~世界を滅ぼした戦争、その15年後から始まるガンダム~
おはこんにちは。
どうも僕です。
今回は少し、宇宙世紀から離れてみたいと思います。
取り上げるのは、
『機動新世紀ガンダムX』。
1996年に放送された作品です。
ガンダムシリーズの中では、少し異色の作品かもしれません。
初代ガンダムが「戦争の中を生きる人々」を描いた作品だとすれば、
ガンダムXが描いたのは、
「戦争が終わった後、それでも生きていく人々」
でした。
今回は、これからガンダムXを掘り下げていく前に、
世界観と物語を簡単に振り返ってみたいと思います。
■物語は「戦争が終わった後」から始まる
ガンダムXの世界では、
かつて地球と宇宙の間で、
第7次宇宙戦争と呼ばれる大規模な戦争が起きました。
地球側の「地球連邦」。
宇宙側の「宇宙革命軍」。
両陣営はモビルスーツを大量投入し、
ニュータイプ能力を軍事利用した兵器まで開発していきます。
そして戦争末期。
宇宙革命軍は、
大量のスペースコロニーを地球へ落とす作戦を実行しようとします。
それに対抗するために地球連邦が投入したのが、
ガンダムXをはじめとする決戦兵器でした。
■サテライトキャノンという恐ろしい兵器
ガンダムXを象徴する武器。
それが、
サテライトキャノン。
月面施設から送られるマイクロウェーブを受信し、
その膨大なエネルギーを一気に放出する兵器です。
一発で巨大な範囲を破壊できるほどの威力を持っていました。
しかし、
それでも戦争は止まりませんでした。
■そして世界は滅びた
戦争末期、
宇宙革命軍は大量のコロニーを地球へ落下させます。
地球連邦もガンダムXとGビットによるサテライトキャノンの一斉射撃で迎撃します。
しかし、
すべてを止めることはできませんでした。
多数のコロニーが地球へ落下。
その結果、
地球環境は壊滅的な被害を受けます。
人口は激減。
国家も崩壊。
文明そのものが大きく後退しました。
そして、
第7次宇宙戦争は終わります。
勝者はいませんでした。
■それから15年
物語が始まるのは、
戦争終結から15年後。
A.W.(アフターウォー)15年。
世界には、
戦争で残されたモビルスーツが大量に存在しています。
それを拾い、
修理し、
売る人々。
彼らは、
「バルチャー」
と呼ばれていました。
つまりこの世界では、
モビルスーツは最新兵器ではありません。
戦争が残した、
巨大な中古兵器。
これ。
妙にリアルなんです。
■主人公ガロード・ラン
主人公は、
ガロード・ラン。
軍人ではありません。
ニュータイプでもありません。
戦争で家族を失い、
一人で生きてきた少年です。
モビルスーツを盗み、
売り、
その金で生活する。
そんな少年が、
偶然ガンダムXと出会います。
そして、
ティファ・アディールという少女と出会ったことで、
物語は大きく動き始めます。
■ティファと「ニュータイプ」
ティファは、
ニュータイプ能力を持った少女です。
その能力ゆえに、
さまざまな勢力から狙われます。
そしてガンダムXという作品では、
ニュータイプという存在そのものが、
物語の大きなテーマになっています。
初代ガンダムでは、
ニュータイプは
「人類の進化」
として語られました。
しかしガンダムXでは、
少し違います。
ニュータイプは、
戦争によって発見され、
研究され、
そして、
兵器として利用されてしまった人間。
そんな側面が強く描かれています。
■ガンダムXは「ニュータイプ神話」を問い直した作品
ここが、
私がガンダムXを面白いと思うところです。
ニュータイプだから特別なのか。
ニュータイプだから未来を作れるのか。
ニュータイプではない人間には、
世界を変えることはできないのか。
ガンダムXは、
そんな問いを投げかけます。
そして主人公ガロードは、
ニュータイプではありません。
それでも、
ティファを守り、
ガンダムに乗り、
世界と向き合っていきます。
つまり、
「特別な能力がなくても、人は未来を選べる。」
これがガンダムXという作品の根底にあるテーマなのだと思っています。
■戦争ではなく「戦後」を描いたガンダム
初代ガンダムでは、
戦争が始まり、
戦争が終わります。
しかしガンダムXは違います。
物語が始まった時点で、
すでに戦争は終わっています。
街は壊れ、
国家は崩壊し、
兵器だけが残った。
それでも、
人々は生活しています。
商売をし、
恋をし、
旅をする。
つまり、
ガンダムXが描いたのは、
「世界が一度終わった後、それでも人間は生きていく。」
そんな物語だったのではないでしょうか。
■そして、ここからが面白い
ガンダムXの世界を知ると、
気になる兵器があります。
Gビット。
ニュータイプ能力を利用して、
一人のパイロットが複数の無人モビルスーツを操るシステムです。
つまり、
一人の人間が、
一個小隊どころか、
一つの部隊を操ることができる。
パイロット不足。
人的損失。
教育コスト。
軍事的に考えれば、
これほど合理的な兵器はありません。
しかし、
本当にそうなのでしょうか。
一人の人間へ、
それほど巨大な戦力を集中させる。
もしその人間が倒れたら。
もし判断を誤ったら。
そして、
ニュータイプという人間そのものを、
兵器システムの一部として扱ったら。
そこには、
別の恐ろしさが見えてきます。
次回は、
「なぜGビットは究極の兵器になれなかったのか?」
ニュータイプ一人で複数のモビルスーツを動かすという兵器思想を、
軍事・技術・そして人間という視点から考察してみたいと思います。
今日はここまで。
それでは、また別のお話で。