おはこんにちは。どうも僕です。
今日は、いつものガンダムの話ではありません。
映画を観てきました。
『オデュッセイア』。
いやあ。
歴史超大作でした。
クリストファー・ノーラン監督が、約2800年にわたって語り継がれてきたホメロスの叙事詩『オデュッセイア』を映画化した作品です。
日本では2026年9月11日公開。主人公オデュッセウスをマット・デイモン、妻ペネロペをアン・ハサウェイ、息子テレマコスをトム・ホランド、女神アテナをゼンデイヤが演じています。上映時間は172分。さらに長編映画として史上初となる全編IMAXフィルムカメラ撮影という、とんでもない規模の作品です。 (映画『オデュッセイア』公式|9月11日(金)日本公開)
ただ。
今日書きたいのは、
「映像がすごかった!」
だけではありません。
観終わって僕の中に残った言葉がありました。
人間。
神。
知恵。
繰り返す。
そして、
超越。
今回はネタバレなしで、この映画を観て僕が感じたことを書いてみたいと思います。
■そもそも僕は、ギリシャ神話が好きだ
昔からギリシャ神話を研究していた――
なんて格好いい話ではありません。
僕が好きになったきっかけの一つは、
中田敦彦さんのYouTube大学。
ギリシャ神話編が面白くて、よく観ていました。
ギリシャ神話って、ちゃんと知ろうとすると本当に面白い。
神々はいる。
英雄もいる。
怪物もいる。
人間もいる。
世界の始まりまで描かれる。
日本でいうところの『古事記』を読んでいるときにも感じますが、神話って単なる昔話ではないんですよね。
「人間は世界をどう理解しようとしたのか」
その痕跡みたいなものが残っている。
■それにしても、ゼウスである
ギリシャ神話を読んでいると、
まあ、
ゼウスが浮気する。
またする。
さらにする。
「またゼウスかよ」
というくらいする。
そして、その神々と人間の関係から、新しい物語が生まれていく。
神と人間の間に生まれた英雄。
英雄と王。
人間と怪物。
神々同士の争い。
人間に介入する神。
神に逆らおうとする人間。
この、
神と人間の距離がものすごく近い。
ここがギリシャ神話の面白いところだと思います。
しかも神々が、意外と人間臭い。
怒る。
嫉妬する。
騙す。
恋をする。
争う。
復讐する。
全知全能の存在なのに、
やっていることを見ると、
「結構、人間だな……」
と思ってしまう。
■実は僕らは、ギリシャ神話に囲まれている
「ギリシャ神話なんて知らないよ」
という人でも、
たぶん名前はいくつも知っています。
ゼウス。
ポセイドン。
アテナ。
エルメス。
ガイア。
アポロン。
アキレス。
ヘラクレス。
テレビ。
ゲーム。
漫画。
アニメ。
映画。
ブランド名。
商品名。
そして車の名前。
僕らの周りには、ギリシャ神話から取られた名前やモチーフが驚くほどあります。
だからギリシャ神話って、
何千年も前の物語なのに、
実は今でも普通に生きている。
今回の主人公、
オデュッセウス
も、その一人です。
英語では、
Odysseus。
そして彼の旅を描いた叙事詩が、
Odyssey。
「長い冒険」「長い遍歴」を意味する言葉として、今でも使われています。
それだけ、この物語が西洋文化に残したものは大きい。
■『オデュッセイア』とは何の物語なのか
ここから先もネタバレはしません。
知っておいた方が映画に入りやすい部分だけ。
オデュッセウスは、
イタケの王。
そして、
トロイア戦争に参加した英雄です。
長く続いた戦争が終わる。
普通なら、
「戦争が終わりました。故郷へ帰りました。」
で終わる。
ところが、
オデュッセウスは帰れない。
妻ペネロペ。
息子テレマコス。
彼らが待つイタケへ帰ろうとするのですが、その帰路で神々の介入や怪物、荒れ狂う海など、さまざまな試練に遭遇していきます。映画もこの「帰還」を中心に描いています。 (映画『オデュッセイア』公式|9月11日(金)日本公開)
つまり大きく言ってしまえば、
家へ帰る話。
たったそれだけ。
なのに、
その「帰る」が、
とてつもなく遠い。
■英雄なのに、力だけでは帰れない
ここが僕は面白かった。
オデュッセウスは英雄です。
でも、
圧倒的な力だけですべてを突破する英雄ではない。
彼を象徴しているのは、
知恵。
考える。
騙す。
疑う。
工夫する。
耐える。
判断する。
人間には、
神の力はありません。
海を支配できない。
運命を完全には操れない。
怪物を自由に消すこともできない。
では、
どうするのか。
考える。
人間には、
知恵がある。
■「人間」と「神」
今回の映画を観ながら、
ずっと感じていたのがここでした。
人間と神の違いとは、
なんだろう。
神々は、
人間を超越した存在として描かれる。
一方、人間は弱い。
傷つく。
迷う。
欲望に負ける。
間違える。
そして、
死ぬ。
でも人間には、
知恵がある。
だから、
自分より巨大な存在に対しても、
なんとか抗おうとする。
僕には『オデュッセイア』が、
単なる冒険物語というより、
「人間が、人間を超えたものにどう立ち向かうのか」
という話に見えました。
■人間は、知恵で生き延びる
人間は弱い。
だから考える。
道具を作る。
船を作る。
武器を作る。
罠を作る。
言葉を使う。
仲間を作る。
文明を作る。
そうやって、
自分より強いものを乗り越えてきた。
ある意味、
人類そのものがオデュッセウスなんですよね。
腕力では勝てない。
自然にも勝てない。
神にも勝てない。
それでも、
知恵を使って前へ進む。
ここまでは、
すごく人間賛歌に見える。
ところが。
僕は映画を観ながら、
もう一つのことを考えていました。
■人間は、知恵で破滅する
これが今回、
僕に一番残ったものです。
人間は知恵で乗り切り、知恵で破滅する。
知恵があったから、
人間は文明を作った。
でも、
知恵があったから、
より強力な武器も作った。
戦争を効率化した。
他人を騙す方法も覚えた。
より巨大な欲望を実現できるようになった。
知恵は、
善でも悪でもない。
使うのは、
人間です。
だから、
人間を救うものと、
人間を滅ぼすものが、
同じ場所から生まれる。
これは2800年前の物語なのに、
恐ろしく現代的です。
■そして人間は「繰り返す」
戦争。
欲望。
嫉妬。
支配。
復讐。
愛。
家族。
帰る場所。
『オデュッセイア』を観ながら、
「これ、ものすごく昔の物語なんだよな」
と何度か思いました。
でも、
人間がやっていることは、
そんなに変わっていない。
武器は変わった。
船も変わった。
国も変わった。
科学も発達した。
僕らはスマートフォンを持っている。
AIまで使っている。
それでも、
愛する。
争う。
嫉妬する。
欲しがる。
奪う。
帰る場所を求める。
人間は、繰り返す。
だから2800年前の物語を、
2026年の僕らが観ても分かるんでしょう。
■「超越」とは何なのか
もう一つ感じたのが、
超越。
神は人間を超越している。
自然も人間を超越している。
運命も、人間にはどうにもならないことがある。
でも人間は、
そのたびに知恵を使う。
神にはなれない。
それでも、
昨日の自分を超えようとする。
この感じが、
すごく『オデュッセイア』なんです。
神になる話ではない。
人間のまま、神々の世界を生き抜こうとする。
そこがいい。
■映像については、一言だけ
ネタバレなしなので細かくは書きません。
ただ、
でかいスクリーンで観た方がいい。
これは言っておきたい。
本作は長編映画として史上初の全編IMAXフィルムカメラ撮影。日本では通常2Dのほか、IMAX、Dolby Cinema、4DX、MX4D、35mmフィルムなど複数の上映形式が用意されています。 (映画『オデュッセイア』公式|9月11日(金)日本公開)
ノーラン監督自身も、この壮大な神話を現実的な感覚で立ち上げることに挑戦したと語っています。 (映画『オデュッセイア』公式|9月11日(金)日本公開)
海。
空。
船。
人間。
そして、
人間より遥かに大きな世界。
そのスケールそのものが、
今回のテーマと合っていました。
人間が、
小さい。
だからこそ、
その小さな人間が抗う姿が面白い。
■神話は、昔話ではない
僕がギリシャ神話や『古事記』を面白いと思う理由も、
結局ここなのかもしれません。
神話って、
神様について書かれた話のようで、
実は、
人間について書かれた話
なんですよね。
神を描くことで、
人間を描く。
怪物を描くことで、
人間を描く。
英雄を描くことで、
人間を描く。
だから何千年経っても残る。
人間が、
そんなに変わっていないから。
■しめ
映画『オデュッセイア』。
僕はこれを、
英雄が怪物と戦う冒険映画としてだけではなく、
「人間とは何なのか」を描いた映画
として観ました。
人間は弱い。
だから、
知恵を使う。
知恵によって危機を乗り越える。
知恵によって文明を作る。
でも、
同じ知恵によって、
争い、
奪い、
そして自分自身を破滅へ向かわせることもある。
何千年経っても、
僕らはそれを繰り返している。
それでも、
また考える。
また立ち上がる。
また帰ろうとする。
神にはなれない。
運命をすべて支配することもできない。
それでも、
人間は知恵を使って、自分を超えようとする。
それが今回、
僕が『オデュッセイア』を観て感じたことでした。
ギリシャ神話をまったく知らなくても楽しめると思います。
でも、
ゼウス。
ポセイドン。
アテナ。
そしてトロイア戦争。
この辺りをほんの少し知ってから観ると、
見えてくるものが増える。
そして観終わったあと、
きっと思うはずです。
2800年前から、
人間って、あんまり変わってないな。
そこが少し怖くて、
でも、
すごく面白い。
今日はここまで。それでは、また別のお話で。
映画の公式情報はこちら。公開は2026年9月11日、上映時間172分。作品公式サイトではキャストや上映フォーマット、予告編なども確認できる。 (映画『オデュッセイア』公式|9月11日(金)日本公開)