おはこんにちは。
どうも僕です。
今日は少し宇宙世紀を離れて、
『機動戦士ガンダムSEED』の話を。
SEEDが放送されていた頃、
私は大学生だった。
毎週欠かさず見ていたわけではない。
でも時間が合えばテレビをつけ、
気付けば毎週楽しみにしていた作品だった。
その中でも、
今でも強く印象に残っている機体がある。
バクゥ。
初めて見た時は、
「犬みたいなモビルスーツだな。」
そんな程度だった。
ところが戦いが始まると驚く。
速い。
とにかく速い。
砂丘を滑るように走り、
敵の横を一瞬で駆け抜ける。
大学生だった当時は、
「砂漠専用だから速いんだろう。」
くらいにしか思っていなかった。
しかし今見返すと、
あの機体は単なる四足歩行ではない。
"砂漠という環境"から逆算して設計された兵器だったことに気付く。
今回は、
なぜバクゥは四足歩行なのか。
そして、
なぜ砂漠であれほど圧倒的な強さを発揮できたのか。
工学的な視点から考えてみたい。
それではいってみましょう。
■まず、なぜ砂漠なのか
ここが一番重要。
砂漠は、
平らに見えて実は非常に戦いにくい。
砂は常に動く。
踏み込めば沈む。
斜面は崩れる。
足元は安定しない。
つまり、
普通の歩兵でも移動が難しい場所なのである。
戦車ですら、
砂に履帯を取られることがある。
ましてや、
十数メートルもあるモビルスーツなら、
なおさらだ。
■二足歩行は砂漠に向かない
人間も砂浜を歩くと疲れる。
理由は単純。
踏み込んだ力が、
前へ進む力ではなく、
砂を押し固める力になってしまうからだ。
モビルスーツも同じ。
二本足では、
一歩ごとの荷重が一点に集中する。
結果として、
沈みやすくなる。
■四足歩行の工学的なメリット
ここでバクゥ。
脚が四本ある。
つまり、
体重を四か所へ分散できる。
接地圧が下がる。
沈みにくい。
さらに、
常に三本以上の脚で支えることができるため、
姿勢が非常に安定する。
現実でも、
ライオンやチーターが高速で走りながら転びにくいのは、
この構造のおかげだ。
バクゥは、
その考え方を兵器へ持ち込んだようにも見える。
■なぜ高速戦闘が可能なのか
ここも面白い。
砂漠では、
止まることが危険になる。
砂煙で位置がばれる。
遮蔽物が少ない。
狙撃されやすい。
だから、
最も優れた防御は、
装甲ではなく、
「止まらないこと」
なのである。
バクゥは低重心で、
地面を滑るように走る。
高機動を維持しながら、
敵の側面や背後へ一気に回り込める。
これは、
戦車のような正面決戦ではなく、
肉食獣が獲物を翻弄する戦い方に近い。
■なぜ地上戦専用なのか
宇宙では、
脚で地面を蹴る必要がない。
推進剤で姿勢を制御する。
しかし地上は違う。
重力がある。
摩擦がある。
地面から力を受けて加速する。
つまり、
脚そのものがエンジンの性能を左右する。
だからこそ、
地上戦では脚部設計が極めて重要になる。
バクゥは、
その地上戦に特化した答えだった。
■バルトフェルドとの相性
そして、
忘れてはいけないのが
アンドリュー・バルトフェルド
である。
彼は「砂漠の虎」と呼ばれた名将だ。
真正面から押し切るのではなく、
砂丘を利用し、
敵の動きを読み、
包囲し、
一気に仕留める。
この戦術は、
高速で地形を自在に駆けるバクゥだからこそ成立する。
機体とパイロットが、
戦術思想まで共有している。
だからあれほど印象に残るのだと思う。
■現実の兵器にも通じる発想
現代の軍事技術でも、
万能兵器は存在しない。
砂漠には砂漠用。
雪原には雪原用。
山岳には山岳用。
環境に合わせて装備を変える。
バクゥも同じだ。
「モビルスーツは人型」という常識を捨て、
任務から最適な形を導き出した。
そこに、この機体の本当の価値がある。
■まとめ
バクゥは、
単なる四足歩行モビルスーツではない。
■砂漠という特殊環境
■低接地圧による高い走破性
■高速機動による生存性
■地上戦に特化した脚部設計
■バルトフェルドの戦術思想
そのすべてが組み合わさった、
極めて合理的な兵器だった。
■しめ
大学生だった頃の私は、
「犬みたいで速いモビルスーツ」
という印象しか持っていなかった。
でも今見ると違う。
そこには、
戦場の環境から兵器を設計するという、
現実の工学にも通じる考え方がある。
ガンダムシリーズは、
人型兵器が主役だ。
だからこそ、
あえて人型を捨てたバクゥは異彩を放っている。
「ロボットだから人型であるべき」
そんな固定観念に対して、
「戦う場所が変われば、最適な形も変わる」
と静かに語りかけているように思える。
だから20年以上経った今でも、
砂漠を駆け抜けるバクゥの姿は、強く記憶に残っているのかもしれない。