された艦艇の人的損害は非常に大きなものになります。
もちろん、乗員数や生存者数が一律に決まっているわけではありません。
それでも、一人のパイロットが一度の会戦で5隻の艦艇を撃沈したという戦果は、戦場の常識を変えるには十分だったでしょう。
では、なぜシャアはそれほどの戦果を挙げられたのでしょうか。
単純に、操縦技術が優れていたから。
それだけではないと思います。
僕が注目したいのは、攻撃対象の選び方です。
巨大戦艦の装甲全体を破壊する必要はありません。
艦橋。
推進機関。
兵装。
艦内の重要区画。
こうした部分を破壊すれば、艦艇の戦闘能力を失わせることができます。
特に『THE ORIGIN』のシャアは、敵艦へ大胆に接近し、機体の機動力を生かして攻撃を加えます。
巨大な戦艦が持つ火力を、正面から受け止めようとはしない。
相手が対応しにくい位置へ入り込み、急所を攻撃する。
つまり、シャアは単に速いだけではなく、モビルスーツという兵器の特性を理解して戦っていたように見えるんですね。
■赤い彗星という異名は、なぜ生まれたのか
シャアの異名といえば、赤い彗星。
この呼び名は、ルウム戦役での活躍によって広まったものです。
では、なぜ彗星なのでしょうか。
赤い機体。
高速で接近する姿。
そして、瞬く間に敵艦を撃沈する戦い方。
こうした要素が重なり、強烈な印象を残したのでしょう。
『THE ORIGIN』では、シャア専用ザクⅡの推力を限界まで引き出す運用が描かれています。
ただし、ここで一つ面白いことがあります。
宇宙空間では、速く動くことと、素早く方向転換することは同じではありません。
質量のある物体は、慣性を持っています。
加速するにも、減速するにも、方向を変えるにも推力が必要です。
つまり、高速で接近するシャアの戦い方は、危険でもあります。
速度を出しすぎれば、敵艦を通り過ぎてしまう。
減速が遅れれば、衝突する可能性もある。
それでも、シャアは高い機動力を生かして敵艦を撃破していく。
その姿は、連邦軍の兵士にとって、まさに赤い彗星のように見えたのかもしれません。
そして、もう一つ。
赤い機体色は、戦場で目立ちます。
迷彩という意味では不利でしょう。
しかし、敵に恐怖を与えるという意味では、別の効果があります。
赤い機体を見たら、警戒する。
赤い機体が接近してきたら、シャアが来たと分かる。
その評判が広まれば、戦う前から敵の心理に影響を与える可能性があります。
赤い彗星とは、単なるエースパイロットの愛称ではなく、ジオン軍が生み出した強力な戦場の象徴だったのかもしれません。
■黒い三連星、レビル将軍を捕虜にする
ルウム戦役でもう一つ重要なのが、黒い三連星の活躍です。
ガイア。
マッシュ。
オルテガ。
後にドムを駆ってガンダムと戦う、あの三人です。
ルウム戦役では、レビル将軍が座乗する連邦軍旗艦アナンケを攻撃。
艦橋に打撃を与え、レビル将軍を捕虜にするという大戦果を挙げます。
ここで注目したいのは、単なる艦艇の撃沈ではないという点です。
敵軍の重要指揮官を捕虜にした。
これは、軍事的にも政治的にも大きな意味を持ちます。
戦場では、敵の戦闘能力を奪うことが重要です。
しかし、指揮官を失えば、部隊全体の統制に影響する可能性があります。
さらに、レビル将軍ほどの人物を捕虜にすれば、戦争終結に向けた交渉材料にもなります。
黒い三連星は、モビルスーツによる攻撃で、戦術的な勝利を政治的な成果につなげたわけです。
シャアが5隻撃沈という数字で伝説になったのに対し、黒い三連星はレビル捕縛という戦争全体に影響する成果を残しました。
どちらが上という話ではありません。
モビルスーツという兵器が、単なる敵機撃破だけでなく、戦争の指揮系統そのものに影響を与えられることを示したのです。
■ドズル・ザビは、モビルスーツの可能性を理解していた
ルウム戦役で忘れてはいけないのが、ドズル・ザビです。
ジオン公国軍の宇宙攻撃軍を率いる指揮官。
豪快で、いかにも武人という印象の強い人物です。
しかし、ドズルは単に力任せの軍人ではありません。
『THE ORIGIN』では、新型機動兵器の開発や運用を推進する人物として描かれています。
そして、ルウム戦役では艦隊を指揮し、モビルスーツ部隊の活躍を戦局へ結びつけていきます。
ここが重要です。
新兵器は、開発しただけでは戦争に勝てません。
それをどのように運用するのか。
どの部隊に配備するのか。
どのタイミングで投入するのか。
補給や整備をどうするのか。
そうした仕組みがなければ、兵器の性能を十分に引き出すことはできません。
ドズルは、モビルスーツという新兵器を実戦で使うための組織的な役割を担っていたと考えられます。
つまり、ルウム戦役の勝利はシャアや黒い三連星だけの功績ではありません。
彼らを戦場に送り出し、その能力を発揮できる状況を作った指揮官の存在も重要だったわけです。
■ランバ・ラルは、なぜルウム戦役に参加しなかったのか
ここからは、僕が特に取り上げたかった人物です。
ランバ・ラル。
後に「青い巨星」と呼ばれるジオン軍の歴戦の軍人。
個人的にも、非常に好きなキャラクターです。
そして、このルウム戦役を語るとき、彼の扱いは少し複雑です。
まず整理しておきたいのは、ランバ・ラルのルウム戦役不参加は、主に『THE ORIGIN』で描かれる設定だということです。
従来の設定資料などには、ラルが一年戦争初期やルウム戦役に参加して戦果を挙げたとする記述もあります。
したがって、すべてのガンダム作品で不参加だったわけではありません。
では、『THE ORIGIN』ではなぜ参加しなかったのでしょうか。
その背景にあるのが、ブリティッシュ作戦です。
ラルは、スペースコロニーを地球へ落下させる作戦への参加を拒否します。
この行動によって、軍の中で不遇な立場に置かれることになります。
そして、ルウム戦役には参加しません。
ここが、実にランバ・ラルらしい。
ラルは、ジオンの独立という大義を理解していたでしょう。
しかし、だからといって、すべての命令を受け入れるわけではなかった。
自分の中に、譲れない一線があった。
そう考えると、ラルという人物の魅力がよく分かります。
軍人として命令に従うこと。
一人の人間として、自分の良心に従うこと。
その二つが衝突したとき、ラルは後者を選んだ。
『THE ORIGIN』では、そういう人物として描かれているわけです。
■もしランバ・ラルが参戦していたら?
ここで、少し想像してみましょう。
もしランバ・ラルがルウム戦役に参加していたら、どうなっていたのでしょうか。
ラルは、モビルスーツの操縦技術だけでなく、部隊指揮にも優れた人物です。
経験豊富な軍人であり、部下からの信頼も厚い。
そんな人物が、ルウム戦役でザク部隊を率いていたら。
シャアとは違う戦い方を見せていたかもしれません。
シャアは、機体の性能を限界まで引き出す高速機動戦闘。
一方のラルは、部隊の連携や戦況判断を重視した戦い方をしたのではないでしょうか。
もちろん、これは僕の想像です。
しかし、モビルスーツが初めて大規模に投入される戦場で、ラルほどの指揮官がいれば、部隊運用に大きな影響を与えた可能性があります。
そして、もう一つ考えてしまうことがあります。
もしラルがルウム戦役で大きな戦果を挙げていたら、その後の人生は変わっていたのでしょうか。
冷遇されることなく、重要な部隊を任されていたかもしれません。
ガルマの仇討ちという形で、ホワイトベース隊と戦うこともなかったかもしれない。
そう考えると、ルウム戦役への不参加は、ラルという人物の運命を分けた出来事だったようにも感じます。
ただし、これは『THE ORIGIN』の設定を前提とした仮定の話です。
■ルウム戦役の勝利は、ジオンにとって本当に良かったのか
さて、ここで少し視点を変えてみます。
ルウム戦役は、ジオン軍の大勝利として知られています。
連邦軍の艦隊に大損害を与えた。
レビル将軍を捕虜にした。
シャアや黒い三連星といったエースを生み出した。
そして、モビルスーツの有効性を証明した。
軍事的には、非常に大きな成果です。
しかし、戦争全体で考えると、話は少し違ってきます。
ジオンは、圧倒的な国力差を抱えたままでした。
連邦軍の艦隊に大損害を与えても、地球連邦そのものが消滅するわけではありません。
生産設備。
人的資源。
経済力。
こうした基盤には、大きな差が残っています。
さらに、ジオン軍自身も損害を受けています。
つまり、ルウム戦役で勝利したからといって、長期戦に勝てるようになったわけではないのです。
ここで、戦争の難しさが見えてきます。
一度の会戦で勝つことと、戦争全体に勝つことは、まったく別の問題です。
ルウム戦役は、ジオン軍の戦術的な優位を示しました。
しかし、それを戦争終結へつなげることはできませんでした。
■レビル将軍の帰還が、戦争の流れを変える
ルウム戦役の後、レビル将軍はジオン軍の捕虜となります。
しかし、その後、レビルは脱出し、連邦側へ帰還します。
そして、ジオンの内情を踏まえ、徹底抗戦を主張することになります。
有名なのが、「ジオンに兵なし」という言葉です。
この言葉が示したのは、ジオンが決して無敵ではないということでした。
ルウム戦役で敗北した連邦軍にとって、これは非常に重要な意味を持ちます。
敵は強い。
しかし、戦争を続ける能力には限界がある。
ならば、まだ戦える。
こうした認識が、連邦軍の戦争継続につながっていきます。
ここで考えると、黒い三連星がレビル将軍を捕虜にしたことは、確かに大きな戦果でした。
しかし、そのレビルが帰還し、戦争継続を主張することになった。
結果として、ルウム戦役で得たジオンの政治的な優位は、十分に生かされなかったわけです。
歴史というものは、皮肉ですね。
■モビルスーツは、戦艦を時代遅れにしたのか
ルウム戦役を考えると、どうしても一つの結論にたどり着きそうになります。
モビルスーツが登場したことで、巨大戦艦は時代遅れになった。
しかし、僕は少し違うと思っています。
確かに、ルウム戦役ではモビルスーツが圧倒的な戦果を挙げました。
しかし、その後の一年戦争でも、戦艦や巡洋艦は重要な役割を担っています。
モビルスーツの輸送。
補給。
整備。
艦隊の指揮。
火力支援。
そして、長距離の戦力投射。
こうした役割は、モビルスーツだけでは担えません。
つまり、モビルスーツは戦艦を完全に不要にしたわけではないのです。
むしろ、艦艇とモビルスーツの役割分担を変えたと考える方が自然でしょう。
戦艦だけで敵艦隊を撃破する時代から、モビルスーツと艦艇が連携して戦う時代へ。
ルウム戦役は、その転換点だったのだと思います。
■ルウム戦役が証明した、もう一つのこと
ここまで、シャア、黒い三連星、ドズル、ランバ・ラルについて考えてきました。
しかし、ルウム戦役が証明したのは、モビルスーツの性能だけではないと思います。
それは、戦争における常識の危うさです。
連邦軍は、巨大戦艦による艦隊戦を重視していました。
強力な主砲。
厚い装甲。
多数の艦艇。
これらは、従来の戦争では非常に合理的な戦力だったはずです。
しかし、ミノフスキー粒子とモビルスーツという新しい技術が登場したことで、その合理性が揺らぎました。
昨日まで正しかった戦術が、今日も正しいとは限らない。
これは、現実の軍事史でも繰り返されてきたことです。
戦艦。
航空機。
潜水艦。
ミサイル。
無人機。
新しい技術が登場するたびに、戦場の常識は変化してきました。
そして、その変化に対応できなかった軍隊は、大きな損害を受けてきたのです。
ルウム戦役は、ガンダムという架空の歴史を通して、そのことを描いているように感じます。
■しめ
ルウム戦役。
宇宙世紀0079年1月15日。
地球連邦軍とジオン公国軍が激突した、大規模な宇宙艦隊決戦です。
シャア・アズナブルは、5隻の艦艇を撃沈し、赤い彗星の名を轟かせました。
黒い三連星は、レビル将軍を捕虜にするという大戦果を挙げました。
ドズル・ザビは、モビルスーツを戦場で活用し、ジオン軍の勝利を支えました。
そして『THE ORIGIN』のランバ・ラルは、自らの信念によって重要な戦いから遠ざかることになりました。
同じ戦争。
同じジオン軍。
しかし、それぞれの人物が歩んだ道は異なります。
そして、何より重要なのは、モビルスーツという新兵器が宇宙戦争の常識を変えたことです。
巨大戦艦が主役だった戦場に、小さな人型兵器が現れた。
その兵器が、強力な艦隊を相手に大きな戦果を挙げた。
それまでの戦術や兵器運用を、根本から見直さなければならなくなったのです。
今回、僕がたどり着いた結論はこれです。
ルウム戦役とは、ジオン軍が連邦軍に勝利した戦いであると同時に、モビルスーツという兵器が宇宙戦争の主役へ躍り出た歴史的な転換点だった。
そして、その戦場で生まれた赤い彗星の伝説は、後の宇宙世紀へと語り継がれていきます。
……。
ちなみに、僕がもし連邦軍のサラミス級に乗っていたら。
艦橋で敵影を確認。
「敵モビルスーツ接近!」
赤いザクが猛スピードで近づいてくる。
「主砲、照準!」
……。
いや、無理でしょう。
あんな速さで動く18メートルの機械を、巨大戦艦の主砲で狙うなんて。
しかも、相手はシャア・アズナブル。
僕なら、戦闘開始前に退艦の準備をしているかもしれません(笑)。
今日はここまで。それでは、また別のお話で。