おはこんにちは、どうも僕です。
今日は、シリーズ最終話。
RGイングラムの話題から始まり、
イングラムという機体のリアリティ、
そして後藤喜一という人間に焦点を当ててきた。
このシリーズの最後に語るべき存在は、
もう決まっている。
イングラムの前に立ちはだかる、
もう一つの答え。
黒い機体――
グリフォンだ。
それでは、行ってみましょう。
【第三話】
黒い亡霊 ― グリフォンという“理想の暴走”
■ グリフォンは「悪」ではない
グリフォンは、悪役として登場する。
圧倒的な性能。
水中から出現する異様さ。
イングラムを軽々と追い詰める戦闘力。
だが、パトレイバーという作品は、
単純に「悪いロボット」を出さない。
グリフォンは、
理想を突き詰めた結果、生まれた機体だ。
人間の反応速度を超える制御。
安全装置を排した設計。
パイロットの感覚をそのまま機体に伝える思想。
それは、
「もっと強く」
「もっと速く」
「もっと完璧に」
――誰もが一度は夢見る方向性だった。
■ イングラムとの決定的な違い
イングラムは、不完全だ。
制限があり、
整備が必要で、
人の判断を前提にしている。
一方、グリフォンは違う。
制限を嫌い、
人間の迷いを切り捨て、
機械としての最適解を目指した存在。
ここで、はっきりする。
イングラムは
「人が扱うための機械」。
グリフォンは
「人を超えるための機械」。
この差は、
性能以上に“思想”の差だ。
■ バドという存在が示す恐怖
グリフォンを恐ろしい存在にしているのは、
機体性能だけではない。
それを操縦する
バドの存在だ。
彼は狂っているわけではない。
むしろ、極端なまでに合理的だ。
感情を切り捨て、
命令に忠実で、
目的のためなら手段を選ばない。
だからこそ怖い。
グリフォンは、
「人間の意思が暴走した姿」
そのものなのだ。
■ 水面から現れる黒い影
シリーズ屈指の名シーンがある。
静かな水面。
緊張する特車二課。
そして――
水中から現れる黒い機体。
構えるイングラム。
だが、性能差は歴然。
この瞬間、はっきり分かる。
イングラムは勝てない。
正面からでは。
それでも立ち向かう。
それが“現実側”の選択だからだ。
■ 完成された理想と、不完全な現実
このシリーズを通して、
ずっと描かれてきた対比がある。
完成された理想。
不完全な現実。
グリフォンは理想の極致。
イングラムは現実の象徴。
そしてパトレイバーは、
どちらが正しいかを決して断定しない。
ただ、問い続ける。
人は、力を制御できるのか。
理想は、現実を壊さずに済むのか。
■ だからパトレイバーは、今もリアルだ
ガンダムが
「希望」を描く物語だとするなら、
パトレイバーは
「選択の重さ」を描く物語だ。
イングラムは万能ではない。
後藤喜一は英雄ではない。
正解は、いつもはっきりしない。
だが、
それこそが現実だ。
■ シリーズを終えて
RGイングラムの話題から始まったこのシリーズは、
気がつけば
ロボットを通して「人間」を見つめる話になっていた。
それはきっと、
『機動警察パトレイバー』という作品そのものが、
最初からそういう物語だったからだ。
もしRGイングラムが発売されたら、
派手なポーズよりも、
出動前の待機状態を作りたい。
トラックに載せられ、
整備され、
命令を待つ機体。
そこにこそ、
パトレイバーの本質があると思うから。
これで、このシリーズは一区切り。
また別のお話で。

