~完成すると見えなくなる骨組みを、なぜ僕らは一生懸命組み立てるのか~
おはこんにちは。どうも僕です。
ガンプラを作っていると、たまに不思議に思うことがあります。
MGやRGの内部フレーム。
あれ、すごいですよね。
細かいパーツを組み合わせて、関節を作って、骨格を組み上げていく。
脚ができる。腕ができる。胴体ができる。
そして、ようやく一体の人型になる。
ここで一度、動かしてみる。
「おお、すげぇ」
まだ装甲も付いていないのに、妙にカッコいい。
ところが、その後です。
せっかく作った内部フレームに、外装パーツを取り付けていく。
パチン。
パチン。
パチン。
そして完成。
……。
あんなに頑張って作った内部フレーム、ほとんど見えなくなりました。
いや、何だったんだ、あの時間(笑)。
今日は、そんなガンプラの内部フレームについて考えてみます。
■そもそも内部フレームって何?
まず、内部フレームとは何なのか。
簡単に言えば、モビルスーツの骨格に相当する部分です。
人間でいえば骨。
自動車でいえば車体を支える構造。
建物でいえば柱や梁。
モビルスーツという巨大な機械を考えるなら、装甲の内側に身体を支える構造があるのは、むしろ自然な話です。
ただし、ガンプラの場合は少し事情が違います。
すべてのガンプラに、人間の骨格のような独立した内部フレームが必要なわけではありません。
HGなどでは、外装パーツ自体が関節や構造を支える役割を兼ねている場合もあります。
つまり、内部フレームがなくても、十分にカッコよく、よく動くガンプラは作れる。
では、なぜMGやRGでは、わざわざ骨格を作り込むのでしょうか。
■内部フレームは、ただの飾りじゃない
内部フレームには、模型としての役割があります。
例えば関節。
肩、肘、股関節、膝、足首。
それぞれをつなぎ、外装を支えながら動かす。
この仕組みをフレーム側にまとめることで、外装とは別に関節構造を設計できます。
さらに、装甲が動きに合わせてスライドする機構。
膝を曲げると、太ももや膝周辺の装甲が動く。
肩を上げると、装甲が逃げる。
こうした仕組みも、内部の構造と外装を連動させることで成立します。
もちろん、独立したフレームがなければ実現できないわけではありません。
でも、複雑な可動機構を整理するうえで、内部フレームという考え方は便利なんですね。
ただし、部品が増えれば必ず強くなるわけでもありません。
接続箇所が増えれば、緩みや組み立て精度の問題も出てきます。
内部フレームは、作り込めば作り込むほど優秀になる、という単純なものではない。
ここは面白いところです。
■MGの登場で、ガンプラの楽しみ方が変わった
1995年。
MASTER GRADE、通称MGが登場しました。
当時のガンプラを知っていると、MGというシリーズの存在は大きいと思います。
それまでのガンプラにも、関節構造や内部メカの表現はありました。
ただ、MGは1/100スケールという大きさを生かし、内部構造や可動、外装のディテールを、より本格的に楽しめるシリーズとして発展していきました。
特に印象的なのは、装甲を取り付ける前の状態まで楽しめること。
普通のプラモデルなら、途中段階は完成へ向かう通過点です。
でも、MGの内部フレームは違う。
骨組みだけでも、なんだか完成品のように見える。
ここがすごい。
ただし、初期のMGから現在のような全身フレーム構造が一律に採用されていたわけではありません。
内部構造の作り込みも、シリーズの歴史とともに進化してきました。
つまりMGは、ガンプラの完成度だけでなく、組み立てる途中の面白さまで広げてきたんだと思います。
■RGは、あの小ささで骨格まで作る
そしてRG。
僕が好きなシリーズです。
1/144スケール。
昔の300円のガンプラと、基本的には同じスケールです。
ところが、中身はまるで違う。
細かな関節。
外装の分割。
可動機構。
内部構造。
あの小さな身体に、これでもかと技術を詰め込んでいます。
初期RGでは、アドヴァンスドMSジョイントという成形技術を生かした関節構造が大きな特徴でした。
一方、近年のRGでは、機体に応じて組み立て式の関節やフレーム構造を積極的に採用しています。
つまり、RGの内部構造もずっと同じではありません。
νガンダム。
ジオング。
ユニコーン。
Ζガンダム。
同じRGでも、構造の考え方はそれぞれ違います。
特にΖガンダム。
変形機構まで成立させなければならない。
外装を取り付ければ終わり、というわけにはいきません。
あのサイズで変形と可動を両立させようとする。
設計者の苦労を想像すると、ちょっと気が遠くなります。
僕なら途中で、
「もうウェイブライダー専用キットにしません?」
と言ってしまいそうです(笑)。
■でも、内部フレームがなくても良いガンプラは作れる
ここで、ちょっと意地悪な疑問です。
内部フレームがないガンプラは、劣っているのか。
そんなことはありません。
HGには、素晴らしいキットがたくさんあります。
部品数を抑えながら、プロポーションも可動も成立させる。
組み立てやすく、価格も比較的抑えられる。
むしろ、これはこれで高度な設計です。
内部フレームを細かく作り込むのも技術。
内部フレームを簡略化して、少ない部品で同じような動きを実現するのも技術。
どちらが上、という話ではないんですね。
例えば、短時間で気軽に組みたいなら、複雑な骨格は必要ないかもしれません。
逆に、モビルスーツを一から組み上げる感覚を味わいたいなら、内部フレームは大きな魅力になります。
必要なのは内部フレームそのものではなく、そのキットで何を楽しませたいか。
ここが重要なんだと思います。
■完成すると見えないのに、なぜ作り込む?
さて、本題です。
内部フレーム。
完成すると、ほとんど見えません。
それなのに、なぜあそこまで作り込むのか。
一つは、可動や構造を成立させるため。
これは分かります。
でも、もう一つあると思うんです。
僕らが、作る過程そのものを楽しんでいるから。
例えば、脚の内部フレーム。
最初は、ただのパーツです。
関節を組む。
太ももの構造を作る。
膝をつなぐ。
すねを組み立てる。
足首を取り付ける。
一本の脚になる。
ここで膝を曲げる。
ちゃんと動く。
この瞬間。
楽しくないですか?
まだ装甲を付けていないのに、もう満足しかけている(笑)。
そして外装を取り付けると、今度はモビルスーツらしい姿になる。
つまり、内部フレームがあるガンプラは、ある意味で二回完成するんです。
骨格として一回。モビルスーツとしてもう一回。
これは、内部フレームを持つキットならではの楽しさだと思います。
■見えない部分を作るという贅沢
少し考えてみると、ガンプラの内部フレームって贅沢です。
完成すると見えない。
でも、そこまで作り込む。
これ、実物の機械とは目的が違います。
本物の機械なら、内部構造は機能を成立させるために存在します。
見た目のために複雑にする必要はありません。
むしろ、部品は少ない方が整備しやすい場合もある。
ところがガンプラでは、内部フレームのディテールそのものが商品価値になります。
シリンダーのような造形。
配管を思わせるモールド。
関節周辺の細かな部品。
本当に動力を伝えているわけではない部分まで、機械らしく表現されている。
これが面白い。
機能を再現するための構造と、機能がありそうに見せるための造形。
その両方が混ざっているんですね。
だから内部フレームを眺めていると、つい想像してしまう。
ここに油圧が通っているのかな。
ここが駆動部分かな。
このシリンダーは何を動かしているんだろう。
もちろん、実際のキットの構造と、作品世界のMS設定が完全に一致するわけではありません。
でも、そこを想像するのが楽しい。
ガンプラって、そういう趣味でもあると思います。
■外装を付けるのが、ちょっと惜しい
そして、僕が一番不思議に思う瞬間。
内部フレームが完成する。
机の上に立たせる。
動かしてみる。
眺める。
「カッコいいな」
さて、外装を付けるか。
……。
ちょっと、もったいない。
せっかく作ったのに。
隠しちゃうの?
と思う(笑)。
でも、外装を付けないとガンダムにならない。
νガンダムにもならない。
ユニコーンにもならない。
だから付ける。
すると、あれだけ見えていた骨格が消えていく。
なんとも不思議な気分です。
ただ、内部フレームを作った経験があると、完成後の見方も少し変わります。
膝を曲げる。
「ああ、あの関節が動いているんだな」
肩を上げる。
「あそこに引き出し機構があったな」
外から見えなくても、中身を知っている。
これも、ガンプラを組み立てた人だけが味わえる楽しさです。
■内部フレームがあると、MSが少しだけ本物に近づく
完成品のガンプラを眺める。
外から見れば、プラスチックの模型です。
でも、内部フレームを組んだ後だと、ちょっと違って見えます。
装甲の下に骨格がある。
関節がある。
機械としての構造がある。
そんなことを知っているからです。
特に宇宙世紀のモビルスーツ。
ムーバブル・フレームという設定があります。
これは『Ζガンダム』の時代に重要になる、機体の骨格と可動機構に関わる考え方です。
もちろん、ガンプラの内部フレームと、劇中設定のムーバブル・フレームは同じ意味ではありません。
ただ、骨格に装甲を取り付けるという模型の組み立て方は、モビルスーツを一つの機械として想像する楽しさにつながっています。
ただのキャラクター模型から、架空の兵器を組み立てているような感覚へ。
この違いは大きいと思います。
■内部フレームは、作り手へのご褒美なのかもしれない
では、結局。
ガンプラに内部フレームは必要なのか。
模型として動かすだけなら、必ずしも必要ではありません。
独立した全身フレームがなくても、よく動くキットは作れます。
むしろ、構造を簡略化することで、作りやすさや価格面で有利になることもあります。
でも、MGやRGのように、組み立てそのものを深く楽しむシリーズでは、内部フレームに大きな意味がある。
骨格を作る。
動かす。
機械としての仕組みを想像する。
その上から装甲を取り付ける。
そして完成する。
つまり、内部フレームは、完成したガンプラのためだけにあるわけではない。
ガンプラを作っている僕らのためにも、存在している。
そんな気がします。
■しめ
ガンプラの内部フレーム。
完成すると、ほとんど見えなくなります。
なのに、細かいパーツを組み合わせて、一生懸命作る。
冷静に考えると、少し不思議です。
でも、僕は好きです。
骨格だけの状態で立たせる。
関節を動かす。
「おお、ちゃんと動く」
と感心する。
そして、外装を付ける。
さっきまで見えていた内部構造が、少しずつ隠れていく。
でも、不思議と無駄だったとは思わない。
なぜなら、その中身を自分で組み立てたことを知っているから。
見えなくなっても、作った時間まで消えるわけじゃない。
これが、内部フレームの一番の魅力なのかもしれません。
……。
とはいえ。
あれだけ頑張って作った内部フレーム。
せめて完成後も、もう少し見せてくれてもいいんじゃないでしょうか。
設計者さん(笑)。
今日はここまで。それでは、また別のお話で。