~数字が大きいほど強いなら、ZZガンダムが最強なのか~

おはこんにちは。どうも僕です。

ガンダムのMS設定を見ていると、

よく出てくる数字があります。

全高。

本体重量。

スラスター総推力。

センサー有効半径。

そして、

ジェネレーター出力。

RX-78-2 ガンダム。

1,380kW。

Ζガンダム。

2,020kW。

νガンダム。

2,980kW。

そして、

ZZガンダム。

7,340kW。

……。

ZZ、

高すぎない?

数字だけ見れば、

初代ガンダムの5倍以上。

νガンダムと比べても、

2倍以上あります。

だったら、

ZZガンダムはνガンダムより、

2倍以上強いのか。

もちろん、

そんな単純な話ではありません。

そもそも、

この「ジェネレーター出力」という数字は、

何を表しているのか。

今回は、

MSのスペック表ではお馴染みなのに、

意外と分かりにくい、

ジェネレーター出力

について考えてみます。


■そもそもMSのジェネレーターって何?

宇宙世紀のモビルスーツでは、

熱核反応炉を動力源として利用する機体が一般的です。

そこで得られたエネルギーを、

MSは機体各部で利用します。

駆動系。

センサー。

コンピューター。

生命維持装置。

各種制御装置。

そして、

ビーム兵器など。

18mを超える巨大な機械を動かすわけですから、

当然、

莫大なエネルギーが必要になる。

そのエネルギー供給能力を知る一つの目安が、

スペック表にある、

ジェネレーター出力。

単位は、

kW。

キロワットです。


■kWは「エネルギーの量」ではなく「出力」

ここ、

少しだけ物理の話。

kWは、

エネルギーをどれだけ貯めているか、

という数字ではありません。

単位時間あたりに、どれだけのエネルギーを供給できるか。

つまり、

仕事率。

「どれだけ大きな仕事を継続して行えるか」

を見る数字です。

だから、

ジェネレーター出力が大きければ、

大量のエネルギーを必要とする装備を、

動かしやすくなる。

ただし、

ここで一つ。

ジェネレーター出力=MSの馬力

と考えると、

少し違ってきます。


■RX-78-2は1,380kW

まず、

RX-78-2 ガンダム。

ジェネレーター出力、

1,380kW。

一年戦争当時としては、

高性能なMSです。

ガンダムが画期的だった理由の一つが、

MSサイズで、

強力なビーム兵器を実用化したこと。

ビーム・ライフルです。

ただし、

ここで注意。

ビーム・ライフルを一発撃つたびに、

ガンダム本体のジェネレーターが、

発射エネルギーをゼロから全部作っている、

という単純な構造ではありません。

RX-78-2のビーム・ライフルには、

E-CAP(エネルギーCAP)

が使われています。

あらかじめ縮退寸前のミノフスキー粒子を蓄えておき、

機体側から供給されるエネルギーによって、

ビームを発射する。

つまり、

ジェネレーター出力とビーム兵器の威力は、

単純な一対一の関係ではない。

ここ、

かなり重要です。


■Ζガンダムは2,020kW

U.C.0087。

Ζガンダム。

2,020kW。

RX-78-2から、

約1.46倍。

でも、

Ζガンダムは、

単純にガンダムより、

1.46倍強いわけではない。

機体そのものが、

大きく変わっています。

ムーバブル・フレーム。

可変機構。

高性能センサー。

高出力ビーム兵器。

複雑な制御システム。

MSができること自体が、

一年戦争時代より増えている。

つまり、

ジェネレーター出力の増加は、

「強さが増えた数字」というより、

機体が要求するエネルギーが増えた結果

とも見ることができます。


■そしてZZガンダム、7,340kW

ここで、

ZZガンダム。

7,340kW。

一気に跳ね上がります。

RX-78-2の、

5倍以上。

Ζガンダムの、

3倍以上。

でも、

ZZを見ると、

何となく納得できます。

ダブル・ビーム・ライフル。

ダブル・キャノン。

ハイ・メガ・キャノン。

変形。

分離。

合体。

巨大なバックパック。

とにかく、

やることが多い。

しかも、

高出力ビーム兵器を、

これでもかと搭載している。

第四世代MSらしい、

大火力・高機能・全部載せ。

その結果として、

大きなエネルギー供給能力が必要になる。

だから、

7,340kW。


■では、νガンダムは?

そして、

面白いのが、

U.C.0093。

νガンダム。

ZZより、

後の時代に作られたMSです。

アムロ・レイ専用に開発された、

高性能ガンダム。

ところが、

ジェネレーター出力は、

2,980kW。

ZZの、

半分以下。

では、

νガンダムは、

ZZより性能が低いのか。

もちろん、

そういう意味ではありません。

ここが、

今回の記事で、

一番書きたかったところです。


■ジェネレーター出力=戦闘力ではない

MSの性能を決めるものは、

ジェネレーターだけではありません。

重量。

推力。

姿勢制御能力。

フレーム。

装甲。

センサー。

武装。

運動性能。

制御システム。

そして、

パイロット。

それらを、

どう組み合わせるか。

ジェネレーターは、

MSを構成する要素の一つです。

だから、

7,340kWのMSが2,980kWのMSより強いとは限らない。

車で考えると、

少し分かりやすい。


■大型トラックとスポーツカー

例えば、

大型トラック。

大きなエンジン。

大きな出力。

でも、

スポーツカーより速いとは限りません。

なぜか。

車体が重い。

用途が違う。

駆動系が違う。

ギア比が違う。

そもそも、

求められている仕事が違う。

逆に、

軽い車体なら、

それほど巨大なエンジンがなくても、

高い運動性能を得られる。

MSも、

似ています。

重要なのは、

「どれだけエネルギーを作れるか」だけではなく、「何のために使うのか」。


■ZZは「ものすごく作って、ものすごく使う」

そう考えると、

ZZの7,340kWが、

違って見えてきます。

ジェネレーター出力が高い。

だから、

強い。

もちろん、

大出力を利用した強力な兵装は、

ZZの大きな武器です。

でも、

逆から見ることもできます。

それだけの出力がなければ、ZZというMSを成立させにくい。

高出力ビーム兵器。

複雑な機構。

大型バックパック。

変形・分離・合体。

つまり、

ZZは、

大量のエネルギーを供給できるMSであると同時に、

大量のエネルギーを必要とするMS。

この見方、

結構好きです。


■νガンダムは、そもそも設計思想が違う

一方、

νガンダム。

2,980kW。

ZZほど高くない。

でも、

νガンダムは、

ZZと同じ方向を目指したMSではありません。

ハイ・メガ・キャノンを中心とした、

超大火力機でもない。

フィン・ファンネル。

ビーム・ライフル。

ビーム・サーベル。

高い運動性能。

そして、

サイコフレーム。

アムロが実戦で扱うことを前提として、

高いレベルでまとめられたMSです。

つまり、

ZZとνガンダムでは、

ジェネレーターへ求められている仕事そのものが違う。

ここを無視して、

数字だけ比べても、

意味がない。


■高出力には、当然デメリットもある

だったら、

全MSへ、

10,000kWくらいのジェネレーターを積めばいい。

……とはならない。

高出力化すれば、

当然、

別の問題が出ます。

大型化。

重量。

発熱。

冷却。

スペース。

エネルギー伝達系。

整備性。

コスト。

ジェネレーターだけ大きくしても、

その周囲のシステムが対応できなければ、

意味がありません。

むしろ、

必要以上の出力は、

機体全体から見れば、

負担になる可能性もある。

必要な出力を、必要なサイズで持つ。

兵器なら、

こちらの方が重要です。


■サイコガンダムを見ると、さらに分かりやすい

極端な例。

サイコガンダム。

ジェネレーター出力、

33,600kW。

桁が違います。

RX-78-2の、

約24倍。

じゃあ、

サイコガンダムは、

ガンダム24機分強いのか。

そんなわけではありません。

サイコガンダムは、

全高40m級。

巨大な機体。

変形機構。

多数のビーム兵器。

サイコミュ関連システム。

そもそも、

動かさなければならないものが、

普通のMSとは違う。

だから、

大出力が必要になる。

数字が巨大なのは、機体が巨大だからでもある。


■ジェネレーター出力と「速さ」は別

ここも、

スペック表を見る時に、

混同しやすい。

ジェネレーター出力が高い。

だから、

速い。

これは、

必ずしも成立しません。

宇宙空間でMSを加速させるのは、

スラスター。

そして、

加速性能には、

機体重量も関係する。

大きな推力があっても、

ものすごく重ければ、

その分、

加速しにくい。

逆に、

比較的小さな推力でも、

軽い機体なら、

高い運動性能を得られる場合がある。

だから、

機動性を考えるなら、

ジェネレーター出力だけではなく、

推力と重量も見る必要がある。


■ジェネレーター出力と「腕力」も同じ

では、

出力が高ければ、

MSの腕力も強いのか。

これも、

単純ではありません。

もちろん、

腕や脚を動かすには、

エネルギーが必要です。

だから、

無関係ではない。

でも、

実際にどれだけの力を出せるかは、

アクチュエーター。

フレーム。

関節。

構造強度。

制御システム。

さまざまな要素で決まる。

発電能力だけ高くても、

関節が耐えられなければ、

意味がない。

人間で言えば、

心肺能力だけ上げても、筋肉まで自動的に強くなるわけではない。

そんな感じです。


■ジェネレーターは「心臓」より「発電所」に近い?

MSのジェネレーターを、

よく、

「心臓」

と表現します。

僕も、

このブログで使います。

イメージとしては、

すごく分かりやすい。

でも、

ジェネレーター出力を考えるなら、

もう一つの例えがあります。

発電所。

巨大な発電所を持っていても、

その電力を、

何へ送るのか。

工場。

住宅。

鉄道。

データセンター。

用途が違えば、

必要な設備も違う。

MSも同じ。

ジェネレーターから供給されるエネルギーを、

武器へ使うのか。

駆動系へ使うのか。

センサーへ使うのか。

複雑な機体システムへ使うのか。

そこで、

MSの性格が変わってくる。


■スペック表は「一つの数字」だけ見ない

昔の僕なら、

スペック表を見る。

ジェネレーター出力。

数字が大きい。

強い。

たぶん、

そんな見方をしていました。

でも、

今なら、

もう一歩見たい。

なぜ、

このMSには、

この出力が必要なのか。

武装は?

重量は?

推力は?

可変機なのか?

大型機なのか?

高火力機なのか?

量産機なのか?

そこまで見ると、

スペック表から、

MSの設計思想

が見えてくる。


■数字を並べると、性格が見える

代表的な機体を、

もう一度並べます。

RX-78-2 ガンダム。

1,380kW。

一年戦争時代の高性能機。

Ζガンダム。

2,020kW。

可変機構を備えた、

高性能MS。

ZZガンダム。

7,340kW。

大火力。

高機能。

大出力。

νガンダム。

2,980kW。

ZZとは違う思想でまとめられた、

高性能機。

サイコガンダム。

33,600kW。

巨大機体。

大量のビーム兵器。

変形機構。

数字だけでも、

そのMSが、

何をするための機体なのか

が少し見えてきます。


■だから僕はZZの7,340kWが好き

そして、

個人的には、

やっぱりZZ。

7,340kW。

この数字、

ものすごくZZらしい。

高火力。

変形。

分離。

合体。

ハイ・メガ・キャノン。

ダブル・ビーム・ライフル。

とにかく、

積む。

そして、

使う。

必要だから、

ジェネレーターも大出力。

効率がいいのか。

合理的なのか。

それは、

また別の話。

でも、

「全部やりたいから、全部載せる」

という、

ZZの設計思想が、

7,340kWという数字からも見えてくる気がします。

一方、

νガンダム。

2,980kW。

必要な性能を、

高いレベルでまとめる。

これもまた、

νガンダムらしい。

数字の大小ではなく、

数字の理由を見る。

こっちの方が、

ずっと面白い。


■しめ

モビルスーツの、

ジェネレーター出力。

数字が大きければ、

強いのか。

答えは、

必ずしも、そうではありません。

ジェネレーター出力は、

そのMSが、

単位時間あたりに、

どれだけ大きなエネルギーを供給できるのかを見る、

重要なスペックの一つ。

高出力なら、

高出力ビーム兵器。

複雑なシステム。

大型機器。

そうした装備を運用しやすくなる。

でも、

それだけで、

MSの性能は決まらない。

重量。

推力。

運動性。

フレーム。

武装。

センサー。

制御システム。

そして、

パイロット。

全部が組み合わさって、

一機のMSになる。

だから、

ZZガンダムの7,340kWは、

νガンダムの2,980kWより、

「強い数字」ではない。

むしろ、

「ZZというMSが、どれだけ大きなエネルギーを必要とする設計なのか」

を表している。

そう考えると、

僕には、

ものすごくしっくりきます。

次にガンプラの説明書を開いたら、

ジェネレーター出力を、

ちょっと見てみてください。

数字が大きい。

小さい。

だけではなく、

「こいつ、この出力を何に使ってるんだ?」

そう考えてみる。

たった一つの数字から、

そのMSの設計思想まで、

見えてくるかもしれません。

今日はここまで。それでは、また別のお話で。