おはこんにちは。
どうも僕です。
ガンダムを見ていると、
モビルスーツが、
よく吹き飛ばされます。
殴られる。
蹴られる。
爆発に巻き込まれる。
そして、
ドォン。
地面へ倒れる。
でも、
次の瞬間。
普通に立ち上がる。
そして、
また戦う。
これ。
子どもの頃は、
何とも思いませんでした。
でも、
よく考えてみてください。
全高約18メートル。
そして、
数十トン。
そんな巨大な機械が、
立った状態から、
地面へ倒れる。
これ、
「転んだ。」
で済むのでしょうか。
今回は、
モビルスーツにとっての、
「転倒」
について考えてみたいと思います。
■まず、人間でも転ぶと痛い
私たちは、
身長1~2メートル程度。
体重も、
数十kg程度です。
それでも、
立った状態から転ぶと痛い。
手をつく。
膝を打つ。
腰を打つ。
場合によっては、
骨折する。
では、
18メートル。
数十トン。
これが倒れたら、
どうなるのでしょう。
当然、
地面へ与える衝撃も、
機体が受ける衝撃も、
桁違いになります。
■モビルスーツは「自分の重さ」に殴られる
転倒すると、
敵から攻撃されていなくても、
機体には大きな力がかかります。
つまり、
モビルスーツは、
自分自身の重量によってダメージを受ける。
肩から倒れる。
腕から倒れる。
背中から倒れる。
膝をつく。
それぞれ、
衝撃が入る場所が違います。
装甲だけではありません。
内部フレーム。
関節。
センサー。
配管。
電子機器。
そして、
コックピット。
全部が、
一瞬で大きな衝撃を受ける。
■一番怖いのは「中の人」
そして、
忘れてはいけない。
モビルスーツには、
人間が乗っています。
機体の装甲が無傷でも、
パイロットまで無傷とは限りません。
18メートルの機体が、
地面へ叩きつけられる。
コックピットも、
一緒に急停止します。
パイロットの身体は、
シートベルトやハーネスで固定されているでしょう。
でも、
固定すれば、
すべて解決するわけではない。
頭。
首。
背中。
内臓。
身体には、
大きな加速度がかかります。
つまり、
機体が戦える状態でも、
パイロットが戦えなくなる可能性がある。
■「倒れ方」が重要だった?
そう考えると、
モビルスーツの操縦には、
敵を倒す技術だけではなく、
もう一つ重要な技術があったのかもしれません。
上手に倒れる。
人間も同じです。
柔道には、
受け身があります。
転倒したとき、
衝撃を身体の一箇所へ集中させない。
モビルスーツにも、
似た制御が必要だったのではないでしょうか。
■MSにも「受け身」がある?
敵に吹き飛ばされる。
そのまま背中から、
ドン。
ではなく、
腕を出す。
身体をひねる。
脚を動かす。
肩から接地する。
そして、
衝撃を分散する。
これ。
かなり高度な制御です。
でも、
モビルスーツが人間に近い身体構造を持つなら、
可能性はあります。
つまり、
優秀なパイロットほど、
転倒の瞬間まで機体を操縦していた。
そう考えると面白い。
■オート制御も相当重要だったはず
ただ、
パイロットが、
毎回すべての関節を操作するのは不可能です。
右肘を曲げる。
左膝を曲げる。
腰を回す。
手をつく。
そんなことを、
一つずつ操作していたら、
間に合いません。
だから、
機体側のコンピューターが、
かなりの部分を補助していたはずです。
転倒を検知。
姿勢を判断。
手を出す。
脚を曲げる。
頭部を守る。
コックピットへの衝撃を減らす。
つまり、
モビルスーツには、
巨大な「転倒防止・受け身プログラム」
が入っていた可能性があります。
■でも、手をついたら手が壊れない?
ここで、
前回の記事につながります。
モビルスーツの手。
精密機械です。
指。
関節。
センサー。
武器接続。
そんな手で、
数十トンの身体を支える。
大丈夫なのでしょうか。
おそらく、
人間のように、
手首だけで全重量を受けるのは危険です。
だから、
手。
前腕。
肘。
肩。
複数の部分へ、
衝撃を分散する必要があります。
■それでも「腕がある」ことは強い
ただ、
腕そのものがあることには、
大きなメリットがあります。
転びそうになった。
手をつく。
壁へ手を当てる。
建物を掴む。
地面へ腕を出す。
これによって、
完全な転倒を防げる可能性があります。
戦車には、
できません。
つまり、
モビルスーツの腕は、
武器を持つだけでなく、
18メートルの身体を守るためにも使える。
ここでも、
人型である意味が出てきます。
■地面によって難易度が全然違う
そして、
モビルスーツが立ち上がれるかどうか。
実は、
機体性能だけでは決まりません。
問題は、
地面。
コンクリート。
砂。
泥。
雪。
岩場。
森林。
全部違います。
■砂漠で手をついたら?
たとえば、
砂漠。
転倒する。
手をつく。
数十トンの重量が、
腕へかかる。
すると、
手が、
ズブッ。
地面へ沈む。
立ち上がろうとしても、
足元が滑る。
踏ん張れない。
つまり、
人間なら簡単にできる動作でも、
巨大な機械になると、
地盤そのものが耐えられない可能性があります。
■泥なら、もっと怖い
泥。
これも、
かなり危険です。
足が沈む。
倒れる。
腕も沈む。
膝も沈む。
そして、
起き上がろうとすると、
さらに沈む。
数十トン。
巨大な接地圧。
場合によっては、
敵に撃破されるより先に、
泥から出られなくなる。
これ。
地上用モビルスーツには、
かなり重要な問題だったはずです。
■市街地なら「転ぶ場所」がない
そして、
市街戦。
モビルスーツが倒れる。
そこには、
建物があります。
道路。
橋。
電線。
車。
そして、
人。
18メートルの機体が、
そのまま倒れれば、
周囲へ甚大な被害が出ます。
つまり、
市街地では、
「敵の攻撃を避ける」だけではなく、
どこへ倒れるか
まで考える必要がある。
■モビルスーツが転倒するだけで建物が壊れる
これ、
ガンダム作品では、
意外と怖い部分です。
敵を撃っていない。
ビームも使っていない。
ただ、
モビルスーツが倒れただけ。
それでも、
建物を潰す可能性がある。
つまり、
巨大兵器が市街地で戦うということ自体が、
すでに危険なのです。
戦闘が始まった時点で、
周囲は戦場になる。
これも、
モビルスーツという兵器の恐ろしさです。
■では、どうやって立ち上がる?
さて。
倒れました。
ここからが本題。
数十トンの機体。
どうやって、
立ち上がるのでしょう。
人間なら、
横を向く。
手をつく。
膝を立てる。
重心を移動する。
脚へ体重を乗せる。
立つ。
私たちは、
ほぼ無意識にやっています。
でも、
モビルスーツなら、
すべて機械制御です。
■重要なのは「力」より重心
巨大なモーターがあれば、
無理やり起き上がれる。
そう思います。
でも、
力だけでは難しい。
重要なのは、
重心。
数十トンの身体の重心を、
どこへ移動するのか。
腕。
膝。
脚。
腰。
順番に荷重を移していく。
一気に立とうとすれば、
関節へ大きな負担がかかります。
だから、
人間と同じように、
身体全体を使って立ち上がる。
■これ、ものすごい制御技術では?
考えてみると、
モビルスーツが普通に歩いていること自体、
かなり凄い。
片脚を上げる。
その瞬間、
全重量を反対側の脚で支える。
重心を移動。
脚を出す。
着地。
また反対へ。
さらに、
走る。
ジャンプする。
転ぶ。
立つ。
つまり、
モビルスーツには、
常に、
自分が今どんな姿勢なのか
を把握する必要があります。
■ジャイロだけでは足りない?
機体の傾き。
角速度。
加速度。
足裏の荷重。
関節角度。
地面の硬さ。
滑っているか。
沈んでいるか。
これらを、
リアルタイムで処理する。
そして、
転倒しないように、
関節を動かす。
今のロボット技術でも、
二足歩行は簡単ではありません。
それを、
18メートル。
数十トン。
しかも、
戦闘中。
これ。
考えれば考えるほど、
とんでもない。
■パイロットは「歩く操作」をしていない?
だから、
パイロットが、
一歩一歩、
脚を操作していたとは考えにくい。
パイロットが、
「前へ行く。」
と入力する。
あとは、
コンピューターが、
歩行動作へ変換する。
右脚。
左脚。
腕。
腰。
全部、
自動制御。
つまり、
モビルスーツの操縦とは、
身体を直接動かすというより、
「こう動きたい」と機械へ伝えること
だったのではないでしょうか。
■転倒からの復帰も半自動?
だったら、
起き上がる時も同じです。
パイロット。
「起きろ。」
入力。
コンピューター。
地面を確認。
右腕使用可能。
左脚損傷。
腰部正常。
重心計算。
最適な起き上がり動作を選択。
そして、
機体が動く。
これなら、
パイロットが一本一本の関節を操作する必要はありません。
■でも、脚が一本壊れたら?
ここからが、
戦場ならではです。
正常な状態なら、
立てる。
でも、
右脚損傷。
左腕なし。
膝関節故障。
そんな状態なら、
どうでしょう。
通常の起立プログラムは、
使えません。
そこで、
パイロットの技量が出る。
壁を使う。
武器を杖にする。
残った腕で身体を支える。
味方に引き起こしてもらう。
つまり、
壊れた身体をどう使うか。
ここから先は、
人間の判断になる。
■エースの凄さは「壊れてから」分かる?
これ。
結構好きな考え方です。
新品の高性能機を、
速く動かす。
もちろん凄い。
でも、
右腕がない。
脚も損傷。
センサーも一部故障。
そんな機体で、
まだ戦う。
むしろ、
こちらの方が、
パイロットの技量が出るのではないでしょうか。
自分の機体に、
今何ができるのか。
それを瞬時に判断する。
だから、
エースは、
機体性能を引き出す人ではなく、残った性能を使い切れる人
とも言えるのかもしれません。
■宇宙なら「転倒」は存在しない
そして、
面白いのが、
宇宙。
地面がない。
だから、
転倒もありません。
上下もない。
倒れているように見えても、
単に姿勢が変わっただけ。
つまり、
モビルスーツは、
宇宙では自分の重量を、
地面に支える必要がない。
ところが、
地球へ降りる。
その瞬間。
重力。
数十トンの機体重量が、
脚へ乗る。
■宇宙用MSをそのまま地上へ持ってきて大丈夫?
これも、
考えると面白い。
宇宙なら、
脚は主に姿勢制御へ使える。
でも、
地上では、
全重量を支えなければならない。
関節。
フレーム。
足首。
足裏。
全部に、
大きな荷重がかかる。
さらに、
歩く。
走る。
跳ぶ。
着地する。
つまり、
地上用モビルスーツには、
宇宙用とは違う、
構造的な強さ
が必要だったはずです。
■モビルスーツ最大の敵は「地面」だった?
宇宙では、
敵を見つける。
撃つ。
避ける。
推進剤を管理する。
地上では、
それに加えて、
地面があります。
滑る。
沈む。
崩れる。
つまずく。
転ぶ。
そして、
立ち上がる。
つまり、
地上戦では、
敵だけ見ていればいいわけではない。
足元そのものが戦闘条件になる。
■だから足の裏は重要だった
ガンプラを作っていると、
足裏。
あまり見ません。
完成したら、
ほぼ見えない。
でも、
実際のモビルスーツなら、
とんでもなく重要な場所です。
数十トンを支える。
衝撃を受ける。
地面の状態を感じる。
滑りを検知する。
機体の姿勢を維持する。
もしかすると、
頭部センサーと同じくらい、
足裏にも大量のセンサーが入っていたのかもしれません。
■人型であることの意味が、また一つ増える
前回、
「手」について書きました。
物を持つ。
武器を交換する。
味方を助ける。
そして今回。
転倒する。
手をつく。
膝を立てる。
身体をひねる。
起き上がる。
人間が普段、
何気なくやっている動作。
それを、
巨大な機械でも利用できる。
つまり、
モビルスーツが人型なのは、
単に人間に似せたからではなく、
人間という形そのものが、意外と汎用性の高い構造だったから
とも考えられます。
■しめ
ガンダムが、
敵に吹き飛ばされる。
地面へ、
ドォン。
そして、
立ち上がる。
昔は、
ただの戦闘シーンでした。
でも、
今見ると、
少し違います。
数十トンの身体。
衝撃。
地面。
重心。
関節。
パイロット。
そして、
起立制御。
全部が正常に働いて、
ようやく、
「立ち上がる。」
これ。
実は、
ビームライフルを撃つより、
難しいことなのかもしれません。
そして、
敵のビームを避けても、
足元の瓦礫につまずく。
砂に沈む。
泥にはまる。
数十トンの身体が、
容赦なく地面へ引っ張られる。
宇宙では、
自由に飛び回れた巨人。
でも、
地球へ降りた瞬間。
そいつには、
絶対に逃げられない敵が現れる。
重力。
モビルスーツにとって、
地上最大の敵は、
ジオンでも、
連邦でもなく、
案外、
この当たり前に存在する「重力」だったのかもしれません。
今日はここまで。
それでは、また別のお話で。