今回も新作を読破しました。

 

 

『軍務局長 武藤章』祥伝社新書694) 著者:岩井秀一郎

 

 今回も続けて新作を読破しました。著者は既に何冊か読んだことのある岩井秀一郎先生です。読んでて自分が知らなかったことを若干書きます(ホントはもっとあるんですけど、恥の上塗りなのでホドホドに・・)。

 

 武藤に関して有名なのは当時上司であった石原莞爾との対立(あの有名な『私たちは石原さんが満州事変の時にやったことを模範としてやっただけです』と言い放ったヤツ)ですが、少なくても石原は武藤の力量を十分に買っており単純に憎々しい等と思ってワケではないこと。対する武藤は、石原をやや夢想派的な(現実的ではない)人物と見ていたこと。

 

 そして、いわゆる思想家的な面では非凡なところがある一方で軍官僚としてはイマイチだった(地味な書類作業など)石原に対して、武藤はそういったこともテキパキこなしていたこともあり人望があったこと。

 

 太平洋戦争時、最初は今村均のジャワにおける(他の日本軍占領地区におけるそれと比較して)軍政が寛容に過ぎると武藤は思っていたものの、自らが実際にスマトラに駐屯している近衛師団の師団長になり現地へ赴任すると今村の正しさを理解し今村に対して率直に誤りを認めていること(なおかつ部下にそれを明言している)。
 
 同じく、師団長の時に出した部下への訓示で「玉砕は不忠」と断言していること。半ば兵士に死を強要するかような言動をした一部の軍人とは対照的な人物であったと言えるでしょう。

 

 個人的にもっと策謀を巡らすタイプの日本陸軍によくありがちな参謀のイメージを

持っていたのですが、実際の武藤はだいぶ違ったようです。ただ、既に書いた石原と対立した盧溝橋事件における(少なくても結果的には楽観に過ぎる)判断は・・これからも問われることとなるでしょう。

 

 以前も書いたと思いますが、著者の岩井氏は「皆が割りと有名で名前やイメージは知っている割には実際のところがあまり知られていない人物」を取り上げては丁寧に書き上げていく方です。これまではずっと陸軍軍人ばかり取り上げてきましたけど、もしかしたら今後はその幅を広げていくのかもしれません。

 

 

 

 で、ここで無理矢理ゲームのお話(笑)。

 

 『スターフィールド』と並行するように開始した『Fell Seal_ Arbiter's Mark』ですが、なかなか面白いです。

(先取りとなりますが、最初のボスとも言える敵を倒したところ)

 

 

 で、とにかくなんとかこの毎月1冊・・だけはなんとしても死守しよう!。