おはこんにちは。
どうも僕です。
ガンダムを見ていると、
当たり前のように、
モビルスーツが戦っています。
走る。
跳ぶ。
撃つ。
避ける。
後ろから来た敵にも反応する。
これ。
よく考えると、
とんでもないことをしています。
なぜなら、
パイロット本人は、
外を直接見ていない。
戦闘機なら、
キャノピー越しに空を見ることができます。
戦車にも、
外を見るための光学装置があります。
でも、
モビルスーツ。
パイロットは、
18メートル級の巨大な機械の、
しかも胴体の中にいる。
では、
彼らには一体、
何が見えているのでしょうか。
今回は、
モビルスーツの「目」。
そして、
コックピットについて考えてみたいと思います。
■パイロットは外を見ていない
まず、
ここからです。
ガンダムの顔には、
二つの目があります。
ザクには、
モノアイがあります。
でも、
あれは人間の目ではありません。
カメラです。
外部の映像を取得し、
その情報をコックピットへ送る。
つまりパイロットが見ている世界は、
機械によって作られた世界。
ここが面白い。
窓から外を見ているのとは、
根本的に違います。
■では、頭を壊されたら終わりなのか?
ガンダムシリーズでは、
頭部を破壊される場面があります。
メインカメラがやられる。
すると、
普通なら思います。
「もう何も見えないじゃん。」
でも、
必ずしもそうではありません。
モビルスーツには、
頭部以外にも複数のセンサーが存在します。
頭部メインカメラ。
サブカメラ。
各部センサー。
機体によって構成は違いますが、
一つのカメラだけですべてを見ているわけではない。
これは、
兵器として考えれば当然でしょう。
頭を撃たれただけで完全に視界ゼロ。
そんな兵器、
怖くて乗れません。
■でも「見える」と「戦える」は違う
ここが重要です。
メインカメラを失っても、
完全に何も見えなくなるとは限らない。
でも、
情報量は減る。
距離。
敵の位置。
照準。
速度。
周囲の状況。
戦闘では、
ほんの一瞬の情報不足が命取りになります。
だから、
「見えるから大丈夫。」
ではない。
どれだけ正確に見えるか。
こちらの方が、
はるかに重要です。
■ザクのモノアイは何を見ている?
そして、
モノアイ。
ザクの象徴です。
左右へ、
ギョロッ。
あれ、
格好いいですよね。
でも、
なぜ一つなのでしょう。
人間には、
目が二つあります。
二つの目から入った情報の差によって、
距離感を把握します。
ところが、
モビルスーツの場合、
必ずしも人間と同じ方法で距離を測る必要はありません。
レーザー。
画像解析。
各種センサー。
コンピューターによる測距。
つまり、
モノアイが一つだからといって、
人間の片目と同じではない。
「目」というより、複合センサーユニット。
そう考えた方が近いのでしょう。
■ガンダムのツインアイに意味はあるのか?
そうなると、
逆に疑問です。
ガンダム。
なぜ、
目が二つあるのでしょう。
機械なら、
別に人間の顔にする必要はありません。
ここには、
現実的な機能以上に、
「人型兵器としてのデザイン」があります。
ツインアイ。
V字アンテナ。
口のようなフェイス部分。
ガンダムは、
明確に顔を持っています。
つまり、
モビルスーツの頭部には、
兵器としてのセンサーと、キャラクターとしての顔
という二つの役割が存在している。
ここも、
ガンダムという作品ならではです。
■初代ガンダムのコックピットは意外と狭い
では、
中へ入ってみましょう。
RX-78-2のコックピット。
後の時代のような、
全天周囲モニターではありません。
前方を中心に、
複数のモニターを見る。
そして、
操縦桿。
ペダル。
各種計器。
つまり、
私たちがイメージする、
比較的「普通のコックピット」に近い。
しかし、
ここで問題があります。
モビルスーツは、
戦闘機より自由に動きます。
横。
後ろ。
上。
下。
宇宙なら、
上下そのものがありません。
これを、
前方モニター中心で把握する。
相当大変だったはずです。
■最大の敵は「死角」だった?
人間の視界にも、
死角があります。
でも、
人間なら、
首を回せます。
モビルスーツの場合、
パイロットが後ろを振り向いても、
コックピットの壁しかありません。
だから、
カメラを切り替える。
センサー情報を見る。
レーダーを見る。
味方から情報をもらう。
つまり、
初期のモビルスーツ戦では、
敵を見つける能力そのものがパイロット技量だった
可能性があります。
撃つ技術だけではない。
周囲の情報を頭の中で組み立てる。
これ。
かなり難しい。
■そして「全天周囲モニター」が登場する
そこで、
時代が進むと登場するのが、
全天周囲モニター。
『機動戦士Zガンダム』以降では、
コックピットの周囲そのものが、
映像で覆われます。
前。
後ろ。
上。
下。
まるで、
モビルスーツの中にいるのではなく、
宇宙空間へ自分自身が浮かんでいるような感覚。
これ、
ものすごい発明だと思います。
■パイロットを「18メートルの人間」にする
全天周囲モニターの本当の意味。
私は、
これだと思っています。
モビルスーツを自分の身体として感じさせる。
右を見る。
敵がいる。
左を見る。
味方がいる。
上を見る。
敵機が通過する。
人間が普段やっている、
「見る」という行為を、
そのまま巨大ロボットへ拡張する。
つまり、
パイロットの身体感覚を、
18メートルまで広げる装置。
そう考えると、
全天周囲モニターは、
単なる大画面ではありません。
■でも、映っている映像は「本物」なのか?
ここから、
少し怖い話になります。
パイロットが見ている映像。
本当に、
カメラが撮影した映像を、
そのまま映しているのでしょうか。
おそらく、
そうではないでしょう。
複数のカメラ映像を合成する。
歪みを補正する。
暗い場所を明るくする。
敵を強調する。
距離情報を表示する。
警告を重ねる。
つまり、
パイロットが見ているものは、
コンピューターによって加工された戦場
である可能性が高い。
■存在しない景色を見て戦っている?
たとえば、
背中側にカメラが三つある。
それぞれ、
少しずつ違う方向を撮影する。
コンピューターが、
その映像をつなぎ合わせる。
そして、
一枚の自然な景色として、
全天周囲モニターへ表示する。
だったら、
パイロットが見ている景色は、
実際には存在しません。
複数の情報から作られた、
合成された現実。
これ。
現代の自動車にある、
360度ビューにも少し似ています。
■カメラが壊れたら「世界」が消える
そして、
ここが一番怖い。
もし、
センサーが故障したら。
カメラが破壊されたら。
映像処理装置が壊れたら。
パイロットの目の前から、
その方向の世界そのものが消える。
外では敵が近づいている。
でも、
コックピットからは見えない。
パイロットにとって、
見えないものは、存在しないのと同じ。
これは、
かなり恐ろしいことです。
■だからニュータイプは強かった?
ここまで考えると、
ニュータイプの強さも、
少し違って見えてきます。
モビルスーツ戦では、
視界。
センサー。
レーダー。
通信。
さまざまな情報から、
敵の位置を判断します。
でも、
ニュータイプは、
その情報だけに頼らない。
「いる。」
「来る。」
そんな感覚で、
敵を察知する。
もしそうなら、
センサー技術がどれだけ進歩しても、
その外側から敵を感じ取れる。
モビルスーツ戦において、
とんでもないアドバンテージです。
■コックピットとは「人間と機械の境界」
こう考えると、
コックピットは、
単なる操縦席ではありません。
外には、
18メートルの機械。
中には、
一人の人間。
その二つを、
つなげる場所。
人間の目を、
モビルスーツのカメラへ。
人間の手を、
モビルスーツの腕へ。
人間の脚を、
モビルスーツの脚へ。
つまり、
コックピットとは、
人間を巨大な機械へ変換する場所
なのかもしれません。
■しめ
子どもの頃。
コックピットといえば、
操縦桿。
ボタン。
モニター。
ただ、
それだけでした。
でも、
今見ると、
少し違います。
パイロットは、
外を直接見ていない。
カメラが見る。
コンピューターが処理する。
モニターが映す。
そして、
人間が判断する。
つまり、
アムロが見ていた宇宙も、
カミーユが見ていた宇宙も、
本当の宇宙そのものではなかったのかもしれません。
機械によって作られた、
もう一つの宇宙。
その中心に、
たった一人で座る。
これ。
考えてみると、
妙に怖い。
18メートルの巨人を操っているのに、
自分の目で見られるものは、
何一つない。
それでも、
人間は機械を信じ、
戦う。
もしかすると、
モビルスーツで一番重要な部品は、
ビームライフルでも、
ジェネレーターでもなく、
人間と機械の間にある「コックピット」なのかもしれません。
今日はここまで。
それでは、また別のお話で。