おはこんにちは。
どうも僕です。
前回は、
『機動新世紀ガンダムX』の世界について書きました。
第7次宇宙戦争。
コロニー落とし。
荒廃した地球。
そして、
ニュータイプ。
今回は、そのニュータイプを利用して作られた、
ある兵器について考えてみたいと思います。
Gビット。
子どもの頃に見た時は、
「ファンネルみたいなものかな。」
くらいに思っていました。
でも違う。
よく考えると、
これ。
妙に恐ろしい兵器なんです。
なぜなら、
飛んでいる小さな端末ではありません。
モビルスーツそのものを無人で動かしてしまう。
今回はGビットという兵器を、
軍事。
技術。
そして人間。
この3つの視点から考えてみたいと思います。
■そもそもGビットとは何なのか
Gビットとは、
フラッシュシステムによって制御される無人モビルスーツです。
ガンダムXの場合、
ニュータイプ能力を持ったパイロットが母機から複数のGビットを遠隔操作します。
GX用Gビットは、
母機であるガンダムXと似た能力を持っています。
つまり、
単なる囮ではありません。
武器を持ち、
移動し、
攻撃する。
無人の戦闘用モビルスーツ。
これをニュータイプ1人が同時に操る。
ここが重要です。
■パイロット12人を育てなくていい
軍事的に考えると、
Gビット最大のメリットは、
火力だけではないと思います。
それは、
人間がいらないこと。
モビルスーツ12機を運用するなら、
普通は12人のパイロットが必要です。
しかも、
人を集めれば終わりではありません。
教育。
訓練。
食料。
酸素。
給与。
居住設備。
そして、
戦死した場合の補充。
兵士一人を戦力化するには、
莫大な時間とコストがかかります。
ところがGビットなら、
その問題を大幅に減らせる。
極端に言えば、
1人育てれば12機が戦える。
兵器として考えれば、
恐ろしく合理的です。
■現代戦にも近い考え方がある
ここがガンダムXの面白いところです。
現在の軍事技術でも、
有人兵器と無人兵器を組み合わせる研究が進んでいます。
一機の有人航空機を中心に、
複数の無人機を連携させる。
偵察。
電子戦。
攻撃。
囮。
それぞれを無人機へ担当させれば、
人間を危険な場所へ送り込む必要が減ります。
つまり、
ガンダムXが1996年に描いたGビットという発想は、
今見ると妙に現代的なのです。
■しかし最大の弱点も「1人」である
ただし、
ここで大きな問題があります。
12機を1人で動かせる。
これは長所です。
しかし、
逆から見ると、
12機すべてが1人に依存している。
ということでもあります。
母機が撃破されたら。
パイロットが意識を失ったら。
ニュータイプ能力が使えなくなったら。
一瞬で巨大な戦力を失う可能性があります。
12人のパイロットなら、
1人が撃墜されても11人残ります。
しかしGビットは違う。
戦力を集中させたことで、
同時に弱点まで集中させてしまった。
これ。
兵器としては非常に怖い。
■人間の脳は12機を処理できるのか
さらに疑問があります。
ニュータイプとはいえ、
人間です。
12機分の情報を同時に処理できるのでしょうか。
位置。
速度。
敵。
味方。
残弾。
攻撃方向。
回避行動。
これらを12機分。
普通の人間なら、
情報量だけで処理能力を超えるでしょう。
おそらくフラッシュシステムは、
12機を一体ずつ細かく操縦するものではなく、
ニュータイプの意思や空間認識を利用しながら、
ある程度自動制御していたのではないか。
私はそう考えています。
もし完全な手動操作なら、
ニュータイプ以前に、
人間の脳が持たないでしょう。
■そして最大の問題は「ニュータイプ」
もう一つ。
Gビットには、
もっと根本的な問題があります。
ニュータイプが必要なこと。
大量生産できる機械なら、
工場を増やせばいい。
しかし、
ニュータイプは工場では作れません。
しかも、
高い能力を持ったニュータイプは極めて希少です。
つまり、
Gビットをどれだけ大量生産しても、
それを動かす人間がいなければ意味がない。
兵器として強力なのに、
量産兵器として成立しにくい。
なんとも皮肉です。
■ニュータイプを「兵器の部品」にしてしまった
そして私は、
ここがガンダムXの一番重要なところだと思っています。
ニュータイプは、
本来なら人間です。
しかし軍隊は、
その能力を見つけた瞬間、
兵器として利用しました。
ニュータイプ1人で12機を動かせる。
ならば、
12人分働かせればいい。
人間の能力を、
兵器の性能として計算する。
これは、
宇宙世紀でも何度も繰り返されたことです。
ガンダムXでは、
その思想がさらに極端な形になった。
それがGビットなのではないでしょうか。
■究極の兵器になれなかった理由
Gビットは、
確かに強力です。
人的損失を減らせる。
圧倒的な火力を集中できる。
パイロット育成の負担も減る。
しかし、
ニュータイプという希少な存在に依存する。
一人を失えば、
複数機を同時に失う。
そして何より、
人間を兵器システムの一部として扱ってしまう。
だから私は、
Gビットは、
究極の兵器になれなかったのではなく、究極の兵器にしてはいけなかった。
そんな兵器だったように思います。
■しめ
子どもの頃は、
ガンダムがいっぱい飛んでいる。
単純に、
「強そう。」
そう思っていました。
でも大人になって見ると、
少し違って見えます。
12機の無人モビルスーツ。
それを操る、
たった一人の人間。
兵士を減らすために作った兵器なのに、
最後は一人の人間へ、
すべてを背負わせてしまった。
これ。
妙にガンダムらしい。
兵器が進歩しても、
最後に問題になるのは、
いつも人間なのです。
そしてガンダムXは、
そんなニュータイプと兵器の関係を、
「戦争が終わった世界」からもう一度問い直した作品だったのかもしれません。
今日はここまで。
それでは、また別のお話で。