~モビルスーツの「塗装」は格好よさだけではない~
おはこんにちは。
どうも僕です。
白。
青。
赤。
そして、
黄色。
RX-78-2 ガンダム。
改めて見ると、
めちゃくちゃ目立ちます。
兵器です。
戦場へ出ます。
敵から撃たれます。
なのに、
白い。
青い。
赤い。
黄色まで入っている。
隠れる気、
ある?
と思ってしまいます。
一方、
ザクを見ると、
緑。
ジムは、
白系と赤系。
ティターンズのMSは、
濃紺。
そして、
シャア専用機。
赤。
モビルスーツには、
実にさまざまな色があります。
子どもの頃は、
「格好いいから。」
それだけでした。
でも、
兵器として考えてみると、
塗装にも、
いろいろな意味があるはずです。
今回は、
モビルスーツの、
「色」
について考えてみたいと思います。
■そもそも兵器は、なぜ塗装する?
まず、
ここから。
戦車。
戦闘機。
軍艦。
ほとんどの兵器は、
何らかの塗装がされています。
理由の一つが、
もちろん、
迷彩。
敵から、
見つかりにくくする。
でも、
それだけではありません。
金属表面を守る。
腐食を防ぐ。
識別する。
注意箇所を示す。
機体番号を表示する。
つまり、
塗装とは、
単なる「色付け」ではありません。
兵器を運用するための機能の一つ
でもあります。
■では、ガンダムの白は迷彩なのか?
どう考えても、
地上では目立ちます。
森林。
砂漠。
都市。
どこへ行っても、
白い18メートル。
かなり見つけやすそうです。
では、
宇宙なら?
黒い宇宙空間に、
白。
これも、
普通に考えれば目立ちます。
だったら、
全部黒く塗ればいい。
……と思いますよね。
でも、
宇宙戦では、
話が少し複雑です。
■宇宙で「黒く塗れば見えない」は本当?
宇宙は、
黒い。
だったら、
黒いモビルスーツなら、
見えない。
一見、
正しそうです。
でも、
宇宙には、
太陽があります。
機体に光が当たれば、
反射する。
さらに、
背景には、
地球。
月。
コロニー。
恒星。
そして、
モビルスーツ自身が発する、
スラスターの光。
つまり、
単純に黒くすれば、
完全に隠れられるわけではありません。
■そもそも敵は「目」で探しているのか?
そして、
ここが重要です。
モビルスーツ戦では、
人間の肉眼だけで、
敵を探しているわけではありません。
カメラ。
各種センサー。
赤外線。
熱源。
通信情報。
その他、
さまざまな情報から、
敵を探していると考えられます。
つまり、
人間の目には見えにくくても、
センサーには見つかる。
だったら、
塗装による迷彩の価値は、
現代の地上兵器とは、
少し違ってくるかもしれません。
■それでも地上では迷彩に意味がある
ただし、
地上戦なら話は別です。
森林。
砂漠。
雪原。
市街地。
背景があります。
そして、
建物や地形によって、
視界も遮られる。
だから、
モビルスーツでも、
環境に合わせた色には、
一定の意味があるでしょう。
緑。
茶色。
グレー。
白。
実際、
ガンダムシリーズにも、
地上環境を意識したような配色の機体は、
数多く登場します。
■18メートルを迷彩するという無茶
ただ、
問題があります。
デカい。
とにかく、
デカい。
18メートルです。
戦車とは、
サイズが違います。
木の陰に隠れる。
上半身が出る。
建物の陰へ。
頭が出る。
砂漠。
そもそも、
隠れるものがない。
つまり、
モビルスーツの場合、
完全に見えなくする迷彩というより、
輪郭を分かりにくくする
という方が、
現実的なのかもしれません。
■迷彩の目的は「透明になること」ではない
迷彩というと、
背景と同じ色にして、
消える。
そんなイメージがあります。
でも、
必ずしもそうではありません。
形を、
分かりにくくする。
距離感を、
狂わせる。
どちらを向いているのか、
判断しにくくする。
つまり、
敵が一瞬でも判断を誤れば、
意味があります。
モビルスーツなら、
肩。
腕。
脚。
胴体。
人型の輪郭を、
塗り分けによって崩す。
これは、
結構効果がありそうです。
■だったらガンダムのトリコロールは最悪?
では、
RX-78-2。
白。
青。
赤。
黄色。
輪郭、
めちゃくちゃ分かりやすい。
胸は青。
足は赤。
頭は白。
黄色い部分まである。
迷彩という意味では、
かなり不利に見えます。
でも、
ここで別の意味が出てきます。
識別。
■味方から見ても分かりやすい
戦場では、
敵に見つからないことも重要。
でも、
味方から、
敵と間違われないことも重要です。
特に、
巨大な人型兵器が、
高速で入り乱れる戦場。
一瞬で、
敵味方を判断する必要があります。
そこへ、
特徴的な配色。
「あれは味方だ。」
と分かる。
つまり、
目立つことが、
必ずしもデメリットとは限らない。
■「ガンダムが来た」と分かる意味
そして、
ガンダムの場合。
白い機体。
特徴的な顔。
V字アンテナ。
トリコロール。
遠くから見ても、
分かる。
味方からすれば、
「ガンダムが来た。」
これ。
かなり心強い。
逆に、
ジオン側からすれば、
「白いヤツだ。」
となる。
つまり、
色そのものが、
戦場で意味を持ち始める。
■シャア専用ザクは、なぜ赤い?
そして、
避けて通れない。
シャア。
赤。
迷彩?
ほぼ、
捨てています。
むしろ、
「俺はここにいる。」
と言っているようなもの。
では、
なぜ赤いのか。
もちろん、
キャラクターを象徴する色という、
作品上の理由があります。
でも、
世界観の中で考えるなら、
別の意味も見えてきます。
■エースの色は「旗」だった?
戦場では、
指揮官がどこにいるか。
味方にとって、
重要です。
赤いモビルスーツ。
目立つ。
「あそこにシャアがいる。」
分かる。
味方は、
その動きを見る。
ついていく。
士気が上がる。
つまり、
専用カラーは、
迷彩ではなく、
旗。
そんな役割も、
あったのかもしれません。
■敵に見つかるデメリットより、味方への効果
もちろん、
目立てば、
狙われます。
でも、
エースなら、
そのリスクを受け入れられる。
むしろ、
敵の注意を引く。
その間に、
味方が動く。
そう考えると、
エース専用カラーは、
単なる自己主張ではなく、
戦術的な意味を持つ可能性もあります。
ただし、
普通のパイロットがやったら、
たぶん、
ただの的です。
■塗装は装甲を守る
そして、
ここから、
地味だけど重要な話。
塗装は、
色だけではありません。
装甲表面を、
外部環境から守ります。
地上なら、
雨。
湿気。
泥。
砂。
塩分。
海上や沿岸なら、
塩害もあります。
金属製の巨大兵器なら、
腐食対策は重要です。
つまり、
塗装が剥がれたまま放置すると、
装甲そのものの寿命へ影響する可能性があります。
■「塗装剥げ」は格好いい。でも現場では?
ガンプラ。
ウェザリング。
エッジ部分を剥がす。
金属色を出す。
傷。
汚れ。
格好いい。
これ。
僕も好きです。
でも、
実際の整備兵からすれば、
「格好いい。」
ではない。
「塗り直さなきゃ。」
です。
塗膜が剥がれる。
下地が露出する。
腐食しやすくなる。
つまり、
ガンプラで格好いい、
歴戦の塗装剥げ。
現場では、
整備項目が一つ増えた状態かもしれません。
■宇宙なら塗装はいらない?
では、
真空の宇宙なら、
錆びない。
だったら、
塗装不要?
ここも、
そう単純ではないでしょう。
太陽光。
紫外線。
極端な温度変化。
宇宙線。
微小なデブリ。
宇宙空間には、
宇宙空間なりの過酷な環境があります。
つまり、
塗膜には、
単なる防錆以外の役割が必要になる可能性があります。
■色と「熱」の関係
ここで、
以前書いた、
排熱の記事につながります。
宇宙では、
熱を捨てるのが難しい。
そこで、
表面の性質が重要になります。
光を、
どれだけ吸収するか。
熱を、
どれだけ放射するか。
これは、
表面処理によって変わります。
つまり、
モビルスーツの色やコーティングは、
見た目だけではなく、
熱管理にも関係していた可能性
があります。
■「白い機体」には意味がある?
白い表面は、
可視光を多く反射します。
もちろん、
実際の宇宙機では、
単純に「白なら冷える」というほど簡単ではなく、
素材やコーティングの特性が重要です。
でも、
少なくとも、
機体表面の処理が、
温度管理と無関係とは考えにくい。
そうすると、
ガンダムの白。
ただの主人公カラーではなく、
宇宙機として考えても、
少し面白く見えてきます。
■塗料そのものにも重量がある
そして、
巨大兵器なら、
これも無視できません。
塗料。
塗れば、
重くなります。
18メートル級の機体。
全身を塗装する。
何層も塗る。
下地。
塗料。
保護層。
全部合わせれば、
それなりの重量になる可能性があります。
航空機では、
塗装重量も無視できません。
だったら、
モビルスーツでも、
同じでしょう。
■「塗らない」という選択肢
極端に言えば、
装甲材そのものに、
必要な耐候性があるなら、
塗装を減らす。
これだけで、
重量を減らせる可能性があります。
数十kg。
あるいは、
それ以上。
その分、
推進剤。
弾薬。
装備。
別のものを積める。
兵器では、
こういう小さな積み重ねが、
意外と重要です。
■整備現場では「同じ色」が重要だった?
さらに、
量産機。
ザク。
ジム。
ジェガン。
同じ色の機体が、
大量に並ぶ。
これ、
軍隊としては合理的です。
補修塗料を、
共通化できる。
どの基地でも、
同じ色。
どの整備班でも、
同じ塗料。
つまり、
塗装にも、
兵站があります。
■シャア専用カラーは整備兵泣かせ?
そう考えると、
またシャアです。
赤。
専用色。
もし、
専用の塗料が必要なら、
補給しなければならない。
傷つく。
補修する。
でも、
通常のザク用グリーンしかない。
どうする。
……もう、
緑で塗る?
シャア、
怒りそうです。
つまり、
専用カラーは、
整備や補給という面では、
結構面倒だった可能性があります。
■ガンプラの塗装を見る目が変わる
ここまで考えると、
ガンプラの塗装も、
少し違って見えてきます。
ただ、
好きな色に塗る。
それも、
もちろん楽しい。
でも、
「この機体はどこで戦う?」
と考える。
宇宙。
砂漠。
森林。
市街地。
極地。
だったら、
どんな色にする?
さらに、
部隊識別。
熱。
補修。
汚れ。
塗装剥げ。
そこまで考えて塗ると、
オリジナルカラーにも、
理由が生まれます。
■自分専用機を作るなら「設定」から塗る
たとえば、
砂漠仕様のジム。
ただ、
茶色にするだけではない。
砂埃が付きやすい。
関節周辺は、
擦れて塗装が剥がれる。
太陽光を受ける上面は、
退色する。
補修した装甲だけ、
微妙に色が違う。
これ。
塗装というより、
その機体の歴史を作っている。
ガンプラの面白さって、
ここにもあると思います。
■なぜガンダムは派手なのか
最初の疑問へ、
戻ります。
なぜ、
ガンダムは、
白。
青。
赤。
黄色。
あんなに目立つのか。
兵器として、
合理的か。
おそらく、
迷彩だけ考えれば、
もっと良い色があります。
でも、
ガンダムは、
単なる兵器ではありませんでした。
味方から見れば、
希望。
敵から見れば、
恐怖。
そして、
視聴者から見れば、
主人公。
だから、
あの色には、
兵器としての合理性とは別の、
「存在を知らせる意味」
があったのだと思います。
■しめ
子どもの頃。
ガンダムは、
白。
ザクは、
緑。
シャアは、
赤。
それだけでした。
でも、
色について考えてみると、
意外と深い。
隠れるため。
味方を識別するため。
装甲を守るため。
熱を管理するため。
そして、
自分が誰なのかを、
戦場へ知らせるため。
塗装は、
ただの飾りではない。
そして、
塗装が剥がれ、
傷が増え、
補修跡が残る。
その一つ一つが、
そのモビルスーツが、
どこで、
どう戦ってきたのかを物語る。
だから、
ガンプラに、
ほんの少し塗装剥げを入れる。
少しだけ、
泥を付ける。
それだけで、
プラスチックだった機体に、
妙に、
「時間」が生まれる。
これ。
塗装の面白さなんですよね。
モビルスーツの色とは、
単なるカラーリングではない。
もしかすると、
その機体が歩いてきた履歴そのものなのかもしれません。
今日はここまで。
それでは、また別のお話で。