~ザクが撃破されるたびに核爆発していたら戦場はどうなる~
おはこんにちは。どうも僕です。
前回、
メッサーに搭載されている、
ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉
について書きました。
MSの胸の中では、
核融合反応が起きている。
そう考えると、
次に気になることがあります。
ガンダムを見ていると、
モビルスーツ。
めちゃくちゃ爆発します。
撃たれる。
爆発。
斬られる。
爆発。
ビームが刺さる。
爆発。
そこで、
ふと思いました。
待てよ。
こいつら、
核融合炉を積んでるんだよな?
だったら、
MSが撃破されるたびに、
核爆発しているのか?
今回は、
ずっと気になっていた、
MSの「爆発」について考えてみます。
■まず、核分裂と核融合は違う
ここ、
最初に整理します。
「核」と付くので、
どうしても、
核融合炉が壊れる。
↓
原爆みたいに爆発する。
そんなイメージを持ってしまいます。
でも、
核分裂と核融合は、
仕組みが違います。
原子力発電などで使われる核分裂は、
ウランなどの重い原子核が分裂することで、
エネルギーを取り出します。
一方、
核融合。
こちらは、
軽い原子核同士を融合させる。
太陽が輝いている、
あの反応です。
つまり、
「核」という文字は同じでも、
中身はかなり違う。
■核融合炉は「壊れたら勝手に止まる」方向
核融合を続けるには、
かなり特殊な環境が必要です。
超高温。
プラズマ。
そして、
それを閉じ込める仕組み。
前回書いた、
ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉なら、
Iフィールドなどを使って、
核融合反応を成立させている。
では、
その装置が壊れたらどうなるか。
基本的な考え方としては、
核融合を維持する条件そのものが崩れる。
つまり、
反応が止まる。
少なくとも、
「炉が壊れたから、そのまま核兵器になる」
という単純な話ではありません。
ここ、
僕も昔は勘違いしていました。
■じゃあ、なんでザクはあんなに爆発するんだ
そうなると、
別の問題が出てきます。
ザク。
ドム。
ゲルググ。
ジム。
ガンダム世界のMS。
結構、
派手に爆発します。
核融合炉が核爆弾になっているわけではない。
だったら、
何が爆発しているのか。
考えられるものは、
いろいろあります。
推進剤。
弾薬。
武器。
高温になった機器。
電力系統。
そして、
機体内部に蓄えられた、
さまざまなエネルギー。
MSって、
考えれば考えるほど、
爆発しそうなものを満載した巨大機械
なんですよね。
■特に怖いのは推進剤
宇宙で動くMSには、
推進装置があります。
背中。
脚。
腰。
機体によって、
いろいろな場所にスラスターがある。
当然、
そこには、
推進剤も必要になる。
その周辺へ、
ビームが直撃する。
タンクが破損する。
配管が切れる。
高温になる。
内部機器も壊れる。
すると、
核融合炉そのものが核爆発しなくても、
機体全体としては、
かなり派手な事故になりそうです。
僕らがアニメで見ている、
MSの爆発。
実際には、
核融合炉だけが爆発しているわけではない
と考えた方が自然でしょう。
■でも、劇中には「核爆発」を警戒する場面がある
ところが。
宇宙世紀。
そんなに単純でもありません。
MSのジェネレーターが誘爆することで、
核爆発あるいはそれに類する大規模な爆発を警戒する描写があります。
特に分かりやすいのが、
『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』。
市街地などでMSのジェネレーターを爆発させる危険性が意識される。
つまり、
宇宙世紀では、
「核融合炉だから絶対安全」
という扱いでもない。
ここが、
設定として面白いところです。
■現実の核融合と、宇宙世紀の核融合を完全に同じにしてはいけない
ここ、
かなり大事だと思います。
宇宙世紀の核融合炉は、
現実に存在する核融合炉を、
そのまま小型化したものではありません。
ミノフスキー粒子。
Iフィールド。
ヘリウム3。
エネルギー変換。
現実には存在しない技術が、
いくつも使われています。
だから、
現実世界の、
「核融合炉は核爆弾のようには爆発しない」
という知識だけで、
ガンダム世界を全部説明しようとすると、
少し無理が出る。
ガンダムには、
ガンダム世界なりの核融合炉事故
があると考えた方が面白い。
■ここで「南極条約」が効いてくる
一年戦争では、
核兵器などの使用が制限されます。
南極条約です。
だから、
戦場で核爆発が起きるというのは、
ものすごく大きな問題になる。
もし、
ザク一機を撃破するたび、
戦術核兵器並みの爆発が起きるなら、
そもそも、
MS同士の戦闘なんて成立しない。
ガンダムが、
ビーム・ライフルを撃つ。
ザクに当たる。
ドーン。
隣のザクも、
ドーン。
その隣も、
ドーン。
一年戦争、たぶん数話で終わります。
なので、
通常の撃破では、
核兵器級の爆発には至らない。
ただし、
炉心や条件によっては、
非常に危険な事故につながる。
そんなバランスで考えると、
劇中描写とも比較的つながりやすい。
■MSを「歩く発電所」と考えると怖い
前回の記事を書いていて、
僕が一番面白かったのが、
ここです。
僕らは、
MSを兵器として見ています。
ザク。
格好いい。
ガンダム。
格好いい。
でも、
中身を考えると、
核融合炉が入っている。
つまり、
ものすごく乱暴に言えば、
小型の発電所が歩いている。
しかも、
銃を持って。
ビーム兵器を持って。
推進剤を積んで。
弾薬を積んで。
それが、
時速何十km、
宇宙ならさらに高速で、
お互いに撃ち合っている。
冷静に考えると、
狂っています。
■しかも整備兵は、その横で働く
さらに怖い。
基地へ帰ってきたMS。
装甲を外す。
ジェネレーターを点検する。
配管を見る。
冷却系を見る。
推進系を見る。
弾薬を補給する。
つまり、
整備兵は、
巨大な核融合炉のすぐ横で仕事をする。
前回、
メッサーのジェネレーターについて書きました。
もし、
あれが本当に存在したら。
MSパイロットもすごい。
でも、
僕は整備兵の方が怖い。
「今日、炉心ちょっと調子悪いですね」
とか、
絶対聞きたくない。
■じゃあコクピットをもっと離せよ
そして、
もう一つ。
MSのコクピット。
機体によって違いますが、
胴体内部に配置されることが多い。
近い。
ジェネレーターに、
近い。
もちろん、
装甲。
遮蔽。
冷却。
放射線対策。
さまざまな技術があるのでしょう。
でも、
人間の感覚で考えると、
すごい場所に座っています。
背中側では、
スラスター。
機体内部には、
高出力ジェネレーター。
外からは、
ビーム・ライフルが飛んでくる。
それでも、
パイロットは、
モニターを見ながら戦う。
ニュータイプ以前に、
メンタルが強すぎる。
■そしてΞガンダムになると、さらにすごい
前回取り上げた、
Ξガンダム。
ミノフスキー・フライト。
高出力ジェネレーター。
巨大な機体。
ビーム兵器。
ファンネル・ミサイル。
つまり、
宇宙世紀が進むほど、
MS一機に詰め込まれるエネルギーも、
技術も、
増えていく。
ザクの時代から、
100年も経っていない。
それなのに、
MSは、
とんでもないところまで進化した。
■MSの性能向上は「事故の規模」も大きくするのか
ここ、
ちょっと穿った見方です。
ジェネレーター出力が上がる。
推進力が上がる。
ビーム兵器も強くなる。
機体が高速化する。
当然、
MSは強くなる。
でも、
同時に、
壊れた時に放出されるエネルギーも増えるのではないか。
高性能化って、
戦闘力だけの話ではない。
整備。
安全性。
冷却。
事故。
全部、
難しくなっていく。
Ξガンダムやペーネロペーを見ると、
僕らは、
「第五世代MSすげえ」
と思います。
でも、
整備班からすれば、
「また面倒なもの作りやがって」
だったかもしれない。
そして、
作った会社は、
もちろん。
■アナハイム・エレクトロニクス
また、
ここへ戻ってきました。
アナハイム。
高性能MSを作る。
ジェネレーターを作る。
ミノフスキー技術を使う。
ガンダムを作る。
敵側にも、
いろいろ供給する。
前回、
企業倫理について、
Iフィールドで包んでおきました。
今回は、
もう一つ言いたい。
安全管理、大丈夫ですか?
■しめ
モビルスーツの核融合炉が壊れたら、
核爆発するのか。
現実の核融合の原理から考えれば、
単純に、
「炉が壊れた=原爆のように爆発」
とはなりません。
核融合を維持する条件が崩れれば、
反応そのものは続けにくくなる。
ただ、
宇宙世紀の熱核融合炉は、
現実の核融合炉とは違います。
ミノフスキー物理学。
Iフィールド。
小型化。
高出力化。
そして、
劇中ではジェネレーターの爆発そのものが、
重大な危険として扱われることもある。
さらに、
MSには、
推進剤。
弾薬。
高出力機器。
さまざまなエネルギー源が詰まっている。
だから、
MSが撃破されて爆発する。
その全部を、
「核融合炉が核爆発した」
と考える必要はない。
むしろ、
MSという兵器そのものが、とんでもないエネルギーの塊。
そう考えた方が、
僕にはしっくりきます。
そして、
次にガンダムを観ていて、
ザクが一機、
ドーン!
と爆発したら、
ちょっとだけ思い出してください。
あの爆発の中には、
推進剤も、
弾薬も、
電力系統も、
そして、
小さな核融合炉まで入っている。
そう考えると、
MS戦。
急に、
怖く見えてきます。
まあ、
その5秒後には、
「ザク格好いいな」
って思っているんですけどね。
今日はここまで。それでは、また別のお話で。