おはこんにちは。
どうも僕です。
ガンダムを見ていて、
昔から妙に思うことがあります。
試作機、多くない?
RX-78。
GPシリーズ。
Z計画。
νガンダム。
F90。
F91。
ガンダムシリーズには、
とにかく試作機や少数生産機が多い。
しかも、
だいたい強い。
そうなると、
子どもの頃は思うわけです。
「そんなに強いなら、全部ガンダムにすればいいじゃん。」
これ。
誰しも一度くらい考えたことがあるのではないでしょうか。
でも大人になって、
兵器や工業製品という目線で見ると、
少し違って見えてきます。
そもそも、
試作機は何のために作るのでしょう。
今回は、
「ガンダムは本当に戦うためだけに作られたのか?」
そこから考えてみたいと思います。
■そもそも試作機とは何なのか
試作機というと、
量産機より高性能な、
特別な一機。
そんなイメージがあります。
でも、
本来の目的は少し違います。
新しい技術。
新しい構造。
新しい素材。
新しい兵器。
それらが、
本当に使えるのか試す。
そのために作るのが試作機です。
つまり、
試作機の目的は、
必ずしも戦場で勝つことではありません。
次に作る兵器のためにデータを取ること。
ここが重要です。
■RX-78は「完成品」だったのか
初代ガンダム。
RX-78-2。
一年戦争を代表する、
圧倒的な性能を持ったモビルスーツです。
でも、
連邦軍にとって本当に重要だったのは、
ガンダム一機が何機のザクを倒したかだけではなかったはずです。
ビーム兵器。
ルナ・チタニウム系装甲。
教育型コンピューター。
モビルスーツという兵器そのもの。
そして、
実戦データ。
それらを集める。
そして、
次へ渡す。
その先にいたのが、
ジム。
つまり、
ガンダム一機を作るために使った金や技術は、
一機だけのためではなかった。
その後ろに続く、
大量の量産機のためでもあったわけです。
■一機のガンダムより、千機のジム
戦争をするなら、
本当に重要なのは、
一機の超高性能機ではありません。
量産できること。
整備できること。
部品を供給できること。
兵士が扱えること。
そして、
数を揃えられること。
ガンダムが、
ザク10機を倒せるとしても、
その金でジムを20機作れるなら、
軍隊としてどちらを選ぶのか。
ここに、
兵器開発の難しさがあります。
最強の兵器と、最良の兵器は違う。
■それでも試作機を作る理由
では、
量産しない機体へ、
なぜ莫大な金を使うのでしょう。
理由は、
その一機で、
未来の失敗を減らせるからです。
新型ジェネレーター。
新型推進器。
新しい武器。
新素材。
新しい制御システム。
いきなり千機作って、
「やっぱり駄目でした。」
では困ります。
だから、
まず一機作る。
動かす。
壊す。
直す。
また動かす。
そして、
データを取る。
つまり試作機とは、
兵器であると同時に、巨大な実験装置でもある。
そう考えると、
ガンダムの見え方が少し変わってきます。
■GPシリーズなんて、まさに実験場
『機動戦士ガンダム0083』の、
ガンダム開発計画。
GP01。
GP02。
GP03。
同じ「ガンダム」なのに、
方向性がまるで違います。
汎用機。
核攻撃能力を持つ機体。
巨大な兵装システムと組み合わせる機体。
これは、
「どれが最強か」を競っているというより、
次世代モビルスーツで何ができるのかを試している。
そんな計画にも見えます。
試作機だからこそ、
極端なことができる。
これも、
試作機の面白さです。
■試作機は「失敗してもいい」
ここも、
量産機との大きな違いです。
量産機は、
失敗できません。
何百機。
何千機。
部品。
工場。
整備設備。
全部用意した後で、
重大な欠陥が見つかったら大変です。
でも、
試作機なら違う。
壊れてもいい。
問題が出てもいい。
むしろ、
問題を見つけるために作っている。
だから、
無茶な性能。
特殊な装備。
極端な構造。
そうしたものを試すことができます。
ガンダムに変な機体が多いのも、
ある意味では、
試作機だから許されたのでしょう。
■そして究極の実験機「F90」
この考え方を突き詰めると、
ものすごく面白いガンダムがいます。
ガンダムF90。
宇宙世紀0120年代。
モビルスーツの小型化を進める、
サナリィのフォーミュラ計画。
その中で生まれた試作機です。
そしてF90最大の特徴が、
ミッションパック。
機体そのものを作り替えるのではなく、
任務に応じて装備を交換する。
■一機で何種類試すつもりなのか
F90には、
機体各部へハードポイントが設けられています。
そこへ、
用途に応じた装備を取り付ける。
長距離支援。
格闘戦。
水中戦。
大気圏離脱。
重爆撃。
指揮官仕様。
任務が変われば、
機体そのものを新しく作るのではなく、
装備を交換する。
これ。
試作機として考えると、
ものすごく合理的です。
■F90は「ガンダム」ではなく実験台だった?
普通なら、
水中戦用MSを作る。
宇宙戦用MSを作る。
支援用MSを作る。
それぞれ、
別の機体を開発します。
でもF90なら、
基本となる機体を一つ作って、
装備だけ変える。
そうすれば、
同じ機体条件で、
さまざまな装備を比較できます。
つまりF90は、
一機のガンダムというより、
モビルスーツ技術を試すための共通実験プラットフォーム
だったのではないでしょうか。
■だから「A to Z」なのか
F90のミッションパック構想には、
アルファベットを冠したさまざまな仕様があります。
A。
B。
C。
D。
そして、
F。
M。
P。
U。
などなど。
プレミアムバンダイでも、
この構想をガンプラとして展開する、
「F90 A to Z PROJECT」
が進められています。
F90本体を中心に、
ミッションパックを交換していく。
これ、
ガンプラと恐ろしく相性がいい。
■そしてF91へ
F90で試された、
小型モビルスーツという思想。
新しい技術。
新しい運用。
それらは、
さらに先へ進んでいきます。
そして、
F91へ。
ここで重要なのは、
F90自身が歴史に名を残す最強兵器になる必要はなかった、
ということです。
F90で試す。
データを取る。
問題を見つける。
改良する。
そして、
次へ渡す。
それこそ、
試作機の仕事なのです。
■ガンダムの本当の価値は「何機倒したか」ではない?
こう考えると、
面白くなります。
ガンダムの価値を、
撃墜数だけで考える必要はありません。
その機体から、
どれだけの技術が生まれたのか。
その技術が、
次の量産機へどう受け継がれたのか。
そして、
さらに次の世代へ、
何を残したのか。
つまり、
試作型ガンダムの本当の戦果とは、
敵を倒した数ではなく、未来へ渡した技術だった。
私は、
そんな見方もできると思っています。
■そしてガンプラでF90を楽しむ
さて、
ここまでF90の話をしたら、
やっぱりガンプラも見たくなります。
現在、
プレミアムバンダイでは、
MG 1/100 ガンダムF90
を中心に、
「F90 A to Z PROJECT」が展開されています。
F90本体は完全新規造形でMG化。
そして面白いのが、
やっぱりミッションパックです。
ガンプラなのに、
遊び方そのものがF90の開発思想とつながっている。
■MG 1/100 ガンダムF90
まず基本となる、
MG 1/100 ガンダムF90。
これが、
すべてのベース。
F90単体で完成させても、
かなり格好いい。
でも、
ここからが本番。
各部のハードポイントへ、
ミッションパックを装着できます。
つまり、
完成したガンプラへ、
後から役割を与えていく。
これ。
F90らしい。
→ プレミアムバンダイ公式「F90 A to Z PROJECT」
https://p-bandai.jp/hobby/f90project/
※販売・予約状況は時期によって変わります。
■格闘戦か、水中戦か
たとえば、
Fタイプ&Mタイプ。
Fタイプは、
格闘戦仕様。
腕部格闘装備。
腰部サブアーム。
専用装備を追加して、
近接戦闘へ特化します。
一方、
Mタイプは、
水中戦仕様。
大型ハイドロ・ジェットを備え、
水中での機動性と攻撃能力を強化する。
同じF90なのに、
装備を変えるだけで、
まったく別の兵器になる。
これこそ、
F90の面白さです。
→ プレミアムバンダイ公式「MG F90用 ミッションパック Fタイプ&Mタイプ」
https://p-bandai.jp/item/item-1000175339/
■重爆撃仕様まである
さらに、
Bタイプ。
B=BOMBARD。
重爆撃仕様です。
バックパックには、
2門のキャノン。
肩。
脚。
全身に重火器を装備する。
素のF90と並べると、
同じ機体とは思えないほど印象が変わります。
一機のガンダムを作るのではなく、
「F90というシステムを作る」。
そんな感覚になってくるのが、
このシリーズの面白いところです。
■ガンプラなのに開発計画を追体験できる
普通のガンプラなら、
一機完成すれば、
そこで一区切りです。
でもF90は違う。
次は、
どのミッションパックを付けよう。
この装備は、
何のために作られたんだろう。
なぜ、
こんな構造になったんだろう。
そう考えながら、
装備を増やしていく。
つまり、
作っている側まで、
サナリィの開発者になったような気分になる。
これ。
F90というガンプラならではの楽しみ方だと思います。
■しめ
子どもの頃。
試作型ガンダムという言葉を聞くと、
こう思っていました。
量産機より強い、特別なガンダム。
でも、
今は少し違います。
試作機とは、
未来のために作るもの。
成功する技術。
失敗する技術。
使える装備。
使えない装備。
全部試す。
そして、
その結果を、
次の機体へ渡す。
RX-78から、
ジムへ。
さまざまなガンダム開発を経て、
F90から、
さらに次の世代へ。
そう考えると、
ガンダムとは、
最強の兵器だったから歴史に残ったのではなく、
次の時代を作るための実験機だったからこそ、ガンダムだった。
そんな見方もできるのかもしれません。
そして棚にF90を置いて、
今日はFタイプ。
次はMタイプ。
いや、
重武装もいい。
……なんて考え始める。
なるほど。
実験機というやつは、
ガンプラになっても、
実験が終わらないのである。
今日はここまで。
それでは、また別のお話で。