おはこんにちは。どうも僕です。
ガンダムを観ていると、
ニュータイプ以上に、
「みんな知っている前提」
で話が進むものがあります。
ミノフスキー粒子。
これ。
初心者にはかなり厄介です。
名前は聞く。
ミノフスキー粒子を散布する。
レーダーが使えなくなる。
ミノフスキー・クラフト。
ミノフスキー・ドライブ。
ビーム兵器にも関係している。
……。
結局、何なんだよ。
今回はそこを、なるべく簡単に考えてみます。
実はミノフスキー粒子を理解すると、
「なぜガンダムの世界では18mもある人型ロボットが戦争しているのか?」
という最大級の疑問まで、かなり見えてきます。
■最初に結論
ミノフスキー粒子とは、
宇宙世紀に存在する架空の素粒子です。
もちろん現実には確認されていません。
でもガンダム世界では、これがものすごく重要。
なぜならミノフスキー粒子には、
電波などを利用した遠距離探知・通信を困難にする性質
があるからです。
簡単に言ってしまえば、
戦場で大量に散布すると、
レーダーや長距離通信が頼りにくくなる。
ここから全部が始まります。
■レーダーが使えないと何が起こる?
現代戦を考えてみます。
敵が100km先にいる。
でも肉眼で探す必要はありません。
レーダー。
人工衛星。
データリンク。
早期警戒機。
誘導兵器。
さまざまなセンサーや通信網を使って、
「敵がどこにいるのか」
を知ることができます。
極端に言えば、
敵を目で見る前に戦闘が始まっている。
これが現代戦です。
では。
その世界からレーダーと長距離通信の信頼性を大きく落としたら?
一気に状況が変わる。
敵がどこにいるのか分からない。
誘導兵器も使いにくい。
味方との通信も難しくなる。
遠距離から精密に攻撃することも難しい。
すると戦場は、
再び「相手を直接確認できる距離」へ近づいていく。
ここが重要です。
■だからモビルスーツが生まれた
よく考えると、
18mの人型兵器って変です。
戦車より大きい。
目立つ。
構造は複雑。
関節も多い。
整備も大変。
現実世界なら、
「それ戦車や航空機でよくない?」
となる。
僕もそう思います。
でも宇宙世紀には、
ミノフスキー粒子がある。
遠距離探知や誘導兵器の優位性が弱くなれば、
戦闘距離が縮まる。
そして宇宙空間では、
上下左右だけではない三次元方向へ動かなければならない。
そこで必要になるのが、
近距離で敵を発見し、
素早く姿勢を変え、
武器を使い分け、
場合によっては直接殴り合えるほど柔軟な兵器。
そこで登場したのが、
モビルスーツ。
つまりミノフスキー粒子は、
単なるSF設定ではありません。
「なぜ巨大ロボットが戦争で必要なのか」
という疑問に対する、
ガンダム側からの答えなんです。
■ザクが革命的だった理由
一年戦争以前の宇宙戦闘では、
宇宙艦艇が大きな役割を担っていました。
そこへジオンが投入したのが、
MS-06 ザクII。
ミノフスキー粒子を散布。
レーダーや通信の能力を制限する。
そして接近する。
敵艦の近くまで行って、
マシンガン。
バズーカ。
ヒート・ホーク。
これ、
戦艦側からすると相当怖い。
今まで遠くから発見して攻撃する前提だったのに、
突然、
小さくて機動力の高い兵器が懐へ入ってくる。
戦争のルールそのものが変わってしまう。
だから一年戦争初期、
モビルスーツを実戦投入していたジオンは大きな優位を得ることになります。
ザクが凄かったのは、
単純に性能が高かったからではない。
ミノフスキー粒子が作った新しい戦場に、一番早く適応した兵器だった。
ここなんだと思います。
■じゃあ「目視」で戦っているの?
ここも面白いところ。
ガンダムを見ると、
MS同士がかなり近距離で戦っています。
でもパイロットが全部、
肉眼だけで見ているわけではありません。
カメラ。
光学センサー。
赤外線。
レーザー。
コンピューターによる画像処理。
こうした方法まで全部使えなくなるわけではない。
だから正確には、
「センサーがなくなる」のではなく、電波を中心とした遠距離探知・通信が大きく制約される。
と考えた方が分かりやすい。
ガンダムの頭にあるメインカメラ。
ザクのモノアイ。
あれもただ格好いいだけではない。
近距離戦闘で敵を捉えるための、
重要な「目」です。
以前モノアイの記事を書きましたが、
ここで話がつながります。
■有線兵器が登場する理由も見えてくる
宇宙世紀には、
妙にケーブルが多い。
有線式サイコミュ兵器。
有線誘導。
物理的な接続。
未来なのに、
なんで線でつないでるんだ。
と思う。
でも通信環境が不安定なら、
物理的な接続には強みがあります。
未来になれば何でも無線になる。
とは限らない。
むしろ妨害の激しい戦場では、
確実に情報を送れる方法が重要になる。
ガンダム世界の「未来なのにアナログっぽい感じ」。
あれもミノフスキー粒子があると、
少し納得できるんですよね。
■ミノフスキー粒子は、レーダー妨害だけじゃない
ここから少し難しくなります。
ミノフスキー粒子は、
「レーダーを邪魔する便利な粉」
だけではありません。
宇宙世紀では、
ミノフスキー物理学そのものが、
さまざまな技術へ発展していきます。
その代表が、
ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉。
モビルスーツの動力源です。
18mの巨大兵器を動かし、
各種装置や兵器へエネルギーを供給する。
つまりミノフスキー粒子は、
モビルスーツが戦える環境を作っただけではなく、
モビルスーツを動かす技術にもつながっている。
なかなか万能です。
■そしてビーム兵器
さらに、
ビーム・ライフル。
ビーム・サーベル。
ここにもミノフスキー物理学が関わってきます。
宇宙世紀のビーム兵器を語るときに登場するのが、
メガ粒子。
ミノフスキー粒子を利用した物理体系の延長線上に、
強力なビーム兵器が成立する。
そして一年戦争では、
それまで艦艇クラスの設備が必要だったビーム兵器を、
ガンダムがMSサイズで運用してくる。
ジオン兵からすれば、
「連邦の白いやつが、戦艦みたいな火力を持って歩いている」
ようなもの。
そりゃ怖い。
■ホワイトベースが空を飛ぶのも?
はい。
ここにも出てきます。
ミノフスキー・クラフト。
ホワイトベースが地球上で巨大な船体を浮かせられる理由の一つです。
普通に考えれば、
あんな巨大な宇宙戦艦を地球上で浮かせ続けるのは大変です。
ところがミノフスキー物理学を利用することで、
巨大艦艇の浮揚が可能になる。
以前、
「ホワイトベースの中ではなぜ普通に歩けるのか」
という記事を書きました。
そのときも触れましたが、
ここは注意。
ミノフスキー・クラフトで艦が浮くことと、艦内に人工重力が発生することは同じではありません。
ここをごちゃ混ぜにすると、
ちょっと危ない。
ガンダム設定沼へようこそ。
■そして技術はさらに進む
宇宙世紀が進むと、
ミノフスキー技術も進化します。
Ξガンダムやペーネロペーでは、
ミノフスキー・フライト
が重要になる。
さらに時代が進み、
『Vガンダム』では、
ミノフスキー・ドライブ
という技術まで登場します。
つまり初代ガンダムで、
「レーダーが使いにくくなる粒子」
として知ったものが、
長い宇宙世紀の中で、
動力。
ビーム。
浮揚。
推進。
と、
どんどん技術体系として広がっていく。
ここが面白い。
■ミノフスキー粒子がなかったら?
ちょっと想像してみます。
もし宇宙世紀に、
ミノフスキー粒子が存在しなかったら。
高性能レーダー。
長距離通信。
誘導ミサイル。
遠距離精密攻撃。
こうした兵器が普通に発達していたかもしれない。
すると、
18mの巨大人型兵器が敵へ接近する前に、
遠距離から発見される。
攻撃される。
終わり。
そうなる可能性が高い。
つまり、
ガンダムという兵器が成立する世界そのものを作ったのが、ミノフスキー粒子だった。
と言ってもいい。
■実はものすごく上手いSF設定
ここが僕は好きです。
巨大ロボットを戦わせたい。
でも現代兵器をそのまま未来へ進化させると、
遠距離戦になってしまう。
だったら、
遠距離戦を難しくしてしまえばいい。
そこで、
ミノフスキー粒子。
レーダーが使いにくい。
通信も制限される。
戦闘距離が縮まる。
モビルスーツが活躍する。
接近戦になる。
ビーム・サーベルで斬り合える。
巨大ロボット同士が戦うための世界を、物理法則から作ってしまった。
もちろん架空の物理です。
でも一つ設定を置くことで、
兵器。
戦術。
通信。
動力。
ビーム兵器。
艦艇。
そして後世の推進技術までつながっていく。
設定として非常に面白い。
■初心者はこれだけ覚えておけばいい
ミノフスキー粒子。
難しい理論まで覚える必要はありません。
まずは、
①レーダーや長距離通信を使いにくくした。
その結果、
②戦闘距離が近くなった。
だから、
③モビルスーツという兵器が活躍できた。
さらに技術が発展して、
④核融合炉、ビーム兵器、浮揚・飛行・推進技術などへつながっていった。
これくらいで十分。
そしてガンダムを観ながら、
「ミノフスキー粒子濃度が――」
なんて台詞が出てきたら、
「ああ、これから通信や索敵が面倒になるのね」
と思えばいい。
だいたい合っています。
■しめ
ニュータイプが、
「なぜ人間は変わるのか」
を説明する設定なら。
ミノフスキー粒子は、
「なぜ戦争の形が変わったのか」
を説明する設定なのかもしれません。
ザクが生まれた。
ガンダムが生まれた。
ビーム・ライフルが生まれた。
ホワイトベースが空を飛んだ。
そして時代が進めば、
Ξガンダムが空を駆け、
さらに先ではミノフスキー・ドライブへたどり着く。
全部をたどっていくと、
宇宙世紀という巨大なSF世界のかなり深いところに、
ミノフスキー粒子
がいる。
ガンダムを初めて観たときは、
ただの「レーダー妨害の設定」だと思っていました。
大人になって改めて見ると、
これ一つで、
巨大な人型兵器が戦う理由まで作っている。
なかなか、とんでもない粒子です。
現実にはありませんけどね。
あったらたぶん、
スマホがつながらなくて僕らが一番困ります。
今日はここまで。それでは、また別のお話で。