~拾ったガンダムは「お宝」なのか、それとも巨大な不良在庫なのか~
おはこんにちは。
どうも僕です。
『機動新世紀ガンダムX』を見ていて、
ずっと気になっていたことがあります。
ガロードたちは、
戦場跡に残されたモビルスーツや兵器を回収します。
いわゆる、
バルチャー。
子どもの頃は、
「モビルスーツを拾ったら大金持ちじゃん。」
そんなふうに思っていました。
だって、
モビルスーツです。
18メートル級の巨大兵器。
しかもガンダムなんて拾った日には、
もう一生働かなくてもいいんじゃないか。
そんな気さえします。
でも大人になって考えてみると、
少し違う。
車だって、
買えば終わりではありません。
保険。
燃料。
駐車場。
整備。
税金。
これが18メートルの巨大兵器だったらどうでしょう。
もしかすると、
ガンダムを拾うということは、
宝くじに当たることではなく、
とんでもない金食い虫を拾うことなのかもしれません。
今回は、
モビルスーツを「兵器」ではなく、
資産として考えてみたいと思います。
■そもそも、なぜモビルスーツが落ちているのか
ガンダムXの世界では、
第7次宇宙戦争によって文明そのものが大きな被害を受けました。
そして戦争が終わったあとも、
大量の兵器が世界中に残されました。
モビルスーツ。
戦艦。
武器。
弾薬。
部品。
それらを回収し、
修理し、
売買する人々が現れます。
それがバルチャーです。
つまり彼らは、
単なる盗賊ではありません。
見方を変えれば、
戦争によって残された資産を再び市場へ戻す仕事
をしていたとも考えられます。
■モビルスーツ一機はいくらなのか
残念ながら、
「このMSは○○円。」
そんな中古車情報サイトのような価格表はありません。
なので今回は、
金額そのものではなく、
何によって価格が決まるのかを考えてみます。
まず重要なのは、
機体の状態。
歩けるのか。
ジェネレーターは動くのか。
センサーは生きているのか。
武器は使えるのか。
部品は揃っているのか。
これだけでも、
価格は大きく変わるはずです。
■動かないモビルスーツにも価値がある
面白いのはここです。
完全に壊れたモビルスーツでも、
価値がゼロとは限りません。
腕。
脚。
関節。
センサー。
装甲。
アクチュエーター。
電子部品。
武器。
使える部品だけ取り外して売ればいい。
以前、モビルスーツの関節について書きましたが、
関節のような消耗部品なら、
むしろ需要は大きかったかもしれません。
つまり、
モビルスーツは一機丸ごと売るだけではない。
部品取り車ならぬ「部品取りMS」
としての価値もあったはずです。
■問題は「誰が買うのか」
そして、
中古品には絶対に必要なものがあります。
買い手です。
ガンダムを拾った。
すごい。
でも、
誰が買うのでしょう。
国家。
軍隊。
武装組織。
別のバルチャー。
おそらく買える人間は限られます。
いくら高性能でも、
買い手がいなければ価値はありません。
これ。
中古車でも不動産でも同じです。
「高価なもの」と、
「高く売れるもの」は、
必ずしも同じではありません。
■高性能機ほど高く売れるとは限らない
ここも面白いところ。
普通なら、
ガンダムタイプの方が高そうです。
しかし、
本当にそうでしょうか。
高性能な機体ほど、
専用部品が必要。
特殊な整備設備が必要。
扱える技術者も必要。
つまり、
維持費が高い。
逆に、
大量に残っている量産型モビルスーツなら、
部品が手に入りやすい。
整備方法も知られている。
武器も流通している。
だったら、
実用品としては、
ガンダムより量産機の方が人気だった可能性すらあります。
高級スポーツカーより、
中古のトラックの方が必要とされる。
そんな世界です。
■最大の問題は維持費
そして、
モビルスーツ最大の問題。
維持費です。
18メートル級の機械を動かす。
それだけで大変です。
整備士。
交換部品。
武器。
弾薬。
推進剤。
輸送。
格納設備。
これらすべてが必要になります。
つまり、
モビルスーツを一機所有するということは、
車を一台持つ感覚ではありません。
どちらかといえば、
小型航空機や重機を所有する感覚に近い。
いや、
武装まで考えれば、
それ以上かもしれません。
■ガンダムを拾ったら本当に金持ちになれるのか
では、
ガロードがガンダムXを売っていたらどうなったのでしょう。
おそらく、
非常に高い価値はあったと思います。
希少なガンダムタイプ。
高性能。
そしてサテライトシステム。
しかし同時に、
扱える人間も限られる。
整備できる人間も限られる。
買える人間は、
さらに限られる。
だから私は、
ガンダムXは、
「ものすごく価値はある。でも簡単には売れない。」
そんな資産だったのではないかと思っています。
■実はバルチャーは「物流業者」だった?
そして今回考えていて、
一番面白いと思ったのがここです。
バルチャーという仕事。
彼らは、
戦場跡から物資を探します。
回収する。
運ぶ。
修理する。
そして、
必要な人へ売る。
これ、
やっていることだけを見ると、
物流とリサイクルなんです。
もちろん武装した集団も存在します。
しかし、
文明が崩壊した世界では、
新品を大量生産するより、
残された物を再利用する方が早い。
つまりバルチャーは、
荒廃した世界の経済を動かす存在でもあったのかもしれません。
■モビルスーツの価値は「強さ」では決まらない
子どもの頃なら、
ガンダム。
強い。
だから高い。
そう考えていました。
でも、
経済という視点で見ると違います。
重要なのは、
性能。
希少性。
状態。
整備性。
部品供給。
維持費。
そして、
需要。
つまり、
兵器として最強だからといって、
商品として最高とは限らない。
むしろ荒廃した世界では、
「ちゃんと動いて、簡単に直せる機体」
の方が価値が高かったのかもしれません。
■まとめ
ガンダムXの世界で、
モビルスーツが実際にいくらで取引されていたのか。
正確な金額を出すことはできません。
でも、
だからこそ面白い。
戦争が終われば、
兵器は兵器であると同時に、
資源になります。
鉄。
機械。
部品。
エネルギー。
そして、
技術。
バルチャーたちは、
戦争の残骸を拾っていたのではありません。
滅びた文明の資産を拾い集めていた。
そう考えると、
ガンダムXの世界が少し違って見えてきます。
■しめ
子どもの頃は、
「ガンダムを拾った。」
それだけで、
ものすごく羨ましかった。
でも今なら思います。
置く場所どうするんだ。
整備どうするんだ。
壊れたら誰が直すんだ。
そして、
誰に売るんだ。
これ。
考え始めると、
まったく夢がありません。
でも、
妙にリアルです。
戦争が終わった世界では、
最強の兵器より、
直せる兵器。
使える部品。
運べる物資。
そんなものの方が、
人間が生きていくためには重要だったのかもしれません。
『ガンダムX』が面白いのは、
ガンダムが存在する世界ではなく、
ガンダムすら「中古品」になってしまった世界を描いたこと。
そこにも、
この作品ならではの魅力があるように思います。
今日はここまで。
それでは、また別のお話で。