おはこんにちは。
どうも僕です。
ザク。
一年戦争を代表する、
モビルスーツ。
宇宙世紀0079。
ジオン公国軍の主力として、
大量に戦場へ投入されました。
ところが。
ガンダムシリーズを、
その先まで見ていくと、
妙なことに気づきます。
ザク、まだいる。
戦争は終わった。
新型MSも、
どんどん登場する。
なのに、
古いモビルスーツが、
なかなか消えない。
そこで、
ふと思いました。
モビルスーツって、何年使えるの?
今回は、
モビルスーツを、
「性能」ではなく、
寿命
というところから考えてみたいと思います。
■そもそも「壊れなければ使える」のか
兵器です。
撃たれなければ、
使える。
一見、
そんな気がします。
でも、
機械は、
そう簡単ではありません。
車だって、
事故を起こさなくても、
古くなります。
タイヤ。
ベルト。
ホース。
ベアリング。
配線。
シール。
エンジン。
いろいろな部分が、
少しずつ劣化します。
モビルスーツも、
同じでしょう。
■装甲が無傷でも、中身は減っていく
モビルスーツを見ると、
どうしても、
装甲へ目が行きます。
傷。
弾痕。
塗装剥げ。
でも、
機体の寿命を決めるのは、
装甲だけではありません。
むしろ、
重要なのは、
その内側。
■一番酷使されるのは「関節」かもしれない
肩。
肘。
手首。
腰。
股関節。
膝。
足首。
モビルスーツには、
大量の可動部があります。
歩く。
走る。
跳ぶ。
着地する。
武器を構える。
転倒する。
そして、
また立つ。
以前、
関節についての記事を書きました。
その関節を、
毎日、
数十トンの機体重量を受けながら動かす。
当然、
摩耗します。
■金属だから永久に使えるわけではない
金属は、
強い。
でも、
永遠ではありません。
何度も、
力がかかる。
曲がる。
振動する。
衝撃を受ける。
すると、
少しずつ、
疲労が蓄積する。
いわゆる、
金属疲労。
外から見れば、
何ともない。
でも、
内部では、
小さな亀裂が進んでいる。
これ。
兵器として、
かなり怖い。
■昨日まで動いていたのに、今日壊れる
機械の怖さは、
ここです。
昨日。
正常。
今日。
正常。
明日。
突然、
故障。
モビルスーツなら、
戦闘中に、
膝関節が動かない。
腕が上がらない。
スラスターが、
正常に動かない。
それだけで、
命に関わります。
だから、
「まだ動く。」
では、
ダメ。
壊れる前に交換する。
これが、
整備になります。
■モビルスーツには「走行距離」があった?
車なら、
走行距離。
航空機なら、
飛行時間。
エンジンなら、
稼働時間。
では、
モビルスーツは?
おそらく、
似たような管理が必要でしょう。
ジェネレーター稼働時間。
スラスター使用時間。
関節作動回数。
着地回数。
戦闘時間。
もしかすると、
機体コンピューターが、
全部記録していたのかもしれません。
■「このザク、膝がそろそろ交換時期です」
整備兵。
端末を見る。
右膝。
規定作動回数、
90%。
左肩。
基準値超過。
右スラスター。
累積稼働時間、
残り20時間。
これ。
現実の兵器なら、
普通にありそうです。
つまり、
モビルスーツには、
目には見えない、
寿命メーター
が大量に存在していたのかもしれません。
■ジェネレーターにも寿命はある
そして、
モビルスーツの心臓。
ジェネレーター。
高出力。
高温。
長時間稼働。
当然、
内部の部品には、
負担がかかります。
発電能力が、
少しずつ落ちる。
冷却効率が落ちる。
振動が増える。
新品と、
何年も使った機体。
同じザクでも、
実際の性能は、
微妙に違っていた可能性があります。
■スラスターも新品のままではない
前に、
推進剤について書きました。
でも、
推進剤さえ補充すれば、
ずっと飛べるわけではありません。
スラスターそのものも、
酷使されます。
高温。
高圧。
振動。
急加速。
長時間使用。
ノズル。
配管。
バルブ。
こうした部分も、
劣化していくでしょう。
つまり、
古いザク。
スラスター全開。
カタログ上では、
新品と同じ推力。
でも、
実際には、
ちょっと出ない。
そんなことも、
ありそうです。
■センサーも老化する
そして、
前回まで書いていた、
モビルスーツの目。
カメラ。
赤外線。
測距。
各種センサー。
これらも、
永久には使えません。
レンズ。
電子部品。
配線。
接点。
経年劣化する。
新品のザクと、
10年間使われたザク。
同じモノアイでも、
見えている世界が、
少し違う。
これ。
地味ですが、
戦闘では、
かなり大きな差です。
■雨・砂・宇宙。環境でも寿命は変わる
そして、
ここまで書いてきた、
環境の記事が、
全部つながります。
雨。
水分。
腐食。
砂漠。
砂が、
関節へ入る。
宇宙。
温度差。
放射線。
微小なデブリ。
海。
塩分。
つまり、
同じザクでも、
どこで使われたかによって寿命が違う。
■砂漠で5年と宇宙で5年は同じではない
これ。
車でもそうです。
どんな場所で、
どう使われたか。
これによって、
状態は変わります。
モビルスーツなら、
もっと極端でしょう。
砂漠を走り続けたザク。
宇宙だけで使われたザク。
海沿いで運用されたザク。
同じ年式でも、
機体状態は、
全く違うはずです。
■つまり「何年式」だけでは判断できない
中古車。
年式。
走行距離。
整備記録。
事故歴。
見ますよね。
モビルスーツも、
同じかもしれません。
宇宙世紀0079年製。
だけでは、
分からない。
戦闘回数。
稼働時間。
被弾歴。
オーバーホール歴。
交換部品。
使用環境。
全部見る。
■中古ザク査定
想像すると、
ちょっと面白い。
MS-06F ザクII。
宇宙世紀0079年式。
稼働時間、
2,800時間。
戦闘歴あり。
右肩交換済み。
左脚、
修復歴あり。
ジェネレーター、
0083年オーバーホール。
モノアイ、
社外品。
……中古車みたいです。
でも、
兵器として考えると、
むしろ、
こういう管理が必要でしょう。
■では、ザクは何年使える?
ここで、
最初の疑問。
ザクは、
何年使えるのか。
正確な年数を、
単純に決めることはできません。
なぜなら、
モビルスーツは、
部品を交換できるから。
腕。
脚。
装甲。
センサー。
ジェネレーター。
スラスター。
壊れたら、
交換する。
■部品を交換し続けたら、それは同じザク?
ここから、
ちょっと哲学です。
右腕、
交換。
左脚、
交換。
ジェネレーター、
交換。
コックピット、
交換。
頭部、
交換。
そして、
最後に胴体フレームも交換。
さて。
最初のザクは、どこに残っている?
これ。
「テセウスの船」みたいな話になります。
■兵器の寿命は「部品」ではなく「運用」で決まる
おそらく、
モビルスーツの寿命を決めるのは、
壊れたかどうかだけではありません。
もっと重要なのは、
使い続ける価値があるか。
新型機が出る。
性能が上がる。
部品供給が終わる。
整備できる人が減る。
武器が規格外になる。
すると、
まだ動く。
でも、
軍隊としては、
使いにくい。
ここで、
機体は、
事実上の寿命を迎えます。
■「古い=弱い」とも限らない
ただ、
古い機体には、
別の強みがあります。
整備方法が、
分かっている。
部品が、
大量にある。
パイロットが、
慣れている。
故障箇所も、
分かっている。
つまり、
最新鋭機より、
現場では使いやすい。
そんな場合もあります。
■だから旧式MSは消えない
そして、
ここで、
ガンダムシリーズの世界へ戻ります。
一年戦争が終わる。
でも、
旧式モビルスーツは、
すぐには消えない。
ザク。
ドム。
ゲルググ。
そして、
それらの系譜。
新型が登場しても、
古い機体が、
どこかで使われ続ける。
これ。
別に、
不自然ではありません。
■車だって古いものは走っている
新型車が出た。
翌日。
旧型車が、
全部消える。
そんなことはありません。
軍隊なら、
なおさらです。
新型MSを、
全軍へ一気に配備する。
無理でしょう。
だから、
新型。
旧型。
改修機。
現地改造機。
いろいろな機体が、
同じ戦場に存在する。
■そしてジオン残党
ここで、
さらに面白くなる。
ジオン残党。
新型MSを、
簡単には入手できない。
だから、
古い機体を、
使い続ける。
壊れた。
修理。
部品がない。
別の機体から、
取る。
また壊れる。
また直す。
そうやって、
何年も使う。
■「ザクだから弱い」ではない
10年前のザク。
古い。
性能も、
最新鋭機には負ける。
でも、
整備状態が良い。
パイロットが、
10年間乗っている。
機体の癖を、
全部知っている。
これ。
戦場で遭遇したら、
結構怖いと思います。
■新品の高性能機と、使い込んだ旧式機
最新鋭MS。
性能は高い。
でも、
パイロットは、
まだ慣れていない。
整備兵も、
構造を完全には理解していない。
部品も、
少ない。
一方。
旧式ザク。
遅い。
武器も古い。
でも、
整備方法は、
全部分かる。
部品も、
流用できる。
パイロットも、
身体のように扱える。
さて。
どちらが、
「戦える兵器」なのでしょう。
これ。
次回、
かなり面白くなりそうです。
■モビルスーツにも「個体差」が生まれる
長く使えば、
当然、
個体差が出ます。
このザクは、
右へ少し流れる。
この機体は、
左膝が弱い。
このスラスターは、
少し反応が遅い。
新品なら、
ほぼ同じ。
でも、
10年使えば、
全部違う。
そして、
パイロットは、
それを知っている。
■機械が「相棒」になる瞬間
たぶん、
ここなんですよね。
スペック表では、
同じザク。
でも、
長く乗ったパイロットにとっては、
同じではない。
音。
振動。
反応。
癖。
全部、
身体が覚えている。
以前、
モビルスーツの音について書きました。
いつもと違う音。
それだけで、
故障に気づく。
つまり、
長く使われたモビルスーツは、
単なる兵器から、
「相棒」
へ変わっていくのかもしれません。
■しめ
ザクは、
何年戦えるのか。
5年?
10年?
20年?
たぶん、
答えは、
年数ではありません。
部品がある。
整備できる。
パイロットがいる。
そして、
その機体を必要とする人がいる。
その限り、
モビルスーツは、
戦い続けることができる。
でも、
部品がなくなる。
整備できる人がいなくなる。
新しい武器が使えない。
そして、
誰も必要としなくなる。
その時。
たとえ、
ジェネレーターが動いていても、
そのモビルスーツは、
寿命を迎える。
つまり、
兵器の寿命とは、
「動かなくなった時」ではなく、「使い続けられなくなった時」
なのかもしれません。
一年戦争を生き延びた、
一機のザク。
傷だらけ。
塗装も剥げている。
右腕は、
別の機体から移植。
モノアイも、
交換品。
でも、
ジェネレーターを起動する。
低い振動。
モノアイが、
ゆっくり動く。
そして、
整備兵が言う。
「まだいける。」
これ。
妙に、
格好いい。
新品のガンダムにはない、
機械の時間が、
そこにはあります。
今日はここまで。
それでは、また別のお話で。