おはこんにちは。
どうも僕です。
夜。
森の中。
月明かりも、
ほとんどない。
そこへ、
一機のザク。
暗闇の中で、
モノアイが、
ピンク色に光る。
格好いい。
実に、
格好いい。
……でも。
ちょっと待って。
敵に「ここにいます」って教えてない?
今回は、
そんな素朴な疑問から始めます。
モビルスーツは、
夜、
どうやって戦っていたのでしょうか。
そして、
ガンダムのツインアイや、
ザクのモノアイは、
なぜ暗闇で光って見えるのか。
今回は、
モビルスーツの、
「夜の目」
について考えてみたいと思います。
■そもそも人間は、なぜ夜に見えない?
まず、
当たり前のところから。
私たちが物を見るためには、
光が必要です。
太陽。
照明。
月明かり。
何らかの光が、
物へ当たる。
その反射した光が、
目へ入る。
だから、
物が見える。
逆に、
光がほとんどなければ、
人間の目では、
かなり見えにくくなります。
でも、
モビルスーツは、
人間ではありません。
■MSは「人間と同じ光」を見る必要がない
ここが、
機械の面白いところです。
人間が見える光。
いわゆる、
可視光。
でも、
センサーなら、
それ以外の情報も利用できます。
赤外線。
熱。
光の増幅。
場合によっては、
複数のセンサー情報を、
組み合わせることもできる。
つまり、
人間には、
真っ暗。
でも、
モビルスーツには、
普通に見えている。
そんな可能性があります。
■まず考えられるのが「暗視」
現代でも、
暗い場所を見る技術があります。
わずかな光を、
増幅する。
星明かり。
月明かり。
遠くの街灯。
人間には、
ほとんど何も見えない。
でも、
機械なら、
そのわずかな光を拾って、
映像として表示できます。
モビルスーツほどの兵器なら、
当然、
似たような技術は搭載されていたでしょう。
■だったら夜でも昼間みたいに見える?
可能性はあります。
ただし、
実際の景色を、
そのまま明るくしているとは限りません。
輪郭を強調。
明るさを補正。
ノイズを除去。
動いている物体を強調。
敵らしきものに、
マーカーを付ける。
つまり、
以前コックピットの記事で書いたように、
パイロットが見ているものは、
コンピューターによって作られた「見やすい夜」
だったのかもしれません。
■そして赤外線
さらに、
夜間戦闘で重要になるのが、
赤外線。
物体は、
温度に応じて、
赤外線を放射します。
つまり、
真っ暗でも、
温度差を見ることができる。
そして、
ここで考えてください。
モビルスーツ。
ジェネレーター。
スラスター。
関節。
電子機器。
冷却装置。
以前、
「モビルスーツの熱」について書きました。
そう。
モビルスーツは熱い。
■夜のMSは、むしろ見つけやすい?
人間の目には、
真っ暗。
でも、
赤外線センサーから見れば、
どうでしょう。
冷えた森林。
冷えた地面。
冷えた建物。
その中に、
高温の機械が、
一機。
しかも、
スラスターを吹かす。
これ。
めちゃくちゃ目立つ可能性があります。
つまり、
夜になれば、
モビルスーツが隠れられる。
とは限らない。
むしろ、
熱源として浮かび上がる。
■スラスターを吹かした瞬間にバレる?
特に、
スラスター。
高温のガスを噴射する。
可視光でも、
光って見えることがあります。
赤外線なら、
なおさらでしょう。
だから、
夜間の隠密行動では、
スラスターの使用そのものを、
なるべく減らす。
ゆっくり歩く。
排熱を抑える。
機体温度を、
周囲へ近づける。
そんな運用が必要だったかもしれません。
■ステルスMSに必要なのは「黒い塗装」ではない?
前回、
モビルスーツの塗装について書きました。
夜なら、
黒く塗ればいい。
一見、
合理的です。
でも、
敵が赤外線を使っているなら、
黒かろうが、
白かろうが、
熱ければ見える。
つまり、
本当に隠密性を高めるなら、
色以上に、
熱を隠す必要がある。
■排熱とステルスは相性が悪い
でも、
ここで問題。
モビルスーツは、
熱を捨てなければならない。
以前の記事でも書きました。
ジェネレーター。
電子機器。
スラスター。
武器。
大量の熱を発生させる。
だから、
放熱する。
でも、
放熱すれば、
赤外線で見つかりやすくなる。
つまり、
冷やしたい。でも熱を外へ出したらバレる。
これ。
かなり厄介です。
■戦闘中だけ熱を溜め込む?
そこで、
少し想像してみます。
隠密行動中。
排熱を抑える。
機体内部に、
一時的に熱を蓄える。
敵へ接近。
攻撃。
発見されたら、
もう隠れる必要はない。
一気に排熱。
スラスター全開。
そんな運用があっても、
面白い。
つまり、
ステルス性能には、
機体の形だけではなく、
熱管理能力も重要だった。
■では、あの光る「目」は何なのか
そして、
本題。
ガンダム。
ツインアイ。
ザク。
モノアイ。
暗闇で、
光っています。
格好いい。
でも、
本当に光を出していたら、
夜間戦闘では、
かなり目立ちます。
だから、
あれを単純な、
「ライト」
と考えると、
少し不自然です。
■モノアイは「目」ではない
そもそも、
ザクのモノアイ。
人間の目の代わりではありません。
カメラ。
測距。
照準。
その他の情報を集める、
複合センサーと考えた方が自然です。
だったら、
あのピンク色の光も、
人間が周囲を見るための照明ではなく、
センサーの作動状態が外から見えているだけ
なのかもしれません。
■本当は人間には見えない光だった?
さらに、
ちょっとSF的に考えてみます。
モノアイが使っている光。
実際には、
赤外線など、
人間には見えない波長だった。
でも、
アニメでは、
視聴者に、
「モノアイが作動した。」
と分かるように、
ピンク色で表現している。
そう考えると、
かなり自然です。
あの、
「ピコーン。」
モノアイが光る瞬間。
あれは、
照明を点けたのではなく、
センサーが起動したという映像表現。
そう考えると、
妙に納得できます。
■ツインアイも同じ?
ガンダムのツインアイ。
黄色。
緑。
作品によって、
色は違います。
でも、
これも、
実際にヘッドライトのように、
光っているとは限りません。
内部のセンサー。
光学機器。
保護レンズ。
それらが、
外部から見ると、
発光しているように見える。
あるいは、
視聴者へ、
「ガンダムが起動した。」
と伝える演出。
そう考えた方が、
兵器としては合理的です。
■じゃあ頭部バルカンの横にライトを付ければ?
夜間に、
地面を照らしたい。
建物の中を見る。
整備する。
救助する。
そういう場合には、
普通のライトも必要でしょう。
でも、
戦闘中に、
ずっとライトを点ける必要はありません。
必要な時だけ、
照明を使う。
戦闘時は、
暗視センサーへ切り替える。
これなら、
かなり現実的です。
■夜間戦闘では「色」が消える
そして、
夜。
暗視。
赤外線。
こうなると、
機体の色は、
ほとんど意味を失います。
赤いザク。
緑のザク。
白いガンダム。
人間の目なら、
色で分かる。
でも、
熱画像なら、
全部、
温度差。
つまり、
敵味方識別を、
カラーリングだけには頼れない。
■味方をどうやって見分ける?
これ、
かなり重要です。
真っ暗。
敵も味方も、
赤外線では、
似たような熱源。
そこで必要になるのが、
通信。
識別信号。
機体情報。
位置共有。
つまり、
センサー上では、
「この熱源は味方。」
「これは敵。」
と、
コンピューターが判別する。
そして、
コックピットのモニターへ、
色分けして表示する。
■パイロットが見ている色は「本物」ではない?
ここ、
面白いところです。
夜間。
実際のガンダムは、
ほとんど見えない。
でも、
コックピットでは、
ガンダムのコンピューターが、
景色を再構築する。
地面。
グレー。
味方。
青。
敵。
赤。
危険物。
黄色。
そんな風に、
存在しない色を付けて表示する。
つまり、
パイロットは、
現実とは違う色の戦場を見ていた可能性があります。
■雨が降ったらどうなる?
そして、
夜。
さらに、
雨。
これは、
かなり厄介です。
カメラには、
水滴。
霧。
湿気。
赤外線にも、
大気や水分の影響。
さらに、
地面が濡れる。
光が反射する。
煙。
爆発。
熱源。
戦場のセンサー環境は、
一気に複雑になります。
つまり、
モビルスーツの夜間戦闘能力は、
単純な暗視装置だけでは足りません。
■センサーを一つに頼らない
そこで、
複数の情報を使う。
可視光カメラ。
赤外線。
測距。
熱源。
通信。
味方からの情報。
それぞれ、
得意不得意があります。
一つが見えなくても、
別のセンサーで補う。
つまり、
モビルスーツの「目」とは、
一つではない。
機体全体が目だった。
そう考えた方が、
近いのかもしれません。
■頭部を破壊されても戦える理由
そう考えると、
以前の記事ともつながります。
メインカメラを破壊された。
でも、
すぐ完全な盲目になるとは限らない。
胸部。
肩。
バックパック。
その他の補助センサー。
複数の情報から、
最低限の映像を作る。
ただし、
情報量は落ちる。
だから、
戦える。
でも、
戦いにくい。
この辺りも、
かなり自然です。
■ニュータイプには夜も関係ない?
そして、
また、
この人たちです。
ニュータイプ。
敵が、
見えない。
センサーにも、
映らない。
でも、
「そこだ!」
と反応する。
夜。
煙。
デブリ。
障害物。
普通のパイロットなら、
センサー情報に頼らなければならない。
でも、
ニュータイプなら、
敵の存在そのものを感じる。
これ。
夜間戦闘では、
さらに恐ろしい能力だったのではないでしょうか。
■人間より機械の方が「夜」を見ている
そして、
ここまで考えて、
気づきます。
人間は、
暗闇を怖がります。
見えないから。
でも、
モビルスーツには、
暗闇という概念そのものが、
薄かったのかもしれません。
可視光がなければ、
赤外線。
それでもダメなら、
別のセンサー。
そして、
コンピューターが、
人間に理解できる映像へ変換する。
つまり、
人間が見ている夜と、
モビルスーツが見ている夜は、
まったく違う。
■しめ
夜。
真っ暗な森。
その中に、
ザクが一機。
モノアイ。
ピコーン。
昔は、
ただ、
格好いいと思っていました。
でも、
今は、
少し違って見えます。
もしかすると、
あの瞬間。
ザクの中では、
暗闇だった森が、
一気に姿を変えていたのかもしれない。
木。
地面。
建物。
熱源。
味方。
そして、
敵。
人間には、
何も見えない。
でも、
モビルスーツには、
全部見えている。
そして、
パイロットの目の前には、
実際には存在しない、
コンピューターが作った、
もう一つの夜が広がっている。
これ。
ちょっと怖いけど、
妙に格好いい。
暗闇で光る、
ガンダムのツインアイ。
ザクのモノアイ。
あれは、
闇を照らしているのではなく、
「機械には、もう見えている。」
その合図だったのかもしれません。
今日はここまで。
それでは、また別のお話で。