~ガンダムを動かすのはパイロット。でも、帰還できるかを左右するのは誰だ?~
おはこんにちは。どうも僕です。
ガンダムを観ていると、どうしてもパイロットに目が向きます。
アムロ・レイ。
シャア・アズナブル。
カミーユ・ビダン。
ジュドー・アーシタ。
彼らがモビルスーツに乗り込み、戦場へ出ていく。
敵を撃破する。
仲間を守る。
そして、時には命を落とす。
でも、そんな戦闘シーンを観ていて、ふと思うことがあります。
そのモビルスーツ、本当に整備は大丈夫なの?
ビームライフルが撃てない。
スラスターが動かない。
関節が故障する。
そんなことが戦闘中に起これば、パイロットの命に直結します。
では、整備兵はどこまで責任を負うのでしょうか。
今日は、ガンダムの世界を少し違う角度から考えてみます。
■モビルスーツは、整備しなければ動かない
モビルスーツは巨大な機械です。
全高18メートル前後。
重量数十トン。
複雑な関節構造。
推進装置。
電子機器。
武装。
これだけの装備を持つ機械が、整備なしで動き続けられるとは考えにくい。
現実の航空機でも、飛行前後にはさまざまな点検が行われます。
機体の状態。
燃料。
油圧系統。
電子機器。
エンジン。
安全に飛行するためには、細かな確認が必要です。
モビルスーツも同じでしょう。
しかも、戦闘では機体に大きな負担がかかります。
急加速。
急減速。
着地時の衝撃。
武器の反動。
被弾による損傷。
そう考えると、モビルスーツの整備は相当大変な仕事になりそうです。
■整備兵のミスは、パイロットの命を奪う
例えば、ザクの脚部関節に不具合があったとします。
整備兵がそれを見逃した。
そして、戦闘中に関節が故障する。
ザクが転倒する。
敵に撃破される。
この場合、責任は誰にあるのでしょうか。
パイロットでしょうか。
整備兵でしょうか。
それとも、機体を設計した技術者でしょうか。
現実の事故調査では、単純に一人のミスだけで原因を説明できないことがあります。
整備手順に問題があった。
点検時間が不足していた。
交換部品が足りなかった。
設計上の欠陥があった。
複数の要因が重なって事故につながることもあります。
つまり、整備兵だけを責めればよいわけではありません。
機体の故障は、個人のミスではなく、組織全体の問題かもしれない。
ここが、今回考えたいところです。
■戦争中に、完璧な整備なんてできるのか?
一年戦争のような大規模な戦争では、モビルスーツが次々と出撃します。
帰還する。
補給する。
修理する。
再び出撃する。
その繰り返しです。
しかし、整備には時間が必要です。
損傷した装甲を交換する。
関節を点検する。
推進装置を確認する。
武装を整える。
すべてを完璧に行おうとすれば、かなりの時間がかかるでしょう。
でも、戦場では敵が待ってくれるわけではありません。
「あと三時間で整備が終わります」
そんなことを言っている間に、敵が攻めてくるかもしれない。
そこで、整備兵は判断を迫られます。
どこまで修理するのか。
どの部品を交換するのか。
どの不具合なら許容できるのか。
そして、いつ出撃可能と判断するのか。
完璧な整備を目指すことと、必要な戦力を確保することは、必ずしも一致しない。
戦時中の整備には、そんな難しさがあると思います。
■パイロットは、整備兵を信頼するしかない
ここで、パイロットの立場になってみます。
出撃前。
整備兵が機体の最終確認をしている。
パイロットはコックピットへ乗り込む。
そして、戦場へ向かう。
このとき、パイロット自身が機体のすべてを点検することは難しいでしょう。
関節の内部。
推進装置。
電子機器。
装甲の接合部。
こうした部分は、整備兵の仕事です。
つまり、パイロットは整備兵を信頼して出撃するしかありません。
これは、現実の航空機でも同じです。
パイロットが安全に飛行できるのは、機体を整備する人々がいるからです。
ガンダムでも、整備兵は単なる裏方ではありません。
パイロットの命を預かる、重要な存在なんですね。
■ガンダムの整備兵は、意外と目立たない
ガンダムには、整備や補給に関わる人物が登場します。
例えば、ホワイトベースのジョブ・ジョン。
初代ガンダムでは、さまざまな任務を担うクルーの一人です。
また、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』には、整備士のニナ・パープルトン……と言いたいところですが、彼女はアナハイム・エレクトロニクスのシステムエンジニアです。
整備兵そのものとは役割が異なります。
こうした技術者や整備担当者が、モビルスーツの運用を支えています。
でも、物語の中心に立つことは多くありません。
当然かもしれません。
戦闘シーンの主役はパイロットです。
整備兵がボルトを締めている場面を、何十分も描くわけにはいかないでしょう。
ただ、現実的に考えると、そのボルト一本が命を左右する可能性もあります。
派手な戦闘の裏側には、地味だけれど重要な仕事がある。
そんなことを感じます。
■整備兵にとって、最も怖い言葉
もし僕がモビルスーツの整備兵だったら。
一番怖い言葉は、これだと思います。
「整備はまだか?」
戦況が悪化している。
出撃できる機体が足りない。
司令官が急いでいる。
パイロットも焦っている。
そんな状況で、整備を急かされる。
でも、確認すべき部分は残っている。
このとき、どう判断するのでしょうか。
安全を優先すれば、出撃が遅れる。
出撃を優先すれば、故障のリスクが高まる。
どちらを選んでも、責任が生まれます。
しかも、戦場では結果がすべてになりがちです。
無事に帰還すれば問題にならない。
故障して撃破されれば、整備が疑われる。
そんな状況も考えられます。
整備兵は、戦場に出なくても戦争の重圧を背負っている。
これは、なかなか厳しい仕事です。
■整備しやすいモビルスーツこそ、優秀なのでは?
ここで、モビルスーツの設計について考えてみます。
ガンダムの世界では、機体性能が重視されます。
出力。
推力。
装甲。
武装。
運動性能。
もちろん、どれも重要です。
でも、整備兵の立場からすれば、別の評価基準があるはずです。
部品を交換しやすいか。
故障箇所を発見しやすいか。
工具が共通化されているか。
整備に必要な時間は短いか。
補給部品は手に入りやすいか。
こうした性能です。
例えば、非常に高性能でも、整備に何日もかかる機体。
一方、性能は少し劣っていても、短時間で修理できる機体。
戦争という長期的な運用を考えれば、後者が有利になる場面もあるでしょう。
優秀な兵器とは、強い兵器であるだけでなく、使い続けられる兵器でもある。
これは、モビルスーツの評価を考えるうえで、重要な視点だと思います。
■アムロが強いのは、ガンダムが動くから
少し極端な話をしてみます。
アムロ・レイは、優れたパイロットです。
高い反応速度。
状況判断。
操縦技術。
ニュータイプとしての能力。
その強さは、作品の中で何度も描かれています。
でも、もしガンダムの右腕が動かなかったら?
ビームライフルが撃てなかったら?
スラスターが故障していたら?
どれほど優秀なパイロットでも、十分に戦うことは難しいでしょう。
つまり、アムロの強さは、アムロ一人で成立しているわけではありません。
ガンダムを開発した技術者。
整備するクルー。
補給を担当する人々。
彼らの仕事があって、初めてアムロは戦える。
英雄の活躍は、名前の残らない人々の仕事によって支えられている。
そう考えると、ガンダムの戦闘シーンも少し違って見えてきます。
■しめ
モビルスーツの整備兵は、どこまで責任を負うのか。
機体の点検。
故障の修理。
部品の交換。
出撃前の安全確認。
整備兵の仕事は、パイロットの命に直結します。
しかし、機体の故障をすべて整備兵の責任にすることはできません。
設計。
生産。
補給。
整備時間。
指揮官の判断。
さまざまな要因が関わっています。
だからこそ、整備兵の責任を考えることは、軍隊という組織の責任を考えることにもつながるのでしょう。
そして、僕は思います。
モビルスーツを戦場で動かすのはパイロット。でも、戦場へ送り出せる状態にするのは整備兵なんですね。
……。
ちなみに、僕が整備兵だったら。
出撃直前にパイロットから、
「ちょっと右膝の調子が悪いんだけど」
なんて言われたら、相当焦ると思います。
いや、それ昨日言ってくださいよ。
今からですか?
もう発進カタパルトに乗ってますよね?
……。
宇宙世紀でも、仕事の段取りって大切なんでしょうね(笑)。
今日はここまで。それでは、また別のお話で。