おはこんにちは。
どうも僕です。
毎月恒例。
渋いキャラクターシリーズ。
今回取り上げるのは、
ザビーネ・シャル。
『機動戦士ガンダムF91』に登場した、
クロスボーン・バンガード「黒の戦隊」の指揮官です。
眼帯。
黒い制服。
冷静な物腰。
そして、
圧倒的なモビルスーツ操縦技術。
これ。
渋い。
ただ、
ザビーネという男。
『F91』だけを見るのと、
その後の『機動戦士クロスボーン・ガンダム』まで追うのとでは、
まったく印象が違います。
騎士道を重んじた男は、
なぜ最後には狂気へと向かってしまったのでしょうか。
今回は、
ザビーネ・シャルという一人の男の変化を、彼が乗ったモビルスーツとともに追ってみたいと思います。
■黒の戦隊を率いる男
宇宙世紀0123年。
クロスボーン・バンガードは、
フロンティア・サイドへの侵攻を開始します。
その精鋭部隊、
黒の戦隊を率いていたのが、
ザビーネ・シャルでした。
右目には眼帯。
階級は大尉。
そして、
非常に高い操縦技術を持つパイロット。
単なるエースではありません。
指揮官としても優秀でした。
しかし、
ザビーネを特徴づけるのは、
その強さだけではありません。
騎士であろうとする男。
私は、
そこがザビーネ最大の魅力だと思っています。
■敵なのに、単純な悪人には見えない
『F91』のクロスボーン・バンガードは、
主人公シーブックたちから見れば敵です。
当然、
ザビーネも敵側。
ところが、
彼には妙な一本筋があります。
命令だから、
何でもやる。
そんな軍人ではありません。
象徴的なのが、
バグによる無差別殺戮です。
機械によって、
民間人まで無差別に殺していく。
ザビーネは、
それを良しとしませんでした。
そして、
その計画に関わったジレ・クリューガーを自ら射殺します。
敵側の軍人なのに、
「これは違う。」
と言える。
だからザビーネには、
単なる悪役ではない格好良さがありました。
■ザビーネが信じた「コスモ貴族主義」
ただし、
ここが難しい。
ザビーネは、
クロスボーン・バンガードが掲げる、
コスモ貴族主義
を信じています。
優れた者が責任を持って、
社会を導く。
そこには、
腐敗した地球連邦への批判という側面もありました。
そしてザビーネ自身も、
上に立つ者には、
それだけの責任と品格が必要だと考えていたのでしょう。
だからこそ、
無差別殺戮を許せなかった。
でも、
この考え方には、
一つ大きな危うさがあります。
「優れた者」とは、誰が決めるのでしょうか。
ここから、
ザビーネという男の物語は、
少しずつ変わっていきます。
■最初の愛機「ベルガ・ギロス」
『F91』時代のザビーネを象徴するモビルスーツ。
それが、
XM-05 ベルガ・ギロス。
クロスボーン・バンガードの高性能機です。
シェルフ・ノズル。
ショット・ランサー。
ビーム・シールド。
そして、
黒の戦隊を率いるザビーネに似合う、
ダークな機体色。
派手ではありません。
でも、
妙に格好いい。
特に、
ショット・ランサー。
騎士が、
槍を構える。
ザビーネという人物に、
これ以上似合う武器もありません。
機体そのものが、
彼の「騎士」というイメージを表しているように感じます。
■そしてクロスボーン・ガンダムへ
時代は進み、
宇宙世紀0133年。
ザビーネは、
宇宙海賊クロスボーン・バンガードへ参加します。
そこで彼が乗るのが、
クロスボーン・ガンダムX2。
黒いガンダム。
これがまた、
ザビーネに恐ろしく似合う。
X1を駆る、
キンケドゥ・ナウ。
X2を駆る、
ザビーネ・シャル。
かつて敵だった二人が、
同じ側で戦う。
ところが、
ザビーネの中から、
コスモ貴族主義という思想は消えていませんでした。
■騎士道が「選民思想」へ変わっていく
『F91』のザビーネには、
まだ「責任」がありました。
強い者。
優れた者。
上に立つ者。
だからこそ、
弱い者を守る。
そんな騎士道が、
どこかにあったように思います。
しかし、
『クロスボーン・ガンダム』の時代になると、
少しずつ違ってきます。
優れた者が導く。
それが、
優れた者こそ支配するべきだ。
へ変わっていく。
似ているようで、
これはまったく違います。
■ザビーネは突然壊れたのか
私は、
ザビーネがある日突然、
別人になったとは思っていません。
むしろ、
最初から持っていたものが、
少しずつ歪んでいった。
そんなふうに見えます。
自分には、
正しい思想がある。
自分には、
理想がある。
自分は、
間違っていない。
その確信が強くなるほど、
違う考えを受け入れられなくなる。
そして、
いつしか、
思想を守ることそのものが目的になってしまう。
これ。
妙に怖い。
ザビーネは、
自分の正義を疑えなくなってしまったのかもしれません。
■X2からX2改へ
そしてザビーネは、
木星帝国側へと渡ります。
クロスボーン・ガンダムX2も、
木星帝国によって復元・改修され、
クロスボーン・ガンダムX2改
へと姿を変えます。
ここも、
妙に象徴的です。
ベルガ・ギロス。
クロスボーン・ガンダムX2。
そして、
X2改。
乗っている機体は、
変わっていく。
しかし、
黒を基調としたイメージは変わらない。
私は、
そこにザビーネという男の執念を感じます。
■キンケドゥとの戦い
そして、
ザビーネを語るうえで外せないのが、
キンケドゥ・ナウとの関係です。
キンケドゥ。
つまり、
かつてのシーブック・アノー。
『F91』から続いてきた二人が、
再び戦う。
ただし、
この時のザビーネは、
かつての黒の戦隊隊長とは違います。
騎士として戦っていた男が、
思想に取り憑かれた男へ変わってしまった。
だからこそ、
二人の戦いには、
単なるライバル対決とは違う、
妙な悲しさがあります。
■ザビーネは悪人だったのか
では、
ザビーネ・シャルは、
悪人だったのでしょうか。
私は、
単純にそうとは言い切れないと思っています。
少なくとも『F91』の彼には、
守ろうとしていたものがありました。
騎士道。
秩序。
理想。
そして、
民間人を無差別に殺すことへの嫌悪。
しかし、
自分の理想を信じ続けるうちに、
その理想そのものが、
彼を縛ってしまった。
だから、
ザビーネというキャラクターは面白い。
■騎士になりたかった男
ザビーネは、
最後まで、
高潔な人間でありたかったのではないでしょうか。
ただ、
高潔であることと、
自分だけが正しいと思うこと。
その境界線を、
いつしか越えてしまった。
騎士道は、
選民思想へ。
理想は、
執着へ。
誇りは、
狂気へ。
だから私は、
ザビーネを単なる悪役として見ることができません。
むしろ、
理想を持ちすぎた人間の悲しさ。
そこを感じます。
■ザビーネ・シャルのガンプラを作る
さて、
ここからはガンプラです。
ザビーネというキャラクター。
実は、
搭乗機を順番に並べてみると、
彼の人生まで見えてくるのが面白い。
ベルガ・ギロス。
クロスボーン・ガンダムX2。
そして、
クロスボーン・ガンダムX2改。
黒い機体を追っていくだけで、
ザビーネという人物の変化まで見えてきます。
■1/100 ベルガ・ギロス
まず、
『F91』のザビーネを作るなら、
やっぱりこれ。
1/100 ベルガ・ギロス。
1991年発売のキットです。
現在のMGやRGと比べれば、
当然、
設計には時代を感じます。
でも、
そこがいい。
公式の商品情報によれば、
シェルフ・ノズルの基部が可動。
ショット・ランサーは槍部分を着脱でき、
ビーム・シールドも展開状態と収納状態を再現できます。
まさに、
ザビーネ・シャルの原点。
旧キットに少し手を入れながら、
『F91』時代のザビーネを作る。
これ。
かなり渋い。
→ BANDAI SPIRITS公式「1/100 ベルガギロス」商品ページ
■HGUC 1/144 クロスボーン・ガンダムX2
そして、
『クロスボーン・ガンダム』時代のザビーネへ。
通常のX2も、
HGUC 1/144 クロスボーン・ガンダムX2
として商品化されています。
小型MSなので、
1/144ならコンパクトに飾れる。
ベルガ・ギロスとは全く違う機体なのに、
黒いカラーリングを見ると、
やっぱりザビーネ機だと感じる。
面白いところです。
プレミアムバンダイ公式の過去商品一覧でも、
ザビーネが操るX2として商品化されたことを確認できます。
→ プレミアムバンダイ「HGUC クロスボーン・ガンダムX2」掲載ページ
■RG 1/144 クロスボーン・ガンダムX2
そして、
今のガンプラとしてザビーネ機を一機選ぶなら、
私はこれを推したい。
RG 1/144 クロスボーン・ガンダムX2。
黒い機体。
ABCマント。
そして、
ショット・ランサー。
ベルガ・ギロスから続く、
ザビーネと「槍」のイメージ。
これがX2でも残っているのがいい。
1/144という小さなスケールに、
クロスボーン・ガンダムらしい密度感が詰まっている。
ザビーネのガンプラを、
今のフォーマットで一機しっかり作りたい。
そんな人には、
個人的にはRGが本命です。
→ プレミアムバンダイ公式「RG 1/144 クロスボーン・ガンダムX2」
■MG 1/100 クロスボーンガンダムX2 Ver.Ka
もう少し大きなサイズで、
X2をじっくり作りたいなら、
MG 1/100 クロスボーンガンダムX2 Ver.Ka。
そして、
ここで面白いことができます。
ベルガ・ギロスも、
1/100。
MG X2も、
1/100。
つまり、
二機を同じスケールで並べられる。
『F91』のザビーネ。
『クロスボーン・ガンダム』のザビーネ。
二つの時代を、
同じスケールで並べる。
これ。
かなりやってみたい。
→ プレミアムバンダイ「MG 1/100 クロスボーンガンダムX2 Ver.Ka」掲載ページ
■HGUC 1/144 クロスボーン・ガンダムX2改
そして、
ザビーネの最後まで追うなら、
HGUC 1/144 クロスボーン・ガンダムX2改。
木星帝国によって復元・改修されたX2です。
公式商品では、
X1とは異なる頭部とブレードアンテナ、
大型化された背部スラスターの形状などを再現。
さらに、
全長約150mmという大型のバスターランチャーも付属します。
ベルガ・ギロスから、
X2。
そして、
X2改。
ザビーネという人物の変化を知ってから見ると、
この機体には、
どこか不穏な格好良さがあります。
→ プレミアムバンダイ公式「HGUC 1/144 クロスボーン・ガンダムX2改」
■ザビーネをガンプラで並べるなら
私なら、
1/100 ベルガ・ギロス。
そして、
MG 1/100 クロスボーンガンダムX2 Ver.Ka。
この二機を並べたい。
同じ1/100。
でも、
まったく違うモビルスーツ。
その二機の間にあるのが、
ザビーネ・シャルという男の時間です。
騎士道を掲げた男が、
理想を追い、
やがて、
その理想に飲み込まれていく。
ガンプラは、
好きな機体を作るだけでも楽しい。
でも、
キャラクターの人生を追いながら、
搭乗機を並べる。
そんな楽しみ方もあります。
ザビーネの場合、
それが妙に似合う。
■しめ
『F91』を見た頃、
ザビーネは、
ただ格好いい敵キャラクターでした。
眼帯。
黒い制服。
ベルガ・ギロス。
ショット・ランサー。
これ。
格好いい。
でも、
『クロスボーン・ガンダム』まで追うと、
少し印象が変わります。
この人は、
どこで間違えたのだろう。
そんなことを考えてしまいます。
正義を疑わなかった男ではない。
むしろ、
自分なりの正義を、
強く持っていた男だった。
だからこそ、
その正義が歪んだとき、
誰にも止められなかった。
ザビーネ・シャル。
騎士であろうとした男が、
最後まで守れなかったもの。
それはもしかすると、
自分自身だったのかもしれません。
そして、
ベルガ・ギロスから、
クロスボーン・ガンダムX2へ。
ガンプラを並べながら、
一人のキャラクターの人生を振り返ってみる。
そんなガンプラの楽しみ方も、
なかなか粋なのではないでしょうか。
今日はここまで。
それでは、また別のお話で。