おはこんにちは。
どうも僕です。
雨。
ガンダムでは、
結構好きな演出です。
暗い空。
濡れた装甲。
モノアイに流れる雨粒。
泥を跳ね上げながら歩くザク。
これ。
妙に格好いい。
でも、
ふと思います。
モビルスーツって、雨に濡れて大丈夫なの?
全高約18メートル。
関節だらけ。
カメラだらけ。
電子機器だらけ。
そんな巨大な精密機械を、
豪雨の中に放り込む。
今回は、
モビルスーツにとっての、
「雨」
について考えてみたいと思います。
■そもそも雨くらいで壊れる兵器では困る
まず大前提。
モビルスーツが、
少し雨に濡れただけで、
「故障しました。」
では、
兵器として使い物になりません。
戦場では、
天候を選べない。
雨。
雪。
霧。
砂。
泥。
当然、
ある程度の防水・防塵性能は、
最初から想定されているはずです。
でも、
「雨の中でも動ける。」
と、
「雨の影響を受けない。」
これは、
全く違います。
■まず問題になるのは「目」
前回、
モビルスーツの夜間視界について書きました。
そこで重要だったのが、
カメラやセンサー。
では、
雨が降ったら?
頭部カメラの前に、
水滴。
人間なら、
フロントガラスに雨が付いただけでも、
かなり見にくくなります。
モビルスーツも同じ。
しかも、
ガンダムにもザクにも、
ワイパーらしきものが見当たりません。
■モビルスーツにワイパーはいらない?
おそらく、
もっと別の方法を使っているのでしょう。
撥水性の高い表面処理。
エアを吹き付ける。
細かな振動で水滴を落とす。
レンズ表面を回転させる。
あるいは、
複数のカメラ映像を合成して、
水滴で見えない部分を補完する。
一つのカメラが見えなくなっても、
別のセンサーで補う。
つまり、
「雨粒を完全になくす」のではなく、「雨粒があっても見えるようにする」。
そんな設計の方が、
モビルスーツらしい気がします。
■でも豪雨になったら話が変わる
小雨なら、
まだいい。
問題は、
豪雨。
大量の雨。
霧。
水しぶき。
そして、
戦闘による煙。
ここまで重なると、
可視光カメラだけでは、
かなり厳しい。
前回書いた、
赤外線。
測距センサー。
味方からの情報。
複数のセンサーを統合して、
パイロットへ、
「見える景色」を作る。
雨の戦場では、
この能力が、
さらに重要になります。
■雨はセンサーそのものを邪魔する
そして、
問題は水滴だけではありません。
雨や水蒸気は、
センサーによっては、
測定に影響を与えます。
つまり、
雨の向こうに、
何かいる。
でも、
よく見えない。
センサーにも、
ノイズ。
そこへ、
敵。
これ。
怖い。
夜の記事では、
「人間に見えなくてもMSには見えている。」
と書きました。
でも、
雨では、
そのモビルスーツの目すら信用できなくなる可能性がある。
■そして最大の疑問「関節から水入らない?」
肩。
肘。
手首。
指。
腰。
膝。
足首。
モビルスーツは、
可動部分だらけです。
完全な箱なら、
防水は比較的簡単。
でも、
モビルスーツは、
動く。
曲がる。
捻る。
伸びる。
つまり、
防水しながら、
可動させなければならない。
これ、
かなり難しそうです。
■ゴムパッキンだけでは済まない
人間サイズなら、
シール。
パッキン。
防水カバー。
いろいろあります。
でも、
18メートル。
しかも、
戦闘兵器。
関節には、
巨大な力がかかる。
砂が入る。
泥が付く。
破片が当たる。
装甲が歪む。
そこへ、
雨。
つまり、
新品状態では防水できても、
戦闘で傷ついた後の防水性能
が問題になります。
■弾痕から水が入ったら?
装甲に、
小さな損傷。
戦闘自体には、
問題ない。
でも、
そこから雨水が入る。
内部へ。
配線。
電子機器。
センサー。
駆動系。
そして、
後になって故障。
つまり、
雨は、
その場でモビルスーツを倒さなくても、
損傷を悪化させる可能性がある。
■雨より怖いのは「足元」
そして、
個人的に一番怖いと思うのが、
これ。
地面。
以前、
モビルスーツの転倒について書きました。
数十トン。
二足歩行。
ただでさえ、
足元は重要。
そこへ、
雨。
道路が濡れる。
泥になる。
土が柔らかくなる。
斜面が崩れる。
つまり、
雨はモビルスーツを直接攻撃するのではなく、
地面を敵に変える。
■数十トンが泥へ乗ったら?
ザク。
歩く。
ズブッ。
もう一歩。
ズブッ。
人間なら、
長靴で済む。
でも、
数十トン。
地盤が弱ければ、
足そのものが沈む。
そして、
片脚だけ深く沈んだら。
重心が崩れる。
転倒。
前回の記事につながります。
■「走る」が一気に危険になる
さらに、
戦闘。
敵の攻撃。
避ける。
急旋回。
ダッシュ。
でも、
地面は濡れている。
滑る。
数十トンの機体が、
高速で滑る。
これ。
もう、
止まりません。
つまり、
雨天では、
機体の最高速度そのものより、
どこまで安全に速度を出せるか
の方が重要になります。
■モビルスーツにもABSみたいなものが必要?
そう考えると、
足裏センサーは、
ものすごく重要です。
滑っている。
沈んでいる。
地面が崩れている。
それを、
瞬時に検知。
歩幅を変える。
重心を変える。
速度を落とす。
つまり、
雨天では、
歩行制御そのものを、
自動的に変えていた可能性があります。
「雨天モード。」
あっても、
不思議ではありません。
■そして「塩水」は別格
普通の雨なら、
まだいい。
でも、
海。
沿岸部。
ここでは、
水に加えて、
塩分
があります。
塩水は、
金属にとって、
かなり厄介。
腐食。
接点。
可動部。
ボルト。
配管。
モビルスーツほどの巨大兵器なら、
影響を受ける部分も、
大量にあります。
■前回の「塗装」がここで効いてくる
前々回、
モビルスーツの塗装について書きました。
塗装は、
見た目だけではない。
装甲を、
環境から守る。
今回、
その意味がよく分かります。
傷。
塗装剥げ。
そこへ、
塩水。
整備兵からすれば、
嫌な組み合わせでしょう。
ガンプラなら、
最高に格好いい。
でも、
現場では、
「帰ったら洗浄。」
なのである。
■ズゴックは何が違う?
そして、
ここで登場するのが、
水陸両用モビルスーツ。
ズゴック。
ゴッグ。
アッガイ。
彼らは、
水中で活動することを、
最初から前提にしています。
つまり、
普通のモビルスーツとは、
防水という考え方そのものが、
違っていたはずです。
■「雨に耐える」と「水中で動く」は全く違う
ザクが、
雨の中を歩く。
これは、
防水。
でも、
ズゴックが、
水中へ潜る。
こちらは、
水圧まで考えなければならない。
関節。
コックピット。
配線。
推進器。
すべて、
水中で動作する必要があります。
つまり、
ザクが傘なしで歩けるからといって、
海へ入れるわけではない。
当たり前ですが、
耐水と水中運用は、別物。
■むしろ水陸両用MSは雨に強かった?
逆に考えれば、
ズゴックのような機体は、
豪雨程度なら、
かなり余裕があった可能性があります。
完全に水へ潜る前提。
だったら、
雨による浸水は、
大きな問題になりにくい。
さらに、
水中用センサー。
水中推進。
水による冷却。
普通のモビルスーツとは、
思想そのものが違う。
■ただし水陸両用MSにも別の苦労がある
水に強い。
だから、
万能。
ではありません。
水中と地上。
両方へ対応する。
そのために、
機体構造が複雑になる。
重量。
抵抗。
整備性。
専用装備。
どこかで、
必ず代償があります。
だから、
全部のMSをズゴックみたいにすればいい、
とはならない。
兵器って、
こういうところが、
妙に面白い。
■雨はビーム兵器へ影響する?
そして、
気になるところ。
ビーム。
雨の中で撃ったら、
どうなる?
ガンダム世界のビーム兵器を、
現実のレーザーと同じように考えることはできません。
ただ、
大気中の水分。
雨粒。
水蒸気。
こうしたものが、
エネルギー兵器の伝播へ、
何らかの影響を与える可能性は、
考えたくなります。
■少なくとも「見え方」は変わりそう
ビームそのものの威力とは別に、
雨の中で高エネルギーの何かが通れば、
周囲の水分。
蒸気。
光。
それによって、
普段とは違う見え方をする可能性があります。
雨の夜。
一瞬だけ、
戦場がビームの光で照らされる。
これ。
映像としても、
かなり格好いい。
■でも光った瞬間、位置がバレる
夜間戦闘の記事とも、
ここでつながります。
暗闇。
雨。
視界不良。
隠れている。
そこで、
ビームライフル。
発射。
一瞬、
光る。
敵からすれば、
「あそこだ。」
となる。
つまり、
雨と夜が重なれば、
一発撃つことの意味も、
昼間とは変わってくる。
■雨では戦い方そのものが変わる
視界が悪い。
センサーも不安定。
地面も滑る。
遠距離射撃の精度も落ちる。
すると、
戦闘距離が、
自然と近くなる可能性があります。
敵が、
突然、
雨の向こうから現れる。
近距離戦。
これ。
怖い。
■雨音はどうだろう
以前、
モビルスーツの「音」について書きました。
宇宙は静か。
でも、
機体内部はうるさい。
では、
雨。
18メートルの装甲へ、
大量の雨粒が当たる。
バラバラバラバラ。
コックピットまで、
振動が伝わるかもしれません。
さらに、
雷。
風。
雨。
警報。
通信。
関節音。
雨の中のモビルスーツ。
実は、
かなり騒がしい戦場だったのかもしれません。
■そして整備兵の地獄が始まる
戦闘終了。
基地へ帰る。
パイロット。
「お疲れ。」
終了。
ではありません。
ここから、
整備兵。
泥。
砂。
水。
塩分。
塗装剥げ。
関節内部。
センサー。
全部、
確認。
水分を除去。
洗浄。
乾燥。
潤滑。
補修。
雨天戦闘の本当の恐怖は、
戦闘後だった可能性すらあります。
■晴れた日の一戦と、雨の日の一戦は同じではない
機体は、
同じ。
武器も、
同じ。
パイロットも、
同じ。
でも、
天気が違う。
それだけで、
視界。
センサー。
足元。
機動力。
整備負担。
全部変わる。
つまり、
モビルスーツの性能とは、
カタログスペックだけでは、
決められません。
■「ガンダムは雨でも戦える」
おそらく、
戦えるでしょう。
兵器ですから。
でも、
晴れの日と、
同じようには戦えない。
これが、
今回の答えなのだと思います。
雨だから、
壊れる。
ではない。
雨だから、
少し見えない。
少し滑る。
少しセンサーが狂う。
少し整備が増える。
その、
「少し」
が積み重なる。
戦場では、
それが命取りになる。
■しめ
雨の中。
一機のザク。
モノアイに、
水滴が流れる。
足元は、
泥。
一歩。
沈む。
もう一歩。
滑る。
遠くには、
敵。
でも、
センサーには、
ノイズ。
スラスターを吹かす。
泥水が、
一気に舞い上がる。
これ。
アニメなら、
めちゃくちゃ格好いい。
でも、
パイロットからすれば、
たまったものではありません。
見えない。
滑る。
沈む。
濡れる。
そして、
帰ったら、
整備。
雨は、
モビルスーツを直接倒す敵ではない。
でも、
「正常に戦える条件」を、一つずつ奪っていく。
だから、
雨の中でも戦えるモビルスーツが凄いのではなく、
雨の中でも、
いつも通り戦えるように、
設計し、
操縦し、
そして整備する。
そこまで含めて、
兵器なのだと思います。
次に、
雨の中を歩くガンダムを見たら。
濡れた装甲だけではなく、
その足元も、
少し見てみてください。
案外、
敵のザクより、
その泥の方が、
厄介だったのかもしれません。
今日はここまで。
それでは、また別のお話で。