~あんなに長い角を頭に付ける必要はあるのか~
おはこんにちは。どうも僕です。
ガンダムの顔。
白いフェイス。
ツインアイ。
赤い顎。
そして、
V字アンテナ。
ガンダムをガンダムたらしめる、
ものすごく重要なパーツです。
でも、
この前、
頭部バルカンの記事を書いていて、
ふと思いました。
戦闘兵器の頭に、
あんな長いアンテナを付けて、
折れないの?
MSは、
格闘戦をする。
爆発にも巻き込まれる。
建物にも突っ込む。
宇宙では、
デブリも飛んでくる。
なのに、
頭の一番高いところから、
細長い棒が、
左右へ伸びている。
今回は、
ガンダムのV字アンテナについて、
真面目に考えてみます。
■まず、あれは単なる「角」ではない
ガンダムの頭についている、
黄色いV字型のパーツ。
見た目としては、
完全に角です。
でも、
設定上は、
アンテナ。
つまり、
通信やセンサー系に関係する装備です。
MSは、
単独で戦うわけではありません。
僚機。
母艦。
管制。
各種データ。
戦場では、
情報をやり取りする必要があります。
そのため、
頭部には、
カメラ。
センサー。
通信装置。
アンテナ。
いろいろな装置が集中する。
以前、
「MSに頭は必要なのか」
という記事を書きました。
頭は、
MSのセンサーユニットとして、
非常に都合のいい場所です。
高い。
視界がいい。
首が動く。
だから、
アンテナを置く場所としても、
理にかなっている。
■でも、なぜV字なのか
ここで、
もう一つ疑問。
アンテナなら、
一本でいいんじゃない?
ザクを見る。
指揮官機には、
一本角。
ガンダム。
左右へ、
大きくV字。
なぜ。
ここは、
機能だけでは説明しきれません。
ガンダムという作品にとって、
V字アンテナは、
「ガンダムの顔」を成立させるデザイン
でもあるからです。
■そもそもガンダムの顔は「ヒーロー」の顔
RX-78-2。
今見ると、
兵器として、
かなり独特です。
白。
青。
赤。
黄色。
そして、
V字アンテナ。
現実の戦車なら、
もう少し、
目立たない色にしたくなる。
でも、
ガンダムは、
アニメーション作品の主役機。
一目見て、
主人公だと分からなければならない。
だから、
顔がある。
目がある。
角がある。
特に、
V字アンテナ。
これがあるだけで、
シルエットが、
一気に「ガンダム」になります。
■戦場では、普通に邪魔そう
では、
宇宙世紀の兵器として考えます。
やっぱり、
邪魔そうです。
例えば、
森林。
市街地。
艦内。
整備ハンガー。
狭い場所を移動する。
頭の左右から、
細長いアンテナが出ている。
引っ掛けそう。
さらに、
格闘戦。
ザクが殴る。
ヒート・ホークが飛んでくる。
爆風を受ける。
デブリに当たる。
当然、
破損する可能性があります。
実際、
ガンダムシリーズでは、
頭部アンテナが折れたり、
損傷したりする描写もあります。
つまり、
絶対に壊れないパーツではない。
■だったら、もっと太くすればいい?
では、
アンテナを、
ものすごく太くする。
頑丈。
折れにくい。
でも、
今度は、
重くなる。
頭部重量が増える。
首への負担も増える。
そして、
アンテナとして必要な形状との兼ね合いもある。
さらに、
あまり頑丈にしすぎると、
別の問題が出るかもしれません。
何かに引っ掛かった時、
アンテナが折れず、
頭部そのものへ力が伝わる。
だったら、
アンテナ側が壊れた方が、
まだマシ。
これ、
機械ではよくあります。
■「壊れることで本体を守る」という考え方
例えば、
車。
強い衝撃を受けた時、
すべてを硬くすれば安全、
というわけではありません。
壊れる部分。
変形する部分。
力を逃がす部分。
そういうものを、
あえて作る。
アンテナも、
同じ考え方ができます。
絶対に折れないアンテナ。
ではなく、
大きな衝撃を受けたら、
アンテナが先に壊れる。
そうすれば、
頭部フレームや、
内部の精密機器へ、
すべての力を伝えずに済む。
もちろん、
ガンダムのV字アンテナが、
明確に「クラッシャブル構造」と設定されている、
という意味ではありません。
ここは、
あくまで、
工学的に考えた場合の話。
でも、
兵器として考えるなら、
あり得る設計思想です。
■アンテナが折れても、ガンダムは動ける
ここも、
以前の、
「頭は必要なのか」
という記事につながります。
ガンダムは、
頭部を失っても、
機体そのものは動ける。
有名な、
「たかがメインカメラをやられただけだ!」
ですね。
つまり、
V字アンテナが折れたから、
即、
行動不能。
とは考えにくい。
通信能力。
センサー能力。
何らかの機能低下は考えられる。
でも、
MSそのものを動かす、
ジェネレーターや、
主要な駆動系は、
胴体側にある。
だから、
アンテナは重要。
でも、
絶対に壊れてはいけない最重要構造物ではない。
このくらいの位置づけが、
ちょうどよさそうです。
■そしてザクの「角」とは意味が違う
面白いのが、
ザク。
シャア専用ザクなど、
指揮官機には、
頭部にブレードアンテナがあります。
こちらも、
頭の上。
そして、
目立つ。
でも、
ガンダムのV字アンテナとは、
見た目の意味が違います。
ザクの角。
指揮官機。
隊長。
特別な機体。
ガンダムのV字。
主人公機。
高性能機。
ガンダムという存在そのもの。
同じアンテナでも、
機体のキャラクターを伝える記号
になっている。
兵器なのに、
一目で役割が分かる。
アニメとしては、
ものすごく優秀なデザインです。
■そしてV字アンテナは「ガンダムの遺伝子」になる
RX-78-2で生まれた、
V字アンテナ。
その後、
Ζガンダム。
ZZガンダム。
νガンダム。
F91。
Vガンダム。
そして、
宇宙世紀以外の、
さまざまなガンダム。
形は違う。
角度も違う。
本数も違う。
でも、
V字の意匠を見るだけで、
僕らは、
「あ、ガンダムだ」
と分かる。
これ、
すごいことです。
本来は、
アンテナという機械部品。
それが、
いつの間にか、
ガンダムという存在を示す紋章
になっている。
■ガンプラでは、もっと折れやすい
そして、
現実世界。
戦場より、
ある意味危険です。
ガンプラ。
V字アンテナ。
……。
折れる。
箱から出す。
ランナーから切る。
ゲート処理する。
ヤスリをかける。
組み立てる。
そして、
手が滑る。
ポキッ。
……。
戦場では、
ビーム・ライフル。
ヒート・ホーク。
爆風。
ガンプラでは、
掃除機。
たぶん、
一番怖い。
■安全フラッグという現実世界のアンテナ問題
ガンプラでは、
V字アンテナの先端が、
少し太くなっていることがあります。
いわゆる、
安全フラッグ。
尖ったアンテナで、
怪我をしないための形状です。
設定上のRX-78-2には、
もちろん、
そんなものはありません。
だから、
リアルに仕上げたい場合、
削る。
すると、
尖る。
カッコいい。
そして、
さらに折れやすくなる。
僕らは、
自分から、
ガンダムのアンテナを、
戦場仕様にして、
弱くしている(笑)。
■では、V字アンテナは必要なのか
機能だけで考えれば、
もっと小さくできるかもしれない。
別の場所へ、
アンテナを配置できるかもしれない。
装甲内部へ、
ある程度収める方法もあるでしょう。
だから、
あの巨大なV字形状が、
工学的に絶対必要なのか。
そこまで言うのは難しい。
でも、
ガンダムというMSにとっては、
必要だった。
通信・センサー系の装備。
そして、
視覚的な識別。
さらに、
後のガンダムタイプへ受け継がれる、
象徴。
つまり、
V字アンテナには、
宇宙世紀の機械としての役割と、作品としての役割の両方がある。
僕は、
そう考えると、
一番しっくりきます。
■しめ
ガンダムの、
V字アンテナ。
戦場で、
折れないのか。
答え。
たぶん、折れます。
細い。
長い。
頭部の一番高い場所。
戦闘兵器として考えれば、
破損リスクは、
当然ある。
でも、
だからといって、
ガンダムが動けなくなるわけではない。
そして、
アンテナには、
通信やセンサー系の役割がある。
さらに、
僕らの世界では、
もっと重要な仕事をしています。
ガンダムを、
「ガンダム」にすること。
白い顔。
ツインアイ。
赤い顎。
そして、
V字アンテナ。
これが揃う。
ガンダムです。
そう考えると、
あの細い二本のアンテナ。
MSの装備として以上に、
ものすごく大きな仕事をしているのかもしれません。
ただし、
ガンプラを作る時だけは、
その大切さを忘れずに。
床へ落とした瞬間、
宇宙世紀で最も恐ろしい兵器。
掃除機が出撃します。
今日はここまで。それでは、また別のお話で。