神様に近づくほど、試される
――三峯神社・ご祈祷と下山編

前回は、友人と秩父へ初詣に向かい、
長いバス待ち、渋滞、そして途中下車からの山道ウォーク。
雪の残る道と澄んだ空気、焼き団子と中吉のおみくじ。
そうしてようやく辿り着いた、三峯神社。

 

今回は、その続き。
いよいよ本番、ご祈祷のお話。


参拝を終え、向かったのは社務所。
ここでご祈祷の申込みを行う。

住所と名前を記入し、受付へ提出。
係の方が一つひとつ丁寧に確認してくださったあと、
「願い事を二つ選んでください」と案内される。

家内安全、心身健康、学業成就、仕事運向上――
並ぶ言葉はどれも魅力的。

今回の旅のテーマは、
霊験あらたかな神社で、気持ちを新たに。

……という建前のもと、
選んだのは「家内安全」と「金運向上」。

そう、二つ目はしっかり煩悩です(笑)。


ご祈祷までは一時間弱。
社務所隣の施設で待機するも、すでに多くの参拝者でいっぱい。
立ったまま、静かにその時を待つ。

しばらくするとアナウンスが流れ、
住所と個人名が順に呼ばれ、神前へ案内される。

中に入ると、総勢およそ100名。
神様を正面に、左右に分かれて着席。

当然、正座。

何年ぶりだろう、この感覚。
最初はぎこちないが、5分ほどで不思議と体が思い出す。
子どもの頃の感覚って、ちゃんと残っているものだ。

……ただし、この時点ではまだ知らなかった。
この正座が、30分続くという事実を。


ご祈祷を執り行う神職の方は二名。
独特な節回しの読経、
そして腹の底に響く太鼓の連打。

音とリズムが体に直接伝わり、
意識がふわりと浮くような、不思議な感覚になる。

静けさと迫力が同時に存在する空間。
「ああ、今ちゃんと神事の中にいるな」と思った。

最後は順番に名前が呼ばれ、
神様へ柳の葉をお供えして、ご祈祷は終了。

所要時間、約30分。

ご想像の通り、
足は完全に痺れました。

立ち上がった瞬間、
生まれたての子鹿のようにプルプル。

友人に支えられながら神前へ進んだのは、
言うまでもありません……。


時計を見ると、すでに11時過ぎ。
帰りのバスは11時30分発。

「歩けば間に合うか」と判断し、下山開始。
ゆっくり歩き、バス停に到着すると――

目の前にバス。
しかし、満員御礼。

乗れず。

次のバスを調べると、15分後。
「まぁ、待てば来るでしょ」と
寒風が吹きすさぶ中、友人が持ってきてくれたチップスターをつまむ。

……が、待てど暮らせど来ない。

再度調べると、
次は45分後。

今のところ、
ご祈祷のご加護を感じる場面は、特にありません。

ただ、早めに並んでいたおかげで、
次のバスには無事着席できたので、
これをご利益と呼ぶべきかもしれない。


その後は、予定通り大滝温泉へ。
冷えた体を温め、疲れを癒す。

二階に分かれた湯を行き来し、
気づけば、ゆっくりしすぎてバスの時間ギリギリ。

慌てて上がり、
我慢できずに缶ビールを一本煽りつつバス停へ。

……しかし。

待てど暮らせど、バスは来ない。

GOタクシーを呼ぼうにも、
電波は弱く、タクシーも近くにいない。

さて。
我々はどうやって、西武秩父駅へ戻るのでしょうか?

今日は、ここまで。
続きはまた、別のお話で。

――第三話へ、つづく。