~ホワイトベース120人。食料、水、酸素。宇宙戦艦は「戦う街」だった~
おはこんにちは。
どうも僕です。
ガンダムを見ていて、
ふと、
思いました。
ホワイトベース。
ガンダム。
ガンキャノン。
ガンタンク。
戦闘機。
それらを搭載して、
宇宙を飛ぶ。
すごい。
でも。
ちょっと待って。
人間は?
ブライト。
ミライ。
セイラ。
アムロ。
カイ。
ハヤト。
整備員。
通信員。
砲手。
料理人。
そして、
避難してきた民間人。
みんな、
この船の中で、
生活しています。
寝る。
食べる。
トイレへ行く。
風呂に入る。
息をする。
しかも、
一日ではない。
何週間。
場合によっては、
何か月。
そう考えると、
宇宙戦艦で、
本当に重要なのは、
主砲でも、
MS搭載数でもないのかもしれません。
今回は、
「宇宙戦艦は、何人の人間を何日間生かせるのか?」
そこから、
ガンダム世界の艦艇を考えてみたいと思います。
■まず、ホワイトベース
ホワイトベース。
ペガサス級強襲揚陸艦。
全長。
約262m。
資料によって差がありますが、
正規乗員数は、
128名とされるものがあります。
つまり、
ざっくり、
120~130人。
今回は、
分かりやすく、
128人で考えてみます。
これだけの人間が、
毎日、
船の中で生活する。
さて。
どれくらいの物資が、
必要でしょうか。
■まず、食事
一人。
一日3食。
128人。
単純計算すると、
一日、
384食。
30日なら、
11,520食。
三か月なら、
34,560食。
これだけでも、
すごい。
しかも、
戦闘艦です。
24時間、
動いている。
夜勤。
当直。
戦闘配置。
整備。
普通の会社みたいに、
「12時なので全員昼休み。」
とはいかない。
つまり、
食堂も、
一度に128人が座る必要はない。
交代制にすればいい。
例えば、
30~40席程度の食堂。
それを、
何回転かさせる。
これなら、
ホワイトベースの中にも、
十分入りそうです。
■そして、タムラ料理長
『機動戦士ガンダム』には、
ちゃんと、
料理長がいます。
タムラ。
これ。
今考えると、
かなり重要な人物です。
120人以上。
毎日。
朝。
昼。
夜。
食べさせる。
しかも、
長期航海。
食材管理。
栄養管理。
在庫。
保存。
廃棄物。
全部必要です。
ガンダムより、
ある意味、
止まったら困る。
アムロ。
一日出撃しなくても、
船は動く。
でも、
厨房が一週間止まったら。
ホワイトベース隊。
かなり危ない。
■食料はどれくらい必要?
仮に、
一人一日、
食料として約1.5kg。
水分を多く含む食品を減らし、
乾燥食や保存食を多くすれば、
もっと軽くできます。
それでも、
128人。
30日。
ざっくり、
5~6トン前後。
三か月なら、
15トンを超える。
でも。
ホワイトベース。
3万トン級。
しかも、
巨大なMSを何機も搭載できる。
そう考えると、
食料そのものの重量は、
意外と、
大問題ではない。
問題は、
保管。
冷蔵。
調理。
ゴミ。
そして、
補給です。
■そして、一番ヤバいのが水
食料より、
厄介。
水。
人間は、
水を大量に使います。
飲む。
料理。
歯磨き。
身体を拭く。
洗濯。
トイレ。
もし、
地球と同じ感覚で、
120人以上が水を使ったら、
とんでもない量になります。
現実のISSでは、
宇宙飛行士一人につき、
飲用・食事・歯磨きなどで、
一日およそ1ガロン、
約3.8リットルが必要とされています。
これを、
128人で単純計算すると、
一日、
約486リットル。
30日なら、
約14.6トン。
しかも、
これは、
地上のようにシャワーを浴び放題、
という生活ではありません。
■だったら水を全部積む?
30日で、
約15トン。
三か月なら、
約44トン。
もちろん、
3万トン級の艦なら、
積めなくはない。
でも、
宇宙へ、
毎回それだけの水を運ぶ?
もったいない。
だから、
おそらく、
ガンダム世界でも、
水は、
かなり高い割合で、
循環利用している。
そう考えるのが、
自然だと思います。
■汗も、尿も、また水になる
ここは、
現実がすでに、
かなりSFです。
ISSでは、
尿。
汗。
呼吸。
船内の湿気。
そこから、
水分を回収します。
現在の生命維持技術では、
水の回収率は、
90%以上。
実験的には、
98%近い回収も実現しています。
つまり。
飲む。
↓
身体を通る。
↓
排出する。
↓
回収。
↓
浄化。
↓
また飲む。
これ。
宇宙では、
普通。
だから、
ホワイトベースでも、
似たようなことを、
もっと高性能なシステムで、
やっているはずです。
■そして最大の疑問
水より、
もっと重要。
空気。
宇宙です。
窓を開けて、
「換気しよう。」
できません。
120人。
全員。
酸素を吸う。
二酸化炭素を吐く。
ずっと。
もし、
単純に酸素ボンベだけで、
全部まかなうなら、
大量の酸素を積む必要があります。
でも、
本当の問題は、
酸素を作ることだけではありません。
■二酸化炭素をどうする?
人間。
酸素を吸う。
二酸化炭素を吐く。
密閉された船内。
120人。
これ。
放置したら、
当然、
危険です。
だから、
宇宙戦艦には、
巨大な、
空気清浄・循環システム
が必要になります。
現実のISSにも、
あります。
二酸化炭素を除去。
微量の有害物質も除去。
湿度調整。
温度調整。
そして、
酸素を補充する。
宇宙船にとって、
生命維持装置は、
文字通り、
人間の肺です。
■酸素は水から作れる
これも、
現実に使われている方法です。
水。
H₂O。
電気分解する。
酸素。
水素。
酸素は、
船内へ。
水素は、
別の処理へ。
ISSでは、
実際に、
水を電気分解して、
呼吸用酸素を作っています。
さらに、
二酸化炭素と水素から、
水を取り戻す仕組みまである。
だったら、
宇宙世紀。
核融合炉を積んで、
巨大な宇宙戦艦を飛ばしている時代。
生命維持システムも、
相当に発達している。
そう考える方が、
自然です。
■つまりホワイトベースの空気は「回っている」
おそらく。
アムロが、
吐いた息。
回収。
CO₂除去。
湿気回収。
水。
浄化。
電気分解。
酸素。
船内へ。
そして、
また誰かが吸う。
そう考えると。
ホワイトベース。
ただの戦艦ではない。
巨大な人工生態系です。
■そして熱も問題になる
人間。
一人でも、
熱を出します。
120人。
さらに。
コンピューター。
照明。
厨房。
MS整備設備。
エンジン。
兵器。
全部、
熱を出す。
宇宙では、
外へ風を当てて冷やす、
なんてことはできません。
だから、
排熱。
これも、
かなり重要です。
実は、
宇宙戦艦。
敵のビームより前に、
熱との戦い
をしているのかもしれません。
■では、どこで寝る?
120人。
当然。
120個の、
個室。
……たぶん、
ありません。
艦長。
士官。
一部の乗員。
個室。
一般乗員。
相部屋。
二段。
三段ベッド。
これが、
現実的でしょう。
現代の軍艦も、
似ています。
つまり、
ホワイトベースの内部。
画面では、
広く見える場所もありますが、
実際には、
かなりの部分が、
居住区になっているはずです。
■食堂だけでは足りない
人間。
寝て。
食べて。
仕事。
それだけで、
何か月も生活できる?
かなり、
厳しい。
だから、
小さくても、
娯楽空間。
必要です。
談話室。
テレビ。
ゲーム。
本。
運動設備。
そして、
通信。
宇宙戦艦とはいえ、
人間は、
人間。
戦闘がない時間まで、
ずっと戦闘態勢では、
精神が持たない。
■ここで現代の空母を見る
これ。
かなり参考になります。
現代の航空母艦。
数千人。
艦内で、
生活します。
食堂。
厨房。
医務室。
売店。
理髪。
運動。
娯楽。
そして、
大量の食事。
米海軍の資料では、
空母では、
一日に約18,000食を作る例もあります。
なぜ、
そこまで必要なのか。
空母は、
単なる船ではないから。
**飛行場であり、
基地であり、
街でもある。**
■だったらドロワは?
ここから、
ジオン。
ドロワ。
巨大宇宙空母。
大量のMS。
大量のパイロット。
そして、
整備員。
ここ。
面白い。
MS一機。
パイロット一人。
では、
終わりません。
■MS一機を飛ばすために、何人いる?
パイロット。
1人。
でも、
その後ろ。
整備。
武装。
弾薬。
燃料。
補給。
通信。
管制。
医療。
食事。
全部必要。
つまり、
MS搭載数が増えるほど、
乗員も、
急激に増える。
これは、
現代の空母と、
かなり似ています。
戦闘機の数だけ、
パイロットを積めばいい。
ではない。
むしろ、
飛ばす人より、飛ばすための人の方が多い。
■だからドロワは「宇宙空母」
巨大なMSデッキ。
格納庫。
整備区画。
弾薬庫。
部品庫。
そして、
その周辺に、
人間の生活区画。
パイロット。
整備員。
管制員。
砲術。
機関。
通信。
医療。
厨房。
全部いる。
そう考えると、
ドロワの内部って、
ものすごい。
MSの格納庫の横で、
誰かが、
晩飯を作っている。
その下では、
誰かが寝ている。
その横では、
ザクの腕を交換している。
これ。
完全に、
宇宙を移動する軍事都市です。
■MS搭載数だけでは、艦の強さは分からない
「この戦艦は、
MSを何機積める?」
ガンダムでは、
よく見ます。
でも。
本当に重要なのは、
その次。
何機を、何日間、戦わせ続けられる?
ここだと思います。
20機積める。
でも、
弾薬が、
3日。
食料が、
5日。
部品がない。
だったら、
長期間は戦えない。
逆に。
10機しか積めない。
でも、
30日。
整備。
補給。
パイロット休養。
全部できる。
こちらの方が、
戦力として、
強い場合もある。
■戦艦の本当の能力は「継戦能力」
これ。
今回、
一番書きたかったところです。
主砲。
何門。
MS。
何機。
最高速度。
それも、
大事。
でも。
戦争では、
今日強いことより、明日も戦えること。
これが、
重要です。
食料。
水。
空気。
弾薬。
交換部品。
ベッド。
医療。
そして、
人間の精神。
全部揃って、
初めて、
戦艦は戦える。
■ホワイトベース128人を30日生かすなら
ここで、
ざっくり、
想像してみます。
128人。
30日。
食事。
11,520食。
水。
再生しないなら、
最低限の生活用途だけでも、
十数トン級。
酸素。
生成・循環設備。
CO₂除去装置。
大量の食料。
冷蔵・保存設備。
厨房。
トイレ。
シャワー。
寝台。
医務室。
洗濯。
ゴミ処理。
娯楽。
そして、
MSの部品。
弾薬。
推進剤。
これを、
全部積む。
すると。
ホワイトベースの、
あの巨大な船体。
急に、
小さく見えてきませんか?
■MS格納庫だけ大きければいいわけではない
ガンダム。
一機。
約18m。
巨大。
だから、
格納庫も、
大きい。
でも、
その周囲には、
もっと大量の設備が必要です。
整備工具。
予備部品。
弾薬。
クレーン。
電力。
作業員。
消火設備。
そして、
その作業員を、
生かす設備。
だから、
MS母艦というものは、
巨大になる。
当たり前なんです。
■ホワイトベースが大きい理由
全長262m。
全幅202m。
初めて数字を見ると、
「デカすぎない?」
と思います。
でも。
MS。
航空機。
武装。
エンジン。
燃料。
弾薬。
120人以上。
生活設備。
生命維持装置。
それを、
全部入れる。
そう考えると。
むしろ。
これでも足りる?
となってくる。
■そして最高収容500人
ホワイトベースには、
最高収容人数500人、
という資料もあります。
もし、
500人。
これ。
一気に話が変わります。
一日。
1,500食。
30日。
45,000食。
水。
空気。
トイレ。
寝床。
全部、
約4倍。
つまり、
500人というのは、
「500人が快適に長期航海できる。」
という意味ではなく、
おそらく、
緊急時に収容できる限界人数
に近いのではないか。
僕は、
そう考えています。
■サイド7の避難民が大変だった理由
そう考えると、
初代ガンダムの、
ホワイトベース。
さらに、
面白く見えます。
正規軍人だけではない。
避難民。
子供。
民間人。
予定していない人数が、
一気に乗る。
食料。
水。
寝床。
トイレ。
全部、
計算が狂う。
ブライト。
19歳。
戦闘指揮。
だけじゃない。
実質、
町内会長までやっている。
そりゃ、
大変です。
■戦争は、人間が生活しながらやっている
ガンダムを見ると、
どうしても、
戦闘。
MS。
ビーム。
爆発。
そこへ、
目が行きます。
でも、
戦争って。
その裏で、
人が、
ご飯を食べている。
眠っている。
トイレへ行く。
怪我をする。
疲れる。
ホームシックになる。
そして、
また、
仕事へ戻る。
そこまで含めて、
戦争です。
■だから「戦艦」は面白い
戦艦という名前ですが。
宇宙世紀のMS母艦。
僕には、
巨大な、
生命維持装置に見えてきました。
人を運ぶ。
人を生かす。
MSを直す。
弾薬を補給する。
食事を作る。
水を再生する。
空気を作る。
そして、
戦う。
主砲を撃つことは、
その機能の、
一つでしかない。
■しめ
ホワイトベース。
子どもの頃。
見ていたのは、
ガンダムが、
発進するところ。
カタパルト。
格好いい。
今。
気になるのは、
その、
少し奥。
格納庫の、
さらに奥。
厨房。
居住区。
医務室。
水再生装置。
空調。
トイレ。
そこでは、
120人以上の人間が、
毎日、
生活している。
息を吸う。
水を飲む。
飯を食う。
眠る。
そして、
翌日。
また、
ガンダムを出撃させる。
考えてみれば、
宇宙戦艦の一番すごい能力は、
大砲でも、
ミノフスキー・クラフトでも、
ないのかもしれません。
宇宙という、人間が絶対に生きられない場所で、100人以上を何週間も生かし続ける。
これ。
ものすごい技術です。
そして、
ドロワのような巨大空母なら、
さらに桁が違う。
大量のMS。
大量のパイロット。
その何倍もの、
整備員と乗組員。
彼らが、
食べる。
眠る。
働く。
また、
出撃させる。
つまり、
MS母艦とは。
MSを運ぶ箱ではない。
人間と兵器が暮らす、一つの街。
そう考えてから、
ホワイトベースを見ると。
あの、
妙に太った船体。
なんだか、
全部必要だったように、
見えてきます。
ガンダムを一機、
戦わせる。
その後ろには、
百人単位の生活がある。
兵器とは、
一機だけでは、
戦えない。
そんなところも、
ガンダムという作品の、
面白いところなのかもしれません。
今日はここまで。
それでは、また別のお話で。