~ミノフスキー粒子で通信できないはずなのに、戦闘中のおしゃべりが多すぎる問題~

おはこんにちは。どうも僕です。

ガンダムを観ていると、以前から気になっていたことがあります。

モビルスーツ同士の会話です。

ビームライフルを撃つ。

ビームサーベルで斬りかかる。

敵の攻撃を回避する。

そんな激しい戦闘の最中に、パイロットたちは結構しゃべっています。

「そこか!」

「何をする!」

「貴様!」

まあ、独り言なら分かります。

問題は、その先です。

敵が返事をする。

しかも、普通に会話が成立している。

……。

ちょっと待って。敵同士なのに、いつ通信をつないだの?

今日は、そんなガンダムの戦闘中の会話について考えてみます。


■そもそも、敵の声が聞こえるのは不思議じゃない?

例えば、アムロとシャア。

互いにモビルスーツに乗り、激しく戦う。

その最中に、言葉を交わす場面があります。

でも、冷静に考えてみましょう。

モビルスーツは兵器です。

それぞれ、所属する軍隊が違います。

通信システムも、当然ながら軍事用でしょう。

普通に考えれば、味方同士で連絡を取るための通信網を使っているはずです。

そこへ敵が現れる。

そして、突然会話が始まる。

……。

どうやって?

電話番号を交換したわけでもない。

連絡先を登録したわけでもない。

「シャア・アズナブルさんから着信です」

そんな表示が出るとも思えません(笑)。

敵と話すには、何らかの通信経路が必要なはずです。


■ミノフスキー粒子は、通信を妨害する

宇宙世紀の戦闘を考えるうえで、避けて通れないのがミノフスキー粒子です。

この粒子は、一定の条件下で電波を利用した通信やレーダーに大きな影響を与えるとされています。

そのため、宇宙世紀では遠距離の索敵や誘導兵器の運用に制約が生まれ、モビルスーツによる近距離戦闘が重要になった、という設定があります。

つまり、そもそも通信が難しくなる世界なんですね。

なのに、戦闘中のパイロットたちはよくしゃべる。

しかも、相手が敵であっても。

これ、なかなか矛盾しているように見えます。

ただし、ここは少し整理が必要です。

ミノフスキー粒子があるからといって、あらゆる通信が完全に不可能になるわけではありません。

粒子の濃度や距離、通信方式などによって状況は変わります。

宇宙世紀の作品でも、通信手段がすべて失われているわけではありません。

つまり、通信しにくいことと、絶対に通信できないことは違う。

ここが、まず一つ目のポイントです。


■近距離なら、通信できるのか?

では、モビルスーツ同士が接近すれば、通信できるのでしょうか。

可能性はあります。

宇宙世紀の設定には、レーザー通信や接触通信など、電波以外の通信手段も登場します。

また、近距離であれば、通信の条件が変わる場合も考えられます。

ただし、近づけば必ず敵の声が聞こえる、という単純な話ではありません。

例えば、レーザー通信。

光を使って情報を送る方式です。

電波による通信とは性質が違います。

しかし、基本的には相手へ向けて通信する必要があります。

高速で移動しながら戦闘するモビルスーツ同士で、安定して通信するのは簡単ではなさそうです。

そして、仮に通信が届いたとしても、もう一つ問題があります。

相手は、その通信を受け取る設定になっているのか?

ここです。


■敵同士で、同じ周波数を使っているのか

軍隊の通信には、味方同士の情報を守るという目的があります。

敵に作戦を聞かれては困ります。

そのため、実際の軍用通信では、周波数の管理や暗号化などが重要になります。

では、ガンダムの世界はどうでしょう。

連邦軍とジオン軍。

所属も違えば、使用する機体も違います。

当然、通信方式や運用ルールが異なる可能性があります。

そんな相手と、いきなり会話できるのでしょうか。

考えられるのは、共通の通信チャンネルや、呼びかけ用の開放回線のような仕組みです。

ただし、すべての戦闘場面でそうした仕組みが使われていると、明確に説明されているわけではありません。

ここからは想像になりますが、もし敵味方が共通の通信手段を使えるなら、戦場では便利な場面もあるでしょう。

降伏の呼びかけ。

警告。

停戦の交渉。

捕虜の引き渡し。

こうした場面では、敵と通信できることに意味があります。

ただし、戦闘中に相手を罵倒するためだけに通信するとなると……。

それはそれで、なかなか余裕のある話です(笑)。


■接触通信なら、かなり納得できる

宇宙世紀の設定で面白いのが、接触通信です。

機体同士が接触することで、通信を行う仕組みとして描かれることがあります。

これなら、敵同士でも会話が成立する可能性があります。

例えば、モビルスーツが相手の機体に手を触れる。

あるいは、機体同士が密着する。

その状態で通信する。

これは、比較的納得しやすい。

ただ、ここでも少し疑問があります。

相手に触れる必要があるなら、通信するためにわざわざ接近しなければなりません。

しかも、敵です。

ビームサーベルを持っているかもしれない。

突然攻撃されるかもしれない。

……。

会話するために、命を懸けて握手する。

宇宙世紀のコミュニケーション、なかなか大変です。


■ニュータイプなら、話は変わってくる

さて、ガンダムには、もう一つ特殊な要素があります。

ニュータイプです。

ニュータイプ同士の感応や意思の伝達は、通常の無線通信とは別のものとして描かれています。

相手の存在を感じる。

感情が伝わる。

言葉にならない思いが届く。

こうした描写は、ガンダムという作品の大きな特徴です。

だから、ニュータイプ同士の会話のように見える場面を、すべて無線通信として考える必要はありません。

むしろ、通信機器を介さずに意思が伝わっている、と解釈した方が自然な場面もあります。

ただし、ここで問題があります。

全員がニュータイプというわけではない。

普通のパイロット同士でも、会話しているように描かれることがあります。

つまり、ニュータイプという設定だけでは、すべてを説明できないんですね。


■実は、独り言なのかもしれない

ここで、少し違う可能性を考えてみます。

戦闘中のパイロットが叫んでいる言葉。

あれは、本当に相手へ届いているのでしょうか。

例えば、

「そこだ!」

「落ちろ!」

「やらせるか!」

こうしたセリフ。

相手が返事をしていなければ、独り言と考えることもできます。

戦闘中の緊張。

恐怖。

怒り。

集中。

そうした感情が、思わず声になっている。

これは、そこまで不自然ではありません。

問題は、相手が反応しているように見える場面です。

でも、それも必ずしも通信とは限りません。

相手の行動を見て、別々に言葉を発している。

その二つのセリフを、アニメの編集によって会話のように見せている可能性もあります。

つまり、視聴者には会話に聞こえていても、作中では会話していない。

こう考えると、少し納得できる場面もあります。


■もし敵と自由に会話できたら、戦争はどう変わる?

ここで、少し想像してみます。

もし、すべてのモビルスーツが敵味方を問わず自由に会話できるとしたら。

戦場は、どうなるでしょう。

「こちら連邦軍。武器を捨てて投降しろ」

「断る!」

「では、攻撃する!」

……。

ずいぶん律儀な戦争です。

でも、実際には、もっと厄介な問題が起こるかもしれません。

敵の通信を妨害する。

偽の命令を流す。

味方のふりをする。

相手を挑発する。

位置を探る。

通信ができるということは、便利であると同時に、危険でもあります。

だからこそ、軍事通信では情報の保護が重要になるわけです。

そう考えると、ガンダムのパイロットたちが敵と気軽に話している光景は、少し不思議に見えてきます。


■でも、会話がなかったらガンダムは面白いのか

さて、ここまで技術的な疑問を並べてきました。

でも、ここで一つ考えなければいけないことがあります。

もし、ガンダムの戦闘中に会話がなかったら。

どうなるでしょう。

ビームライフルを撃つ。

回避する。

接近する。

ビームサーベルで斬り合う。

そして、決着する。

映像としては迫力があるかもしれません。

でも、ガンダムという作品の魅力は、それだけではありません。

敵にも考えがある。

敵にも守りたいものがある。

主人公とは違う正義がある。

戦闘中の会話は、そうしたものを視聴者へ伝える役割も持っています。

例えば、アムロとシャア。

二人の戦いは、単なる兵器同士の戦闘ではありません。

互いの思想。

感情。

過去。

そして、譲れないもの。

それらがぶつかり合っています。

だから、言葉が必要になる。

モビルスーツは戦っている。でも、物語を動かしているのは人間なんですね。


■ガンダムの戦闘は、兵器の戦いであり、言葉の戦いでもある

ここが、今回一番面白いところだと思います。

現実の兵器として考えれば、敵との会話は簡単ではありません。

通信方式。

暗号化。

ミノフスキー粒子。

さまざまな問題があります。

でも、ガンダムという物語では、敵同士の会話が重要な意味を持っています。

戦う理由を語る。

相手を否定する。

理解しようとする。

理解できない。

そして、また戦う。

考えてみれば、ガンダムには、戦いながら相手を理解しようとする場面がたくさんあります。

しかし、理解できたからといって、必ず戦争が終わるわけではありません。

ここが、ガンダムらしいところです。

言葉は届いているのに、思いは届かない。

通信技術の問題より、こちらの方がずっと難しいのかもしれません。


■しめ

ガンダムのパイロットは、なぜ敵と会話できるのか。

近距離通信。

レーザー通信。

接触通信。

ニュータイプの感応。

独り言。

そして、アニメとしての演出。

いろいろな可能性があります。

ただし、すべての戦闘中の会話を、一つの設定だけで説明するのは難しいと思います。

場面によって、通信している場合もあれば、そうではない場合もあるのでしょう。

そして、僕は思います。

ガンダムで本当に不思議なのは、敵と会話できることではなく、会話しているのに分かり合えないことなのかもしれない。

技術が進歩しても。

宇宙へ進出しても。

ニュータイプが現れても。

人間同士のすれ違いは、なくならない。

そう考えると、戦闘中の会話という演出も、ガンダムらしいものに思えてきます。

……。

とはいえ。

もし僕がモビルスーツのパイロットだったら、敵から突然通信が入ってきても、たぶん無視します。

だって、怖いじゃないですか。

知らない相手からの着信。

しかも、相手はビームライフルを構えている。

宇宙世紀になっても、知らない番号には出ない方がいい。

今日はここまで。それでは、また別のお話で。